異動を生かす働き方とは? 『公務員の「異動」の教科書』著者、堤直規さんの教える仕事術
第1回|上司との『人付き合い』
第2回|自治体の未来をつくる仕事術とは?
第3回|同僚との『人付き合い』
第4回|2部署目と3部署目以降の違いとは?
第5回|異動に備えて準備すべき引継ぎのコツとは?
第6回|失敗しない業務引継ぎの受け方とは?
第7回|異動はキャリアデザイン ←今回はココ
第8回|一歩進んだOJTの受け方とは?
※下記はジチタイワークスVol.9(2020年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
1.異動を重ねる
新年度も1カ月弱。異動された皆さんも、職場に慣れてきた時期でしょうか。公務員は定年まで異動が続きます。私たちのキャリア(仕事と人生の道筋)とは、「ありたい姿」に向かって異動の中で一つひとつの職場で能力・経験等をどのように積み上げていくかに他なりません。
これまでに培ってきたことは何か。それぞれの職場で培ったものをどのように仕事に活かし、自分の「強み」としていくか。キャリア・デザイン、それを自ら描いていくことが大事です。
2.2カ月で学ぶ
異動の中で実績を上げるためには、「2カ月で覚えろ、3年先を見据えろ」が大事です。2カ月で懸命に業務を学び、3年先を描いて取り組んでいくことです。
その中で自分がどのような知識・技術・経験等を得られるかを考えてみてください。それがキャリアデザインにつながります。
なお、能力だけでなく人脈=信頼関係を大事に考えてみてください。信頼関係こそが、大きな財産になります。
3.「よい機会」を組み込む
キャリアデザインを考える中では、どう「よい機会」を増やすか、それを生かすかをぜひ考えてみてください。
成功したとされる人たちの8割が、実は偶然の機会によって大きくキャリアが拓かれたものであり、そうした偶然の機会を増やすことが大事であるという研究・理論があります(ジョン・D・クランボルツ「計画された偶発性理論」)。
必ずしも希望どおりとならない異動の中でキャリアを築いていく私たち公務員にとっては、特に大事なことです。
筆者PROFILE
小金井市企画財政部行政経営担当課長 堤 直規
2017年に学陽書房から『公務員の「異動」の教科書』を刊行。若手からベテランまで役立つ引き継ぎの方法や仕事の作法などを解説する。