ジチタイワークス

群馬県中之条町

森林経営管理制度にもとづく、所有者の意向調査を支援する。

所有者に代わって自治体などが森林を整備・管理する「森林経営管理制度」。放置森林をなくそうという制度だが、それには所有者の同意が必要となる。そこで、中之条町では所有者に意向調査票を送付。その回収を「東電用地」に委託したという。

※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]東電用地株式会社

宛所不明者の追跡調査や訪問面談など職員だけでは越えられない壁がある。

林業の後継者不足が深刻化する中、放置森林の面積も年々拡大している。森林が荒廃すると、木材の供給や生態系の保全といった機能が損なわれるだけでなく、豪雨時における土砂災害のリスクも高まる。まちの面積の約87%を森林が占める同町では、「機械化により材木出荷量は従来の水準を保っていますが、林業従事者の数は確実に減っています」と唐澤さん。手入れされず、標準的な伐採時期を過ぎた針葉樹林も多いという。

森林整備を効率的に行うためには、放置された森林の所有者から管理を委託してもらう必要がある。点在した状態では管理コストが高くなるため、森林の集約化が欠かせないのだ。そこで同町では制度にもとづく意向調査票を所有者に郵送し、自分あるいは知人が管理するか、自治体や森林組合に委託したいかを調査。「意向調査票を送るだけでは、宛所不明で返ってきたり、返答がなかったりして回収率が低くなるのは明らかでした。

未相続の場合は現在の所有者を突き止める必要がありますし、返答のない場合は訪問面談で直接意向を確かめなければなりません」。職員だけでは対応できないと判断し、プロポーザルを実施。地権者探索や用地交渉の実績が豊富な同社に、意向調査票の回収業務を委託した。

足を運んで分かりやすく説明し回収率を約93%に押し上げる。

委託の内容は、意向調査票の返答がなかった人への訪問面談。「延べ350人に郵送し、連絡がなかったうち75人の訪問面談を依頼しました。その結果、75人中62人もの意向を確認してくれ、最終的な回収率は92.85%までアップ。森林の管理を自治体に委託してもらうことで、ほぼ抜けのない状態まで集約化できました」。

意向調査票の郵送と訪問面談の二段構えにしたことで、高い回収率を達成できた。ほかにもメリットは多かったようで、「制度の内容や自治体の事業について、所有者に分かりやすく説明してくれました。また、連絡をしない理由を聞いてくれたり、登記上の住所に人が住んでいないことを報告してくれたり。ここで得られたたくさんの情報は、今後の業務運営にも役に立つと思います」。

また、一般にはなじみのない制度のため、コールセンターを設けるなどして所有者の理解促進にも努めた同社。訪問の際には、相手の信頼を得やすいよう“東電用地”のネームが入ったユニホームを着用するなど、細部まで配慮が行き届いていたという。

手がかかるだけの厄介な森林がまちの資源へと生まれ変わる。

手入れの難しい小規模な森林を集約することで、重機による効率的な整備が可能になる。森林がよみがえれば、林業の活性化も進んでいく。その再興の中核となるのが、現在建設中の「中之条町木材活用センター」だ。今秋の完工予定で、町内の林業事業者とともに運営する。バイオマスボイラー用のチップ製造や、町内外の子どもに森林環境教育を行う“森の学校”など、ハードとソフトの両面で事業を展開していく予定だ。

「今後、同社とはソフト面でも協働したいと考えています。都会の自治体と手を組んで、その地域の子どもたちを当町に招くなど、魅力的な提案をもらっています。実際に山に入り、森林を身近に感じてもらうことで、次世代の人材育成につなげたいのです」。森林整備の先に、林業の再興だけでなく、環境教育プログラムによる里山の活性化を掲げる同社。「尾瀬国立公園」の環境整備に携わってきた経験をもとに、東電グループ全体でサポートするという。

さらに、森林を宝の山に変えるストーリーも描いているという。「利益を還元するJクレジットにも取り組む予定です。今回の森林整備の先に、これまで厄介者扱いされてきた森林から利益が生まれる可能性があります」。同社への委託が森林整備の第一歩となり、里山の未来が豊かに広がっていくようだ。

将来的には、間伐体験などの森林環境教育を行っていく予定。

唐澤 敏之(からさわとしゆき)さん
中之条町 農林課 林業振興係
補佐 兼 係長

担当者の声
依頼したのは、連絡が取れない“ 困難案件”ばかり。その中でも高い回収率を達成してくれました。おかげで今後の森林整備がはかどります。

 

意向調査票の回収率を上げる東電用地の豊富なノウハウ

1.分かりやすい内容で返答率アップ

意向調査票の設問内容が複雑な場合、おのずと返答率も低下する。平易な文章にしたり、記述方式ではなく選択方式にしたり、回答しやすいように配慮する。
※今回は同町が自分たちで用意

2.宛所不明者の調査と所有者への訪問面談

所有者の宛所が不明の場合、住民票などを調べるだけでなく、近隣住民に聞き込みを行うことも。特定できた所有者には訪問面談を実施して丁寧に説明。意向を聞き取り、自治体に報告する。

3.所有者の疑問に応えるコールセンターを開設

所有者の疑問や不安に応えるため、同社がコールセンターを設置。高い応対技術をもつ専属社員が、本事業への理解を促す。自治体への問い合わせが少なくなり、職員は業務に専念できる。

意向調査の流れ

返答がない場合は訪問面談

● 制度や事業内容を説明
● 所有者の意向を確認
● 所有者の考えや思いまで
聞き取り、自治体に報告

県内外・夜間・休日問わず臨機応変に対応

所有者が必ずその地域にいるとは限らないし、留守がちで会えないケースもある。同社なら全国各地に足を運び、所有者の都合に合わせて夜間や休日にも対応。成果につながる訪問面談を心がけている。

詳細はこちら

地権者探索や対人折衝の経験が豊富な同社のサイトはこちらから。

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お問い合わせ

サービス提供元企業:東電用地株式会社

開発企画部
TEL:03-6371-1130
住所:東京都荒川区西日暮里2-25-1
ステーションガーデンタワー5F
E-mail:LG-service@tepco-youchi.co.jp

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