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自治体の情報システムに潜む電源リスクを大幅軽減! UPS分散や空調の課題をまとめて解決する方法は?

情報政策
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自治体の情報システムに潜む電源リスクを大幅軽減! UPS分散や空調の課題をまとめて解決する方法は?

災害の多発によりBCP(事業継続計画)への対応が求められる中、自治体の情報システムを支える電力・冷却インフラは、住民サービスを安定的に提供する基盤として重要な位置を占めている。一方で人手不足や電気料金の高騰が進み、サーバー増設で乱立した小型UPSの管理や、サーバールームの非効率な空調に悩む自治体は少なくない。

「シュナイダーエレクトリック」は、UPSの集約や局所冷却、統合管理ソフトを組み合わせたトータルソリューションで、これらの課題をまとめて解決しているという。同社に詳しく聞いた。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。


[PR]シュナイダーエレクトリック株式会社

Interviewee

シュナイダーエレクトリック株式会社
セキュアパワー事業部
シニアストラテジックマーケティングマネージャー

木口 弘代(きぐち ひろよ)さん

見落とされがちな“システムへの電力供給維持”という課題。

南海トラフ地震をはじめ、国内の災害リスク上昇が叫ばれる中、BCPの重要性が改めて見直されている。緊急時における業務運用の指針となるBCPには、職員の参集や災対本部の設置、避難所の設営、物資の確保など様々なことが定められているが、“サーバーを含む情報システムの電源”については大丈夫だろうか。

「自治体の非常用電源には、自家発電が多く使われています。しかし停電が発生し、発電装置が起動して送電が始まるまでにはタイムラグがあります。そうなるとサーバーやネットワークは突然シャットダウンするのですが、これがデータ損失やシステム障害をもたらし、機器にダメージを与えるリスクがあるのです」と木口さんは指摘する。

こうしたトラブルを避けるため、電源障害が発生した際に電力を供給するUPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)でバックアップするのが一般的だが、この装置があっても安心はできないのだという。

「UPSのバッテリーや本体機器には寿命があります。きちんとメンテナンスされていない場合、いざというときに稼働しないケースがありえます。UPSが動かなければ、停電時のリスクは何も付けていない場合と変わらなくなってしまいます」。

この“メンテナンス”が少々やっかいで、特に人員不足に悩む自治体にとっては難しい問題となっている。UPSはサーバー単位で設置されていることが多く、全ての運用・管理を担うのは職員にとって大きな負担になるからだ。しかも、サーバー増設のたびに小型のUPSを取り付けていると、庁内にUPSが乱立してしまう可能性がある。

UPSの分散に加えて、サーバーやUPSの運用・管理が属人化すると、異動などに伴う引き継ぎの際に漏れが出て、「UPSがどこに何台あるか分からない」といった管理不全が起きやすい。バッテリー交換漏れなどによって、いざというときに機能しないリスクも指摘される。しかし日本では停電が比較的少ないため、バッテリー劣化などの問題に気づくのが遅れがちになるのだという。

そして、もう一つの大きな課題が、サーバーの“冷却”だ。

サーバーを正しく冷やせないことから生じるリスクとは。

サーバーはパソコンなどに比べて高い熱を発するため、正常な機能を維持するためには冷やし続けることが必須となる。冷却の手法の中で従来一般的だったのが、サーバールーム全体をエアコンで冷やすやり方だが、この方法は大きなリスクを抱えていると木口さんは懸念を示す。

「サーバーの高性能化や仮想化などで、近年は以前よりも発熱量が増えています。しかもサーバーごとに熱のムラもある。例えば多くの部門が使用する複雑な処理を行うサーバーは、発熱が大きい傾向がある、といった具合です」。

こうした状態が続くと、サーバールーム内で特定のラック周辺が高温になる“ホットスポット”が発生し、放置するとサーバー本体は過熱。もし熱暴走を起こせば、そこに接続する業務端末との通信が途絶えたり、アプリケーションが開かなかったりするトラブルの元となり、最悪の場合はデータや機器の破損の原因にもなる。

「だからといってサーバールームの設定温度をあまりに下げると、空調コストが増大します。電気代が高騰する昨今、自治体においては看過できない問題です。冷やさなくてもいい場所まで冷やすのは効率的とはいえません」。

こうした課題を解消するために、同社では一連のソリューション群を提供しているのだという。

UPS、空調、管理ソフトのトータルソリューション。

同社のソリューション群は、サーバールームのインフラ全体を最適化するのが特色。その主な内容は、UPSの集約と最適化、冷却の効率化、そしてソフトウェアによる一括管理だ。「自治体のサーバールーム運用におけるコストや管理業務の負担を減らし、BCPの観点も含めてITインフラの安定稼働を目指すものです。近年は行政の分野でも広く導入が進んでいます」。

まずUPS集約については、三相UPS(例:「Symmetra™ PX(シメトラ・ピーエックス)」)や、単相UPS(例:「Smart-UPS™ Modular Ultra(スマート・ユーピーエス モジュラーウルトラ)」)といった比較的容量の大きいUPSで分散した小型UPSを集約・統合し、電源容量の最適化とともに、UPSの管理を大幅に効率化。同時に非常時における電力の安定供給にも貢献する。

次に冷却は、ラック間に設置する局所冷却装置「InRow(イン・ロウ)」で、発熱が高いラックの近くで冷却して空調効率を最適化しホットスポットを抑制。また、コンテイメントで暖気と冷気を分離することで、さらに高効率な冷却を実現。

さらに、サーバールームインフラを監視する統合管理ソフト「EcoStruxure™ IT(エコストラクチャー・アイティー)」を提供。これらにより、電力・冷却・インフラ全体を一元管理する。

