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※下記はジチタイワークスVol.36(2025年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
八王子市では、不登校支援の一環として給食センターを開放。学校に通えない子どもたちに給食を提供し、大きな反響を呼んでいるそうだ。市は令和2年に給食センターを整備し、中学生への提供を順次開始。温かい給食は好評で、喜びの声が上がっ
たという。そんな中、令和5年1月、市の教育長が「不登校の子どもたちは、給食を食べることができない。それが残念だ」と語る場面があった。その思いをきっかけに、“学校には行けなくても、給食センターなら来られるかもしれない”と取り組みがスタート。まずは招待状をつくり、学校の先生から子どもへ渡してもらうことに。早くも2月には実行に移したという。給食センター5施設の食育ルームを開放し、中学生は当日受付・無料で利用できる仕組みを整えた。
「家から出るだけでも大きな一歩。気軽に来られるように申し込み不要にこだわりました」と安齊さん。利用者数の傾向を把握するまでは、食材の確保に工夫を重ねたそうだ。誰も来ない日がある一方で、人気の献立の日は1施設で20人近くが集まる。中には、初めて給食を食べるという子どもも。「社会とのつながりをつくるきっかけになれば。今後は、中学校卒業後も利用できる児童館など、次の居場所にもつなげていきたい」と意気込む。
▲11時30分~13時に開放。小学生は保護者の付き添いがあれば利用できる。
八王子市 学校教育部 学校給食課
安齊 祥江(あんざい よしえ)さん