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【イベントレポート】~ “地方創生10年”改革リーダーが示す新時代ビジョン~地方創生ベンチャーサミット2025

地方創生が国の政策として掲げられてから約10年。サミットの冒頭では、これまで地方創生大臣も務めてきた石破茂首相が、今後の地方創生の方針の1つとして「楽しい日本」をキーワードに挙げた。この10年で世の中の状況や人々の価値観も変化し、人々の幸せも多様化している中、多様性の宝庫である地方にこそ「楽しい日本」を創造する伸びしろがあると期待を込める。

本サミットには自治体や企業のリーダーが集結。今後10年の地方創生のあり方について意見を交わし、それぞれの持つ新時代のビジョンを示した。当日の様子をダイジェストでお届けする。

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【目次】

地方創生の10年を振り返り、これからの10年を展望する[メインセッション1]

シェアの力で地域をアップデート!地方創生の空白を埋めるシェアリングエコノミーの可能性[セッション4]

地域がもっと輝く未来へ!次世代リーダーと創る、地方創生の新時代ビジョン[セッション6]

地方創生の10年を振り返り、これからの10年を展望する[メインセッション1]

メインセッションには4人のリーダーが登場。地方創生が国策化された2014年から約10年が経過して社会状況も変化する中で、全国の自治体が地方創生を進めるには何が必要か。今後10年の地方創生の展望について議論を交わした。

地方創生の10年を振り返り、これからの10年を展望する

[登壇者]

高島 宗一郎氏(福岡市長 スタートアップ都市推進協議会 会長)
鈴木 英敬氏(衆議院議員 前・三重県知事)
朝比奈 一郎氏(青山社中株式会社 筆頭代表CEO 福井県立大学 客員教授)
吉田 雄人氏【モデレーター】(一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合 代表理事)

「楽しい日本」にするための地方創生について意見を交換

吉田氏:先ほど石破首相から「楽しい日本」という話がありました。自己紹介も兼ねつつ、地方創生の文脈での「楽しい日本」についてお聞きしたいです。まずは朝比奈さんからお願いします。

朝比奈氏:私は経済産業省で14年ほど働いて、青山社中という会社を立ち上げました。全国の自治体でアドバイザーなどの公職をやらせていただいて、地方活性・地方創生に熱心に取り組んでいます。石破首相のお話の中で、地方創生の原点として返還後の沖縄の話がありました。ハワイを参考に地域振興が進められましたが、当時の沖縄では泳げる人の割合が47都道府県のうち下から2番目くらいだったそう。海に囲まれているのに意外ですよね。地方創生においての「楽しい日本」は、そうした住民も気づいていない魅力を掘り起こす「楽しいシンボルづくり」を日本中でやること、「経済活性」「ちゃんともうかる」「企業中心」「官民連携」こういうキーワードをこうベースにすることがカギだと考えています。

鈴木氏:衆議院議員の鈴木英敬です。経済産業省で10年間働いて、構造改革特区など地域活性化に携わってきました。今や当たり前になった、6次産業や商農連携の法律づくりにも関わりました。その後、三重県知事を10年半務めて、今は衆議院議員をやらせていただいています。「地方創生ベンチャーサミット」1回目は三重県で開催して、そのときゲストで来ていただいたのが当時の地方創生大臣だった石破さん。10年越しに同じサミットで再会できて大変うれしいです。「楽しい日本」ってことなんですけど、自分のまちのよいところは何なのかをちゃんと知り、1人でも多くの人と共有することだと思います。三重県知事時代に使っていた考え方は「3つのワン」。ナンバーワン、オンリーワン、ファーストワンの観点でアピールポイントを探すんです。都道府県で初とか、ファーストワンは結構使えますよ。

吉田氏:ありがとうございます。ちなみにベンチャーサミットの1回目は?

