ジチタイワークス

宮城県仙台市

【下村 瑞希さん】都市経営の視点を学び、地域の課題解決に挑む。

人口減少が避けられない地域社会をどのように維持し、住民の暮らしを守っていくのか。これからの自治体運営を考える上では、“都市経営”の視点が欠かせないという。

下村さんは仙台市(せんだいし)で心理職として働く傍ら、スクールに通い経営や公民連携を学び、子どもたちに、学校以外の学びを提供する教育プログラムを企画運営している。

※下記はジチタイワークスVol.28(2023年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

宮城県仙台市
健康福祉局 障害福祉部
精神保健福祉総合センター
下村 瑞希(しもむら みずき)さん(入庁13年目)

心理職として従事する傍ら、プライベートで都市経営を学ぶ。都市圏を拠点に子どもたちが社会を学ぶ「クリエイティブスクール」を企画運営。NPO法人自治経営で活動、公務員タスクフォース代表も務めながら、地域課題の解決を目指す。

経営視点の必要性を知る。

困り事を抱えた子どもの支援やケアに携わりたいという気持ちから、大学で心理学を学び、仙台市に入庁。心理の専門職として、発達障害や、精神的な病気を抱える住民の相談業務などに携わっています。心理職の私が“都市経営”という言葉を知ったのは、まちづくりをテーマにした職員研修がきっかけでした。

何となく面白そうだなと思い受講すると、人口や税収が減っていく中で公務員も経営の視点でコスト意識をもたないと、今の住民サービスが維持できなくなることを知りました。目の前の業務だけではなく、もっと視野を広くもたねば淘汰されるかもしれないという危機感を抱いたのです。

そこで、近隣の自治体職員が有志で集まる勉強会「公務員タスクフォース」へ参加。同じ公務員が課題感をもって行動する姿に勇気をもらいました。予算の多くを占める福祉分野にこそ、経営の視点が重要。私も未来を見据えて行動できる公務員になりたいと思い、プライベートで「都市経営プロフェッショナルスクール」への参加を決意。受講料の半分はタスクフォースのメンバーに支援してもらい、半年間本気で学びました。応援してもらったからには、まちに還元せねばという強い気持ちでしたね。

学んだままで終わらない。

スクールでの学びを実践するために「クリエイティブスクール」という教育プログラムを企画しました。“花×稼ぐ”をテーマにしたイベントでは、子どもたちがブーケを手づくりして自分たちで販売します。経営に触れられる機会をつくりたいと考え、原価を学び値付けして、収入を得るまでの流れを体験できる場に。

アイデアの根幹にあったのは、不登校やひきこもり支援で感じた課題。学校以外でのクリエイティブな学びや多様な出会いを、子どもたちに提供したいと思ったのです。参加した小学生からは“稼いだお金は夢をかなえるために使う”との声も聞かれ、やりがいを感じています。今後も継続性のある事業に育てたいと思っています。

今は、スクールの仲間と創設した「自治経営」というNPO法人で活動しています。8月に開催した「公民連携アワード」というイベントでは、プロジェクトマネージャーという大役を経験しました。それらのプライベートの活動で身に付いた企画力は、仕事での行動力につながり、自分の成長を感じています。一歩踏み出せば世界は広がり、自分自身も変わっていく。ライフスタイルに様々な活動が組み込まれた今、これからも公私で、地域に関わりつづけたいと思います。

フローリストの先生から学ぶ子どもたち。

NPO法人自治経営ホームページはこちら

 

★あなたのまちのG-people、教えてください。

info@jichitai.works 件名「G-people 情報提供」

Articles - G-People 記事一覧

このページをシェアする
  1. TOP
  2. 【下村 瑞希さん】都市経営の視点を学び、地域の課題解決に挑む。