ジチタイワークス

千葉県白井市

未相続地の法定相続人を調査・特定し、公共事業の進行を強力にサポートする。

現在、日本各地で問題になっている所有者不明土地。公共事業などで自治体が土地を買収したくても、所有者を特定できない可能性が高まっている。実際に白井市がこの難題に直面し、その調査・特定を、実績豊富な「東電用地」に委託したという。

※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社東電用地株式会社

未相続のまま放置された土地が原因で道路の整備事業が暗礁に乗り上げる。

既存道路の拡幅や新設道路の整備には、事業用地の取得が必要になる。しかし、用地内に未相続の土地がある場合、取得の難易度は一気に上がるという。交渉に入る前に、同意を得るべき法定相続人を特定しなければならないからだ。

同市は工業団地につながるアクセス道路の整備において、この問題に直面した。産業振興の観点から、大型トラックのスムーズな通行は欠かせない。アクセス道路の整備は、市の重点戦略事業にもなっている喫緊の課題だという。

「まずは当市が事業用地の取得を進めていましたが、その中の未相続地だけが手付かずの状況でした」と、武藤さん。当時、用地班にいた土井さんも「未相続の上に共有地だったため、法定相続人は相当数にのぼると推測されました。誰と交渉を行えばいいのかすら、分からない状況だったのです」と話す。そこで、民間の力を借りるため10社で指名競争入札を行うことに。指名業者として、地権者探索の実績とマンパワー、関東一円での対応が可能なことなどから同社を選んだという。

膨大な量の戸籍を丹念に調べ上げ法定相続人を調査・特定する。

委託の内容は、法定相続人の調査・特定と、特定した法定相続人への訪問面談。直接会って、相続登記の同意を得ることまでを依頼したという。今回、同社に委託した未相続地の地権者6人は大正時代に登記されたもの。そのため、調べなければならない法定相続人は相当数にのぼることが予想された。

「未相続の共有地というだけでなく、法定相続人が子の代、孫の代へと広がる数次相続※1まで発生している、非常に困難なケースでした。法定相続人を把握するため、関係者全員の戸籍を取り寄せましたが、中には江戸時代末期の筆書きのものまであったのです。課税課で戸籍を扱ったことはありますが、とても読み解けるレベルではありませんでした」。

そこで同社が全ての戸籍をひもときながら“相続関係説明図”を作成し、その全容解明に努めたという。1人でも欠けていると、法定相続人の持ち分までは確定できない。「記録が古いため、家督相続※2や養子縁組されたケースも多くありました。そのため持ち分の計算も複雑だったと思います」。同社は併設された行政書士事務所と連携しながら、持ち分の算出までをサポートした。「委託したおかげで、一部を除いて令和4年度内にほとんどの用地買収を完了させることができました」と、土井さんは成果を語る。

※1遺産相続が終わらないうちに相続人が死亡し、次の相続が始まること
※2長男が1人で全ての遺産を相続する制度(旧民法下の制度で現在は廃止)

専門知識のある民間会社に委託し公共事業をスムーズに進める。

こうして特定できた法定相続人のもとに、同社が出向いて交渉する。アクセス道路の重要性を理解してもらうため、まずは市の整備事業について説明。所有権や相続に関する問題は非常にデリケートなため、相続を誘導するようなことはしないなど、面談では細心の注意が必要になる。用地取得後の関係性まで見据えた交渉ができるのも、豊富なノウハウをもつ同社の強みといえるだろう。また、関東一円に支社があるため、千葉県外への訪問にもフットワーク軽く対応。土日祝日や夜間の訪問も可能という。「未相続地の問題は、対応が遅くなればなるほど相続関係説明図のピラミッドが大きく、複雑になります。職員3人体制の道路課用地班だけでは、相続問題が複雑に絡んでいる今回のような事案にはとても対処できなかったでしょう」。

工業団地へのアクセス道路が開通すれば、物流の活性化が期待できる。さらに、通学路を通行する大型トラックを減らすことができれば、近隣住民や通学児童の安全性も向上するだろう。「最終的に、同社が特定してくれた法定相続人は78人にものぼりました。このバトンを受け取って、最後は市の出番です。産業振興や周辺住民の安全な暮らしのためにも、当市が責任をもって、本事業をしっかりと進めていく予定です」。

白井市
前・道路課 維持管理係 副主幹
(現・上下水道課 課長)
武藤 雅典(むとうまさのり)さん

前・道路課 維持管理係 主任主事
(現・収税課 収税係 主任主事)
土井 克浩(どいかつひろ)さん

担当者の声
早期の整備が望まれている道路です。同社のおかげで、市の重点事業にもなっている本事業を進める道筋が見えてきました。

 

法定相続人の調査・特定から面談交渉までを東電用地と連携

事業用地の中に未相続の共有地があったため、白井市が同社にサポートを依頼。
…自治体がすること …東電用地がすること

1.戸籍を取り寄せる 

法定相続人を特定するには、関係者全員の戸籍が必要になる。そこで同市が複数の自治体に依頼して取り寄せた。出生から現在まで、全ての戸籍が必要になるため膨大な数にのぼったという。

2.相続関係説明図を作成  

戸籍をひもときながら相続関係説明図を作成し、法定相続人の数や関係性を明らかにする。相続というデリケートな問題に関わるため、不要なトラブルを招かないよう細心の注意が必要となる。

3.特定した法定相続人を訪問面談 

相続の持ち分まで確定できたら、法定相続人を訪問して交渉する。県外への訪問や、土日祝日・夜間の対応も実施。市の買収契約がスムーズに進むよう、アクセス道路の重要性なども説明する。

4.用地買収の契約を結ぶ 

同社が法定相続人の同意を得た後、最後の買収契約は市が担当。土地に建物や樹木などがある場合は、その補償内容も同時に別途契約。遺恨を残さない対応が必要となる。

用地の取得後を見据えた細やかな配慮

同社の強みは、地域住民と良好な関係性を保ちながら交渉できることだという。電力事業では施設のスムーズな管理・運営のため、住民とのつながりが大切になる。そのノウハウを活かし、公共用地の取得支援でも、自治体による買収交渉が円滑に行えるよう配慮する。

詳細はこちら

地権者探索や対人折衝の経験が豊富な同社のサイトはこちらから。

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サービス提供元企業:東電用地株式会社

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TEL:03-6371-1130
住所:東京都荒川区西日暮里2-25-1
ステーションガーデンタワー5F
E-mail:LG-service@tepco-youchi.co.jp

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