異動を生かす働き方とは?『公務員の「異動」の教科書』著者、堤直規さんの教える仕事術。
第1回|上司との『人付き合い』 ←今回はココ
第2回|自治体の未来をつくる仕事術とは?
第3回|同僚との『人付き合い』
第4回|2部署目と3部署目以降の違いとは?
第5回|異動に備えて準備すべき引継ぎのコツとは?
第6回|失敗しない業務引継ぎの受け方とは?
第7回|異動はキャリアデザイン
第8回|一歩進んだOJTの受け方とは?
※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.7(2019年9月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
1.定年までの、あなたの上司は何人?
上司との関係に悩む若手からの相談が多くあります。計算してみたところ、新入職員が定年までに仕える上司は延べ80人近くに。相性の善しあしがあるのも当然です。同じ上司にまた巡り合うこともあるでしょう。
異動の中で出会うさまざまな性格・強みを持つ上司との関係をどのように良好なものにするか、「人付き合い」の幅を広げ関係を深いものにしていけるかが、あなたの仕事と職場での居心地を左右します。
2.上司に対する「幻想」を捨てる!
「上司とは人格と能力に優れた存在である」。それは「幻想」です。確かにそういう方もいるでしょう。しかし、私を含めて多くの上司は、「強みはある。一方で癖の強い存在でもある」のが本当のところです。
上司があれをしてくれない、ここがダメだと悩んでも無駄。それよりも等身大の上司を見つめ、その強みと癖に合わせて仕事をすることに集中していきましょう。そのほうが、仕事も職場もラクに楽しくなります。
3.上司との「人付き合い」を広く深く!
上司が「ダメ上司」「無責任上司」「気難しい上司」「細かい上司」のときは、むしろチャンスです。「ウマが合う上司」「面倒見のよい上司」「やり手の上司」には注意が必要です。異動の中で出会う人との縁を大事にすれば、それが財産になります。
ダイヤモンドを磨くのはダイヤモンドであるように、人を磨くのは人。異動の中での「人付き合い」を楽しみたいですね。
参考:『公務員ホンネの仕事術』 p.3-5、16-47
講師PROFILE
小金井市企画財政部行政経営担当課長 堤 直規
2017年に学陽書房から『公務員の「異動」の教科書』を刊行。若手からベテランまで役立つ引き継ぎの方法や仕事の作法などを解説する。
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