東京都杉並区

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庁内のデジタル環境の見直しで、職員の働き方が変わり出す。

情報政策
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庁内のデジタル環境の見直しで、職員の働き方が変わり出す。

働き方を変える情報インフラ構築支援

今や働き方改革は欠かせない施策だ。そのカギとなるのがDXだが、デジタル化しただけで変化の実感がないという自治体も多いのではないだろうか。杉並区では庁内ネットワークや端末環境を整え、職員が働きやすい職場づくりを進めている。

※下記はジチタイワークスVol.42(2026年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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杉並区
政策経営部 情報管理課
課長 眞鍋 稔晴(まなべ としはる)さん

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政策経営部 情報管理課
主査 神谷 周佑(かみや しゅうすけ)さん

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政策経営部 情報管理課
杉本 春菜(すぎもと はるな)さん

職員アンケートで浮き彫りになった庁内のデジタル環境における課題。

同区では令和4年7月に新区長が就任。“対話”を重視する方針のもと、全庁的な職員アンケートを実施した。区政を進める上で何がボトルネックなのか、職員はどのような本音を抱えているのか、といった点を洗い出すのが目的で、集計結果から浮き彫りになったのが、庁内のデジタル環境に対する改善要望だったと眞鍋さんは語る。「コミュニケーション手段が限定的であるとか、テレワークの制度はあるが使いづらい、といった声が多く上がっていました。実際に、職員が様々な面で不便を感じていることを再認識しました」。

従来の環境では、例えば外部とのコミュニケーションはメールか電話に限られ、ファイルストレージの使用も禁止。データをメールに添付できない場合は外部媒体に保存し、別途送付する対応をとっていた。また、およそ6,000人の職員数に対してテレワーク専用の端末は約200台。そのため、希望するときに使えなかったり、テレワーク時には庁舎に電話して端末を起動してもらったりする手間も必要だったという。「普段使っているパソコンを庁外での仕事で使いたくても、ネットワークにつながらないため使えませんでした」。

こうした事情を鑑み、デジタル環境の見直しに着手。情報インフラの再構築などをデジタル化推進計画に位置付けて取り組みを始めた。

働きやすい職場をつくるためα′モデルの採用を決定。

情報インフラとは、日々の業務を支えるネットワークや端末環境などの全体を指す。その再構築は、単なるデジタル環境の改善ではなく、働き方そのものの変革だと考える同区。「柔軟なワークスタイルを取り入れることで、クリエイティブな仕事ができるようになっていくはず。それが区民サービスの向上にもつながると考えました」。

こうした目標のもと、ともに改革を進めていく事業者について検討した結果、「NTT東日本」をパートナーに選定。「働き方改革を支援する同社の姿勢と、定着支援の手厚さに注目しました。この取り組みを機に働き方をよりよくしていこうという私たちの考えと、方向性が合致している点を評価したのです」。

同社の提案内容は大きく4つのステップに分けられる。まず準備期では現場の状況を把握し、導入するツールを検証。次にツールを導入し、職員の利用促進をサポート。習熟度が高まった段階で、業務の見直しや効率化に向けた支援を実施する。最終的には、職員がより意欲的に働ける環境を整え、区民サービスの向上につなげる、という流れだ。

庁内ネットワークの構成は、協議の結果「α′(アルファダッシュ)モデル」を採用することに決まった。「職員の使いやすさや再構築までのスピード、今後の自治体ネットワークへの適合などを総合的に考え、これが最適だと判断しました」。こうして、プロジェクトの土台が固まっていった。

職員への手厚いサポートで改革への不安を軽減する。

改革へ向けて動き出し、現場レベルの調整段階に入ると、大変な部分も多かったと杉本さんは振り返る。「ベンダーが代わるので、システム移行の調整に多くの時間を要しました。また、1つのIDで複数システムを横断的に使えるようにするID統合も行いましたが、ここでは人事異動に伴う複雑な仕様も絡んできます。苦心しましたが、同社が常にリードしてくれたので助かりました」。

そして、忘れてはならないのが庁内へのフォローだ。このプロジェクトでは、変化に対する職員の不安軽減にも注力したという。「新システムの操作説明会を全15回実施しました。ハンズオンで行ったので、実際に触れてみることで安心し、業務で活用するイメージが湧いたのではと感じています。参加できない職員のために動画配信もしました」と神谷さん。また、技術面の研修とは別に、管理職に向けた“DXマインドセット研修”も実施。高い視座から事業を変えていこうとする機運醸成を図っていったそうだ。

研修だけでなく、職員の困り事への備えも抜かりはない。運用開始後の混乱や、情シス部門の負担を軽減するため、同社による常駐型ヘルプデスクを設置。庁内からの問い合わせに迅速かつ手厚く対応することで職員の安心感にもつなげている。

全体のスキルを底上げしつつ次の改革ステップへ進む。

同区のインフラ再構築が完了したのは令和7年10月。普段使いのパソコンでテレワークができるようになったり、チャットで手軽にコミュニケーションが取れるようになったりと、身近な変化が起きはじめている。今後は業務改革を進めるフェーズに入り、その間も同社の伴走支援は続いていくという。「研修も基礎から応用編へと進んでいきます。新しいシステムやツールをどう使えば仕事がしやすくなるのか、職員が自ら考え、変革を生み出していく状況が理想です」。

また、眞鍋さんは個々の職員に向けたアプローチも大切にしたいと力を込める。「まだデジタルへの苦手意識をもつ職員も多いのが実情です。そうした声も拾いつつ、DXサポーター制度をつくって職員が勉強しやすい環境を整えるなど、スキルと改革マインドの底上げを図りたいと考えています」。さらに、効果測定による導入前後の比較を行い、業務プロセスの見直しも進めながら、新たな打ち手を探っていく予定だという。「当区でも、将来的に職員が減っていくことは確実です。この現実に対し、職員が自由に使える時間をDXで創出しつつ、やりがいを高めて、結果として区民サービスも向上していくような好循環を目指します」。

現時点では“階段をのぼりはじめたばかりの状態”だという同区。やるべきことは多いとしつつ、その目は確実に地域の未来を捉えているようだ。


NTT東日本の中長期的な伴走支援


地道な伴走支援で苦手意識を和らげる

同区で令和6年10月に実施したアンケートでは、ほぼ全ての職員がDXの必要性を認識。しかし約6割がデジタルへの苦手意識をもっているという結果に。


CHECK!

自社ノウハウをもとに自治体DXをサポート

同社はα′モデルやMicrosoft 365など、自治体が注目する情報サービスに精通。自社で実践した働き方改革の知見を自治体向けに最適化して提供している。他自治体の事例も共有してくれるため、導入後の姿を具体的に描きやすい点も強みだ。

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