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地元取引とデジタルの利便性を両立。調達DXで業務負担を軽くする。

多くの自治体がDX推進に取り組んでいるが、窓口業務など目につきやすい部分に隠れて、取り残されがちな領域がある、代表的なものが各課のバックオフィス業務だ。事務用品や備品などの調達業務がアナログ手順で進められ、その非効率が気づかれぬまま職員の負担となる。かといって地域経済循環の観点から地元事業者への発注は重要で、慣習を守るために非効率な業務を変えられないジレンマを抱える自治体も少なくない。
こうした課題に対し、静岡県島田市では地方公共団体向け調達サービス「スマートガバメント」を導入し、予算上の負担やシステム開発なしに調達業務をオンライン化。地元販売店からの購入という枠組みは維持しつつ、デジタルによる利便性向上と調達範囲の拡大を実現したという。同市の担当者に詳細を聞いた
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。
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Interviewee

島田市 市長戦略部 DX推進課
柿本 春奈(かきもと はるな)さん
「注文取りまとめの負担が9割減りました」
「スマートガバメント」の導入により、業務負担の大幅な削減に成功したという島田市の事例。まずは導入の手ごたえを柿本さん自身に語っていただいた。
紙と来庁頼み。見過ごされていた調達の“非効率”。
同市では以前、調達に関する業務を全て人の手によるアナログ作業でこなしていた。カタログで商品を選び、メモをして、販売店の担当者が来庁したタイミングで発注。急ぎの場合は販売店に直接電話をかける。請求書は紙のものを受け取って処理するというフローで、その一連の作業が庁内の多くの職員の負担になっていたと柿本さんは振り返る。
「販売店が来庁するタイミングと合わなければ発注が遅れることもあり、必要なときにすぐ調達できないという不便さがありました。本庁舎はもちろん、支所では特にそうした傾向が顕著だったようです。ただ、その方法が慣習となっていたので、改善の必要性そのものを意識していなかったのです」。
また、庁内での決裁は電子化されていたが、紙の請求書をスキャンしてシステムに取り込み決裁にまわすという手順だったため、やはり人の手間は必要。結果として、デジタルを導入したものの職員が細かい事務作業に時間をとられるという状態が続いていた。
そうした中、同市に事務用品などを納品している地元の販売店から「便利なシステムがある」という話を聞いた。そこで紹介されたのが、「プラス」が提供している「スマートガバメント」だった。
決め手は「庁内ルールを変えずに済むこと」。地元への還元とDXを両立。
スマートガバメントは、自治体の調達業務の効率化とDX推進をサポートするサービス。文具や事務用品、生活用品、防災用品、作業用品など約19万点の選択肢から、Web通販と同じような感覚で各職員が直接カートに入れられる 。これにより、カタログを回覧して付箋を貼り、庶務担当者が手書きで集計するといった従来の手間が解消されるという。
その特徴の一つが、支払先は従来通り地元の販売店のままで処理を進められるという点だ。「事業者の登録や契約の変更が不要で、庁内のルールも変える必要がありません。また、地域への還元という原則も守られるので、こうした点は一般的な通販サービスや調達システムとは大きく違うと感じました」。地域経済を支える自治体の使命を守りつつ、調達のデジタル化が可能となる仕組みだ。
また、同サービスでは一括での見積依頼や、請求書の電子化なども可能で、業務の効率化が期待できる。さらに購入履歴もデータ化されるので、調達業務における透明性の確保にも貢献する。

