\\\ 編集室メンバーによる明太子企画 ///
ジチタイワークスの本拠地は福岡・博多!
そこで、普段は冊子の編集に取り組むメンバーが
それぞれの個性を発揮し、まるで博多明太子のように
“粒立った”企画をお届けしよう!という趣旨で
立ち上がったWEB限定・不定期連載コーナーです。
今回は、一度は聞いたことがある
「地方創生」の成り立ちについて調べてみました!
‐ほかの自由研究を読む-
「〇〇」を調査!vol.1 ~補助金と交付金の違い編~
「〇〇」を調査!vol.2 ~内閣官房と内閣府の違い編~
「〇〇」を調査!vol.3 ~財政難って?編~
「〇〇」を調査!vol.4 ~地方創生はどこから?編~ ◀今回はここ
“地方創生”を説明できますか?
オム:「◯◯市では、地方創生に向けた取り組みに力を入れる」。記事を制作する中で“地方創生”という言葉がよく出てくるけど、トモさん、詳しく説明できる?
トモ:人口減少や高齢化が進行しているから、全ての自治体が力を合わせて頑張ろう!ということでしょうか……。正直、なんとなくの雰囲気でしか説明できないです。
オム:私も地方創生が必要になった背景とか、これからの動きは分からないな。気づいたらよく耳にする言葉になっていた、というイメージがあるよね。
トモ:でも、記事で取り上げたり業務上使ったりする言葉なので、ちゃんと意味を分かった上で使うようにしたいですね!規模が大きい話になりそうですが、今回は“地方創生”を調べてみませんか?
オム:よし!気合いを入れて調べるぞ!
“地方創生”の成り立ちとは !?
トモ:地方創生が今に至るまでには大きな流れがあったようですよ!
政府が地方創生を打ち出した背景
平成26年5月、日本創成会議・人口減少問題検討分科会より「ストップ少子化・地方元気戦略」が公表される。
地方における人口減少の主な要因は、若者の大都市への流出であるとされ、
特に若年女性人口が2040年に5割以上減少する市町村は896(全体の49.8%)に達するという。
→第2次安倍内閣において、東京一極集中の是正、少子化・人口減少対策、地域経済活性化に向けた取り組みの必要性を認識し、地方創生を重要課題に位置付けた。
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地方創生担当大臣新設・「まち・ひと・しごと創生本部」設置
平成26年11月、まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施することを目的に「まち・ひと・しごと創生法」が制定される。基本理念や総合戦略の作成等が定められ、「まち・ひと・しごと創生本部」の設置についても法定された。
※「まち・ひと・しごと創生」=「地方創生」
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第1期・第2期総合戦略
安倍政権下で、平成27年度~令和元年度の5カ年にわたる第1期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を立て、続く菅政権下においても令和2~6年度の5カ年で第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(以下、総合戦略)が閣議決定された。
第1期の取り組み後も東京圏への転入超過は増加しており、さらなる取り組みが必要だという認識のもと、第2期総合戦略では、新たな4つの基本目標と2つの横断的な目標が掲げられた。
まち・ひと・しごと創生総合戦略
4つの基本目標と2つの横断的な目標
4つの基本目標
• 稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする
• 地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる
• 結婚・出産・子育ての希望をかなえる
• ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる
2つの横断的な目標
• 多様な人材の活躍を推進する
• 新しい時代の流れを力にする
※参照:まち・ひと・しごと創生 「長期ビジョン」「総合戦略」「基本方針」
(内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 内閣府地方創生推進事務局)
新型コロナの感染が拡大したことを踏まえ、総合戦略や方針が見直される中で、従来の目標に加えてさらに「ヒューマン」「デジタル」「グリーン」の新たな観点も取り入れられた。
地方創生の3つの視点にもとづく具体的な取り組み
• ヒューマン(地方へのひとの流れの創出、人材支援)
• デジタル(地方創生に資するDXの推進)
• グリーン(地方が牽引する脱炭素社会の実現)
オム:“若者の大都市への流出”が人口減少の要因として見込まれたことで、政府に危機感を与えたということだね!
トモ:5月の公表から11月の大臣・本部設置までかなりスピーディな動き!それだけ危機感を抱いていた証拠ですね……。
オム:コロナの拡大による混乱があって、総合戦略や方針が変わっていったというのも納得だね。ところで、内閣官房が進める“デジタル田園都市国家構想”はこの地方創生から誕生したって知ってた?
トモ:え!そうなんですか?確かに、「地方創生の3つの視点にもとづく具体的な取り組み」の一つに“デジタル”という項目がありますが……。
オム:この流れについて、もう少し調べてみよう!
ここにひも付いていたのか、“デジタル田園都市国家構想”!
オム:岸田総理の就任以来、「デジタル田園都市国家構想」(以下、デジ田)を成長戦略の柱の一つとして位置付けて、地方と都市の差を縮めていく動きが本格化したようだよ。
トモ:構想の実現のための具体的な支援策として活用されているのが「デジタル田園都市国家構想推進交付金」ですね!
オム:そういうことだね!
タイプ別!デジタル田園都市国家構想交付金
※参照:デジタル田園都市国家構想交付金
デジタル田園都市国家構想交付金について_デジタル田園都市国家構想交付金の全体像
(内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 内閣府地方創生推進事務局)
オム:こうして見てみると、デジ田がなぜ地方創生にひも付いているかがよく分かるね!
トモ:そうですね!デジ田が目指す「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」の根本には地方創生があったということですね。
オム:実際に“書かない窓口”や“地域アプリ”、“遠隔医療”などの取り組みは、デジ田交付金を使って実装されている例があるみたいだよ。ここには書ききれない、様々な事業が採択されているから、今後の自治体の取り組みにも注目したいね(参考:デジ田メニューブック)。
トモ:どんな事例が出てくるのか楽しみです!そして、第2期の総合戦略が令和6年度までなので、今後の戦略も追いながら、業務にあたっていきます!
2人の自由研究はつづく……
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参考
日本創成会議・人口減少問題検討分科会.成長を続ける21世紀のために 「ストップ少子化・地方元気戦略」.
http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03.pdf, (参照2024/3/6)
地方創生に関する特別調査室 .地方創生に関する特別委員会.
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/shiryo/doukou208tisou.pdf/$File/doukou208tisou.pdf, (参照2024/3/6)
内閣官房・内閣府総合サイト.地方創生.施策.
https://www.chisou.go.jp/sousei/policy_index.html,(参照2024/3/6)
内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局/内閣府地方創生推進事務局.第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2020改訂版)について
https://www.chisou.go.jp/sousei/info/pdf/r02-12-21-gaiyou.pdf,(参照2024/3/6)