鈴木氏:三重県です、さすが!それが“ファーストワン”です。

吉田氏:ありがとうございます。高島さんお願いします。

高島氏:福岡市長の高島です。鈴木議員と同い年で、同時期に当選した氷河期世代です。私たちが小さな頃は日本が色々な分野で世界一、それが当たり前でした。今やその当たり前が変わってきている状況。次の世代によりよい日本を渡すためには、リスクをとって挑戦する人を輩出し、その人たちを応援する社会にしていかなきゃいけない。そのために、福岡市ではスタートアップを含めた創業支援政策に力を入れています。「楽しい日本」にするためにはそれぞれ地方なりに普通に皆楽しくやるんですよ。でも、楽しくできない状況が色々あって、基礎的なOS自体が古すぎて新しいアプリが入らない。テクノロジーやビジネスモデル、働き方や生き方、家族のあり方全てが変わってきています。その新しい「アプリ」を地方で動かすために、地方の現場から変えようと頑張っています。

地方創生の10年を振り返り、これからの10年を展望する


官民連携強化には「行政の言語」を認知して共有する仕組みが大事

吉田氏:地方創生で活躍できる人材とか会社ってどんな特徴があるかってお話を聞きたいですね。まず高島さんからお願いします。

高島氏:前提条件として、行政と企業では言語が違うってことを知っておいてほしいです。

吉田氏:研究と検討の違いとかね。

高島氏:要するに、行政っていうのは効率性のよさで選ぶのではなく、大義とか法や条例、公平性から判断する。企業の経済合理性だけを説得材料にしても行政に届かないんです。それから、予算を組むスケジュールや制度など、行政の「お作法」もあります。12月に話を持ちかけても、行政のスケジュールで実現できるのは1年後になるわけです。

鈴木氏:僕も講演をするときは、国と自治体それぞれのスケジュールを入れたカレンダーを出します。新しい予算を入れるならこのタイミング、予算の額を増やしたいならこのタイミングとかっていうのがちゃんとあるので。皆がそれを認知して共有できるような仕組みが大事だと思います。朝比奈さんがお持ちの「官民連携エキスパート」という資格も、政治や行政の仕組みを学ぶ目的で整備されましたよね。

吉田氏:実際に行政と関わり、「官民連携エキスパート」でもある朝比奈さんから見てどうですか。

朝比奈氏:具体的な手続き論とかスケジュールについては付け加えることはないんですけど、メタ的な視点で申し上げると「官民連携」って言葉はあるけど、結局は人と人とのつながりですよね。高島さんや鈴木さんとは立場は違いますが、志を同じくする同士であり友だち。官民連携には2つ大事なことがあると僕は思っていて、ひとつは「マインドセット」。制度的な問題、仕事を受注したい企業の事情、地元のしがらみとか、いろんなものを乗り越えてでもやるんだ、という志が行政側と企業側で一致するのが最強の官民連携ですよね。もう1つ大事なのは「クリエイション(創造力)」。テクノロジーやAIを使いこなして、これまでのルールや“しきたり”を乗り越え、新しいものを創り上げる力がこれから先、もっと必要になると思います。

シェアの力で地域をアップデート!地方創生の空白を埋めるシェアリングエコノミーの可能性[セッション4]

セッション4のテーマはシェアリングエコノミー。スタートアップとの連携を積極的に行う箕面市の原田市長と、市場をけん引する若手リーダー3人が登壇。人口減少や交通インフラの維持など多くの課題を抱える地方自治体に、シェアリングエコノミーがどのようにコミットできるか。今後の可能性について官民それぞれの視点から意見を交換した。

シェアの力で地域をアップデート!地方創生の空白を埋めるシェアリングエコノミーの可能性

[登壇者]

小川 嶺氏(株式会社タイミー 代表取締役)
中島 幹彰氏(コギコギ株式会社 CEO)
原田 亮氏(大阪府 箕面市長)
石山 アンジュ氏【モデレーター】(一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事
一般社団法人Public Meets Innovation 代表理事)