「近隣自治体でもスマートガバメントを導入済だったので、ヒアリングしたところ『導入後はすごく便利になった』と評価していました。さらに、無料で利用できる、というのも大きかったです。ブラウザベースで動くシステムなので、初期導入費や設備投資などのコスト負担も一切ないという点が導入を後押ししました」。近隣自治体での評判に加え、全国778団体(令和8年2月時点)で導入されているという実績も安心材料になったと柿本さんは語る。
情報収集の上、同市では導入を決定。令和5年末に、まずはDX推進課で同システムを使ってみて、実際の利便性や使い勝手などを確認した。「予想通り手間がかからず、操作で戸惑うこともありませんでした。ほとんど通販サイトに近い簡単な操作感です。これなら大丈夫だという確信が得られました」。
こうした経緯を経て、庁内への拡大を開始。同課が積極的に推奨しなくとも、取引先の販売店を通じて各課へのスマートガバメントの認知が広がっていったそうだ。初めて操作する人でも使いやすい設計なので、特に操作説明会などの必要もなく、原課の職員が自然に使用を開始。令和6年度に全庁展開した。
調達業務の負担を9割削減。生まれた時間は「本来の市民サービス」へ。
同システムを使い始めた各課では、すぐに導入効果が現れはじめたという。「例えばDX推進課では、各職員がカタログのページを繰って必要なものをピックアップし、課内の庶務担当者が注文を取りまとめて発注していました。システム導入後は検索も発注も簡単になったので、職員が個々でカートに入れ、庶務担当者は注文と伝票処理だけをすればOK。庁内での調達業務で全体的に負担が減っています。課によって運用は多少異なりますが、およそこのような状況のようです。庶務担当者の負担は、調達関連業務の9割ほどが削減されていると実感しています」。
従来行っていた紙の請求書をスキャンしてシステムにアップするという手間もなくなり、商品の検索から決済までが一気通貫でデジタル化。スピード感が上がるだけでなく、カタログに掲載されていない商品もWebでみつけられるため、調達できる商品の選択肢も広がったという。
令和8年2月に実施したアンケートによると、各課からは「いつでも注文可能で、すぐ欲しい時に便利(最短で翌日に各課まで配送)」「商品の種類が豊富で写真を見ながら選ぶことができる」「普段から購入するものをお気に入り登録したり、購入履歴から選択したりできるため、注文が楽になった」と歓迎する声があがっている。庁内の導入率はすでに約77%に達した。
さらに、自治体側だけでなく、地元事業者側のメリットも大きいと柿本さんは付け加える。「従来は、販売店の方が来庁して注文をとったり、商品を配達したり、請求書を届けたりしていました。そうした手間が軽減され、特に出先機関に行く手間が軽減されたのが喜ばれています。もちろん出先機関の職員も、好きなタイミングで発注できる。双方にとってメリットの大きいシステムだと思います」。

このように調達業務の負担減と迅速化を図っているが、一部では従来のアナログの方法も残しているそうだ。「対面でコミュニケーションをとりながら直接注文した方がいいときもありますし、それは事業者も同じです。選択肢としてアナログ手段を残したことも含め、いい意味で今まで通りの関係が続けられています」。
現在、同市が主にやりとりしている事務用品の購入先は2件。いずれもスマートガバメントを利用しているので、事務用品の大半はデジタルでカバーできている。こうして新たな選択肢として庁内各課に広まり、調達方法の柔軟性が高まっただけでなく、今まで調達業務に要していた時間を、本来業務や市民サービスの向上に振り向けられるようになったという。
平時の調達網を、災害時の物資供給の「生命線」に。「いつもの仕組み」で安心感を高める。
こうした実績を積み重ねた上で、島田市は同社と令和6年に防災に関する協定を締結。全国にネットワークをもつ同サービスの供給力を活かし、災害時の物資供給体制強化につなげている。「いざというとき、迅速に物資が調達できる基盤があるのは心強いですね。また、災害時専用システムではなく平時から活用しているものなので、フェーズフリーで活用できるのではと期待しています」。こうした視点から、事務用品メインでの調達利用を続けつつ、ニーズに応じて災害関連用品の購入も視野に入れていきたいと語る。
さらに同社が提供する備蓄品管理サービス「BxLink+(ビーリンクプラス)」の存在も、将来的な展望を後押ししている。賞味期限のデジタル管理や、国の新物資システム「B-PLo(ビープロ)」とのデータ同期が可能になるサービスで、スマートガバメントと共通IDで利用できるのもポイントだという。
島田市ではすでに全庁に浸透しているスマートガバメント。柿本さんは「より多くの商品から選べるようになり、検索もしやすい。調達における利便性も向上しました」と評価しつつ、今後の利用拡大にも期待を込める。「調達業務の一つひとつは小さな仕事ですが、それが重なると負担も増大します。そこをオンライン化することで、自治体も事業者も効率的な運用ができます。かつコストもゼロというのは非常に大きい。そして、そこで創出した時間はほかの業務や市民サービス向上に役立てられます。これまで長く運用してきた手段から脱却し、身近な部分からデジタル化していくことで、さらなる業務改革への可能性も広がっていくのではないでしょうか」。
“地元企業との取引”と“業務のデジタル化”は、決してトレードオフではない。島田市のように“今の枠組みを変えずに導入できる仕組み”を知ることが、業務改革の第一歩となるだろう。調達業務に課題を感じている方は、まずは資料を確認してみてはいかがだろうか。
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