電力消費や冷却効率をソフトウェア上でシミュレートして改善し、管理業務についても統合管理ソフトによる遠隔監視とアラート分析で、職員は現場に足を運ぶことなくリモートでの状況把握・対応が可能になります」。

コスト面については、部屋全体を過剰に冷やす必要がなくなるため、省エネと安定稼働の両立が可能となる。さらにUPSのバッテリー交換時期や、温度設定に関する分析などもソフトウェア上で確認でき、予防保全にもつなげられる。「UPSが発信するアラートも、重要度に応じた通知設定が可能で、担当者はそれに合わせてアクションを起こせます。従来のように、アラートが出たら休日であってもすぐに現場へ走るといった必要がなくなり、職員の心理的負担も軽減できるのではないでしょうか」。

これらのソリューションは単体導入も可能だが、組み合わせて活用することでより大きな効果を生むのだという。「個々のソリューションでも当面の課題を解決することが可能ですが、長期的な運用や、効率化をさらに進めるといった観点では、システムの基盤として電源や冷却を適正に管理していくことが理想です」。

ちなみにこれらのソリューションはモジュール式となっており、サーバー構成の追加・変更に応じて不足分を追加し、常に適切な状態を保つことができる。

平時はコストダウンや運用負担の軽減などに貢献し、災害などの非常時には安心を提供してくれる。こうした備えに加え、非常時の電源供給に関して「このサーバーは電力維持のために停止させるが、こちらは絶対に止めない」といった優先順位を決めておけばさらに有効だろう。


導入自治体では冷却・管理の効率化が実現。

自然災害リスクが高まった昨今、同社のソリューションは官民を問わず注目されており、導入や問い合わせも増えているという。では、実際に導入した自治体ではどのように活用されているのだろうか。

■沖縄県石垣市

旧庁舎ではサーバールームが狭く、南国ゆえの温度管理・空調管理の難しさがあり、空調のトラブル発生時には扇風機で冷却を行っていたこともあった。

新庁舎移転が決まったが十分なスペース確保も望めなかったため、省スペースで空間効率・冷却効率に優れた同社の空調方式を採用。集約型UPS、監視システムに加え免震装置も導入し、災害に強い安定的なシステム稼働を実現。「定期的な温度計チェックをする必要がなくなった」と喜ばれている。

■京都府京丹波町

以前は事務室を改装しサーバールームとしていたため、電源確保などの問題で、サーバーを追加するたびに小型UPSが増設され、混乱を招いていた。

新庁舎では同社ソリューションを採用し、6台のサーバーラックと、電源管理、集約型UPSを導入。運用状況の視認性が格段に良くなり、一元管理を実現するとともに、今後の拡張についても不安がなくなった。担当者は「機器類がワンパッケージでまとまっており、デザイン的にも優れている」と評価している。

■和歌山県田辺市

庁舎の老朽化に加え、津波・洪水想定浸水区域に市役所が位置していることが課題となり、2024年に高台へ庁舎を移転。新庁舎の目標の一つが「完全停電時における行政機能の3日間維持」であり、電力を大量に消費するサーバールームのあり方を検討。従来の全体冷却をやめ、より効率的な冷却方法として同社ソリューションを採用した。

局所冷却が可能なInRow空調機と、冷却効率を向上させるコンテイメントを導入。さらに三相UPSを2台導入し、平常時と災害対応時に役割を分けて運用している。「個々の小型UPS管理から解放され、電力供給も集中管理で効率的になった」と担当者は歓迎する。

以上3つの事例は、いずれも庁舎建て替え時のものだが、サーバールームの移転や集約などに伴う相談も多く、段階的な拡張にも対応しているのだという。

BCP強化と、今後の自治体DXを支える基盤として。

このように、サーバールームの管理において生じる自治体の悩みに寄り添い、ソリューションの組み合わせで課題を解消している同社。今後、自治体システムのクラウド化が進んでも、三層分離におけるマイナンバー系のデータ管理など、機微な情報の取扱いは従来通りとなるため、対策の必要性は変わらないという。

「ある自治体では、クラウド化のコストに鑑みてオンプレに戻した、という話を聞きました。また、災害時に通信が途絶することを考え、あえてオンプレを選択したというケースもあります。様々な状況に応じて、自治体とともに解決策を考えていますが、いずれにしてもサーバールームにおける電源と冷却、運用管理は今後も重要です」。

また、実際に災害が発生したら、住民への情報発信や避難所の管理、インフラのダメージ把握などに始まり、罹災証明書の発行や公費解体の手続きなどシステムが不可欠な業務が続く。そうしたときにもサーバーが安定稼働しているという状況は、平時からつくっておかなければならない。同時に、サーバーの運用管理における業務負担の問題は、今後労働人口が減少していくという課題と密接に結びついているため、将来に向けた備えも大切だ。

さらに、昨今は生成AIの進化が目覚ましく、サーバーの消費電力や発熱量が増大して、電源や冷却といったインフラの重要性は一層高まると見込まれている。同社もそうした流れをけん引し、変化に対応する技術開発を進めているのだという。

木口さんは、「日常において、電源や空調のことは意識されづらいものです。しかし、電力が途絶えたことで、重要なシステムが止まるといった事態は避けなければなりません。こうしたインフラの維持を常に意識していただければ」と強調しつつ、次のように締めくくってくれた。

「当社は小型単相UPSを世界に先駆けて発売した会社です。40年以上の歴史と豊富な導入実績で、自治体におけるサーバールームの最適化と、BCP推進を強力にサポートします。自治体の規模を問わず提案できるので、ぜひご相談ください」。

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