地域の持続可能性を高めていく“シェア”の発想

石山氏:シェアリングエコノミーについて、少しだけ私からご紹介させてください。シェアリングエコノミーの国際的定義はまだありませんが、日本の原風景に置き換えると「おしょうゆの貸し借り」。これも広い意味で見るとシェアリングエコノミーだと私は考えています。デジタル上で可視化された時間、物、空間、スキルなどあらゆるものを、ご近所さんだけではなく、海外や県外の人ともデジタルを通じて共同で所有・利用する。これがデジタル社会における新しいシェアリングエコノミーの形です。市場規模は現在約3兆円ですが、10年後には15兆円規模に成長すると予測されています。人口減少により各自治体の税収が減り、行政サービスの維持が難しくなっていく。地域の持続可能性を高めていくには“シェア”の発想が生きていくと思います。石破総理の掲げる「地方創生2.0」の骨格にあるのは分散型国家づくりです。人とお金を地方に分散・シェアして持続可能な地域、自立した地域、楽しい地域をつくる可能性がシェアリングエコノミーにはあると考えています。

ベンチャー企業と連携してシェアリングエコノミーに取り組む自治体が増加中

石山氏:今日はシェアリングエコノミーを実践する皆さんとのセッションです。まずは自己紹介からお願いします。

原田氏:箕面市長の原田と申します。この人口減少社会で、昨年箕面市は鉄道路線の北大阪急行を延伸しまして、難波梅田・新大阪から1本で来られる新駅を2つ作らせていただきました。西には阪急電鉄、東には大阪モノレールが走っていて交通がすごく便利なんですが、その合間や山間部で公共交通が行き届かない所がある。そこをシェアサイクルやAIオンデマンドバスで補完するためシェアリングエコノミーを活用しています。広義の意味でのシェアリングとしては、小学校のプールを廃止して民間プールで授業を行うことで、学校がプールを持つ必要がないといった取り組みや、消防司令業務の広域化で消防も周辺市町村と一緒にやると。これからは、ごみ処理施設や水道もシェアを進めていきます。本日はよろしくお願いします。

石山氏:続いて中島さんお願いします。

中島氏:コギコギ株式会社の中島と言います。コギコギは自転車のシェアリングのサービスから来ている社名ではあるんですけれども、持続可能なまちづくりに取り組んでいるスタートアップです。東京や福岡でシェアサイクルを始めたところ地域の交通課題に気づき、コロナ禍前の5~6年前、ローカルの交通課題を解決する会社になるんだとかじを切り直しました。今は全国22の都道府県、36市町村で導入していただいています。僕たちのプラットフォームの最大の強みは黒字化モデルを持っていること。全国で約8割の導入先が黒字運営をしています。観光2次交通や関係人口づくり、ローカル鉄道沿線活性化など観光協会が間に入って進めることが多いので、事業の黒字が観光協会の自主財源になっていることも。そうした口コミを聞いた自治体側からお問い合わせをいただき、導入が広がっています。本日はよろしくお願いいたします。

石山氏:それでは小川さんお願いします。

小川氏:株式会社タイミーの小川と申します。“スキマバイト”でご存じの方もいるかと思いますが、タイミーというワークシェアリングサービスをやっております。実は、この1年で19都道府県35自治体とタイミーは行政連携協定を結んでいて、直近のスタートアップの中で最も早く地方創生にコミットしている企業です。タイミーのユーザーは現在約1,000万人、労働人口の約15%を占めています。1番延びているのがシニア層のユーザーで、全体の5%と昨年の約2倍以上に増えている状況。つまり、シニアが少なくとも50万人はいるという形になっております。東京、名古屋、大阪だけではなく、五島列島や宮古島でもタイミーが使われていて、どんな場所でもワークシェアリングができることから、地方の関係人口創出や低所得者の所得引き上げ、移住促進など、「働く」というコンテンツを用いて様々な切り口から行政と連携しています。

シェアの力で地域をアップデート!地方創生の空白を埋めるシェアリングエコノミーの可能性

この10年でシェアリングエコノミーが「日常」になってきた

石山氏:シェアリングエコノミー協会を立ち上げてもうすぐ10年経つんですが、かなり社会が変わってきたなと感じます。中島さんはいかがですか。

中島氏:サービスを開始した2015年当時、シェアサイクルをやっている会社はうちともう1社、合わせて2社しかなくかったんです。その後、2017年にハローサイクルさんが参入。それを皮切りに競合企業が増えたことでシェアサイクルのマーケットが形成され、僕たちも生き残ることができました。この10年を振り返ると大変なことも多かったですが、“シェア”の概念が日常になってきたと思います。

