取組概要
◆松山市のごみ焼却施設である南クリーンセンターでは、プラント施設の維持補修や機器更新などに
伴って発生する撤去機器類を金属類として売却することで、歳入増加と再資源化を図っている。
◆これまでは金属類をひとまとめで売却していたが、撤去機器類を銅などの非鉄金属類と鉄鋼類とに
分別し、それぞれで入札することで歳入増加につなげた。
取組期間
令和元年度
※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2020」の応募事例から作成しており、本記事の内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。
背景・目的
◆撤去機器類の売却は、事前に入札参加業者が現物を確認することで、売却物の状態や規模を把握してもらっている。
◆しかし、撤去機器類に含まれる高額な非鉄金属の量は一見わかりにくいため売却単価に反映されず、また、金属類の多くが鉄鋼類であることから、安価な鉄くずの市場取引額に準じた売却単価となる傾向にあった。
◆そこで、高額での売却が期待できる非鉄金属と鉄鋼類を分別して保管し、別々に入札して売却することで売却額増加を図った。
取組の具体的内容
◆売却時に、入札参加業者に保管場所を確認して売却物の状況や規模を把握した上で応札してもらっているが、売却物の多くが鉄鋼類であることから、高価な非鉄金属が含まれていても、その量や状態が把握しにくい状態であった。
◆そのため、ある程度の量が見込める非鉄金属については、発生時に分別して保管し、見える化を図ったうえで鉄鋼類とは別で売却した。
売却物の保管場所
◆今回、平成25年度に休止した灰溶融炉設備の使用済み電極棒など多数の銅類部品を売却する予定であったことから、銅類のみ分別して集めたものの売却入札を実施した。
売却した銅類
特徴(独自性・新規性・工夫した点)
◆発生した金属類をそのまま売却するのではなく、高価な非鉄金属の量や状態が把握しやすいように分別することで歳入増加につなげたこと。
取組の効果・費用
◆令和元年度に銅類のみを売却する入札を実施したところ、売却単価は512,000円/t(税抜き)、売却量は2.14tであった。
◆同年度に、分別せずに金属類として入札した際の売却単価が18,200円/t(税抜き)であったことから、銅類のみに分別して入札したことで、約116万円(税込み)の歳入増加となった。
取組を進めていく中での課題・問題点(苦労した点)
◆非鉄金属は発生量が少ないため、売却するために一定量集めるには保管期間が長期化する場合があるため、施設内を整理して保管場所を確保する必要がある。
今後の予定・構想
今回売却した銅以外にも、プラント内ではステンレスや白金などの非鉄金属を使用している。
今後も、鉄鋼類よりも高価な非鉄金属類の発生が見込める際は、分別保管し、鉄鋼類と分けて売却入札をすることで歳入増加を図っていきたい。
他団体へのアドバイス
ごみ焼却施設のようなプラント施設では、機器の補修や更新に伴って多くの金属類が発生するが、その中には鉄鋼類だけでなく高額での売却が期待できる非鉄金属が含まれている場合もある。
保管場所さえあれば、ひと手間かけて発生時に分別保管し、金属種類ごとに有価物として売却することで売却単価の増加が期待でき、歳入増加につなげることができる。
問い合わせ先
愛媛県 松山市 清掃施設課南クリーンセンター
089-948-6901