小川氏:シェアリングエコノミーは課題解決のために生まれた考え方。飲食業などは以前から人手不足でしたが、求人広告を出せばいいといった風潮が主流だった。けど、人手不足の課題感がより顕著になってきて、求人媒体にも人が集まらないときに“スキマバイト”が飲食や物流業界を皮切りにどんどん社会に浸透していったんです。産業ごとの課題のターニングポイントが、シェアリングエコノミーの転換期にもなると思います。

行政側の課題は「ベンチャーをどう使いこなしていいか分からない」こと

石山氏:桑名市の市長から、1,700自治体のうち公民連携しているのは体感で2割、そのうち公民特化型窓口を持つ自治体は20ほどという話を伺いました。原田市長が公民連携を選択肢として持っているのはどういった背景があるんでしょうか。

原田氏:市長としては若くて、こういうイベントが好きだからベンチャー企業の方々とつながれるっていうのが大きい。本当はよくないですけど、公民連携が充実するかは市長や職員の情報感度に依存する側面はありますよね。行政側はベンチャー企業のサービスをどう使いこなしていいか分からないんですよ。我々の課題としては、ベンチャー企業との接点がなく、行政サービスを民間に置き換えるアイデアも不足していることだと思います。小学校のプールを民間プールに置き換えるときも議会から「行政が自前でやるべき」との反発が根強くあった。けど、人口減少社会で、今後も行政サービスをフルで提供し続けるのは難しい。財政も縮小する中、今後は民間サービスを活用しなくてはいけません。公共性の観点からも、企業と組むときにほかの自治体の先行事例を共有してもらえると、特定の企業を利するのではなく実績にもとづいた判断だと議会にも説明がしやすいし、住民の理解も得やすいですね。シェアの力で地域をアップデート!地方創生の空白を埋めるシェアリングエコノミーの可能性

地域がもっと輝く未来へ!次世代リーダーと創る、地方創生の新時代ビジョン[セッション6]

セッション6はジャーナリストの田原 総一朗氏を招き、官民それぞれの立場の若手リーダー4人が登場。次世代の地方創生が目指すべきゴールや新たな世代を育む教育、そして変革への挑戦について議論が繰り広げられた。

地域がもっと輝く未来へ!次世代リーダーと創る、地方創生の新時代ビジョン

[登壇者]

長内 あや愛氏(食文化研究家、株式会社食の会 代表取締役)
篠永 信一朗氏(一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合 共同代表)
たかまつ なな氏(株式会社笑下村塾 代表、社会起業家)
古谷 崇洋氏(愛媛県 砥部町長)
田原 総一朗氏(ジャーナリスト)

地方創生が目指すべきゴールとは何なのか

田原氏:地方創生でうまく行ってるのはどういう地域?成功しているのはどこなの。

篠永氏:このセッションのテーマ「地方創生のビジョン」という話にもつながると思うんですけど、「地方創生ってどうなったらできてんの?」というのがすごく問題で、ゴールが見えていないことが大きな問題の1つだと思います。この10年で東京一極集中は進み、地方は少子高齢化が進んで私の地元も消滅可能性自治体と呼ばれるようになりました。じゃあ地方創生は何もできなかったかと問われるとそうではなく、今日この会場にお越しいただいている企業や自治体の方たちのように、官民が連携したモデルケースと呼ばれる事例がたくさんできてきたと思うんです。

たかまつ氏:北海道のニセコ町は海外からの観光客を呼び込んだり、住民が総合計画を組み立ててまちづくりに取り組んでいたり。私の専門である教育の分野でいうと、教育留学があります。島の学校が廃校になりそうだというときに、静かに勉強ができる、環境を変えられる場所へ留学しませんかと言って、まちへの移住者が増えたという事例がありますよ。

篠永氏:福岡市は創業支援に力を入れたことで新しい企業が生まれ、人口も地価も上昇したモデルケースだと思います。

地方創生の中でも自治体間の地域格差が生じている

たかまつ氏:もっと未来視点のお話もしたいんですが、地方創生のイベントでは地方の拠点都市に人が集中してしまうのは仕方ないといった結論になりがち。その過程で維持できなくなる地域では、住民とどのような合意形成をとっていくのでしょう。地方創生に取り組む自治体間でも地域格差が生じています。

古谷氏:おっしゃる通りで、今年2月から人口2万人の砥部町の町長になり、中山間地域にもあいさつ回りをしました。かつては人口1,000人ほどだった集落でも、ここ20年で人口が半減したといった地域がいくつもあります。老朽化した集会所では、そこで1人暮らしする80代のおばあちゃんが迎えてくれるんですね。首長として住民のためにインフラを提供し続ける責任がありますが、地方自治体の戦略として都市効率をよくする集約化が望ましい。でも、そこにいる人たちの生活を目にすると「まちに出て暮らしてほしい」とは感情的に言えません。そこが今1番の悩みです。

地域がもっと輝く未来へ!次世代リーダーと創る、地方創生の新時代ビジョン

地方の人口を増やすには。地元で自己実現できる環境づくりや次世代の教育が大事

田原氏:地方でどうやって人口を増やすの?できる、できないじゃなくて「増やさなきゃいけない」んだよ。

篠永氏:1人1人が自己実現できる環境が整っているかだと思うんです。僕の地元の愛媛県四国中央市は、大手製紙会社がある企業城下町で、財政的には豊かな方だと思います。じゃあそれで皆が自己実現できているかと言われると、仕事はあるけどやりたい仕事とは限らない。同年代の人、特に女性は大学進学のタイミングで都市に流失して、結果的に人口減少が進んでいるのが現状です。

たかまつ氏:キャリア教育を依頼されて地方に行くことがあるんですけど、職業選択がほぼ決まっている状況で、東京のキャリア教育とは全然様子が違いますね。長内さんは地方の中学校をまわってみてどうですか。

長内氏:高校生くらいまでは「自分のまちが好きだから、地元の特産品を発信したい」って夢を語ってくれる子が多いですね。ただ、一度は都市に行ってみたいと。そこから地元に戻りたいと、結構な確率で皆さんおっしゃいます。外に出てみないと分からないこともありますから、それ自体は私はいいと思います。ただ、戻ってこようと思えないことが問題です。地元で農業・漁業をやりながら家でもパソコンで仕事ができる、みたいな選択肢が増えてくるといいのかなと。古谷さんは何がきっかけで地元に戻ったんですか?

古谷氏:私は田原さんと同窓で早稲田に進学したんですけども、高校生の頃には「地元に戻ろう」という気持ちがありました。身近にご両親を亡くされた子がいて、小さなまちにもセーフティーネットからこぼれてしまう人いることに衝撃を受けたんです。東京で学んだことを地元に持ち帰るつもりで進学して、今は町長になりました。

たかまつ氏:田原さんの年齢で価値観をアップデートし続けるのって難しいことだと思うんですけど、田原さんはなぜそれができたんですか?

田原氏:僕は高校の教育がよかったね。「なぜこんなに勉強が難しいんだ」と聞いたら、大学に行くためだと言う。「なぜ大学に進学するのか」と問うと、よい就職をするためだと。「どうして就職するのか」と聞くと大体の教師はそれ以上答えられなかったけれど、その先生は「1人の人間に1回しかない人生で、何がやりたいかを選ばせるのが教育だ」と教えてくれた。

長内氏:若い頃の教育がずっと残っていて、今の生き方につながっているんですね。

篠永氏:我々の世代も頑張っていますが、今後の地方創生のビジョンとして次世代のリーダーを教育の中で増やし続けていくのも大事だと思っています。


⼀般社団法⼈熱意ある地⽅創⽣ベンチャー連合とは

ベンチャー企業のもつイノベーティブなサービスにより地域課題解決や地域事業の⽣産性を上げ、持続的な地域の経済発展に貢献することを⽬的として平成27年より活動開始。現在約80社のベンチャー企業らが参画しています。地⽅創⽣分野で活躍するキーパーソンを招いた勉強会や、本サミット等を通じ、地⽅⾃治体や⺠間事業者等に対し広く情報発信を⾏い、地⽅創⽣実現のための機運醸成を図る取り組みを⾏っております。

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