ジチタイワークス

大阪府富田林市

【納 翔一郎さん】公務員、情報発信する。

全国に先駆けて取り組んだ公民連携のインターネットテレビや、市公式noteの開設など、積極的な発信を続ける納さんに、働き方のコツを聞いた。

※下記はジチタイワークス公務員特別号(2021年3月末発行)から抜粋し、インタビューの内容やプロフィールは原稿作成時(同年2月中旬)のものです。

大阪府富田林市
市長公室都市魅力課
広報シティセールス係
納 翔一郎 さん

なや しょういちろう:2010年、富田林市に入庁。総務部課税課市民税係で市民税の賦課、課税証明書発行などの窓口業務を担当。2014年に大阪府庁へ出向し、総務部市町村課行政グループで人事や給与制度、マイナンバー等の業務に携わる。2016年、富田林市に戻り現職。ふるさと納税、公民連携、シティセールスなどに従事している。個人で、地方公務員ブロガーやローカルフォトグラファーとして活動をする傍ら、様々な公務員コミュニティの運営や、府内の南河内地域を盛り上げる公務員チーム「MIRAI-HUB」の代表を務め、公私にわたり富田林と公務員の魅力を発信している。


挑戦し、継続しながら、ポジティブな言葉で“伝わる”発信を。

Q.バイタリティー溢れる活動の根幹にあるものとは。

私は、もともと面白そうなことには参加するタイプです。そして、学生時代のアルバイト先で、「1日の3分の1は働く時間。楽しく働かないともったいない!」という考えを教えてもらい、身につけました。どんなことにも、やりがいや面白さを見出せるといいなと思って日々働いています。

公務員になって“継続が生み出す価値がある”ということも学びました。一度始めたことは続ける。でも、プレッシャーを感じると楽しくないし、やめたくなるので、最初は「いつでも方向転換できる!」と軽い気持ちで挑戦するようにしていますね。

 

Q.シティセールスマンとして心がけていることは。

シティセールスには、知名度向上という“外向け”のものと、地域愛着度向上という“内向け”のものがあると考えています。たとえ市外から観光に来てもらっても、市民が地域に自信を持っていないと、魅力が伝わらずに来訪者はがっかりして帰ることになります。私としては、まずは市民の地域愛着度の向上が必要だと思い、市民を巻き込む情報発信の仕組みとしてインターネットテレビ「富田林テレビ」や「富田林市公式note」を始めました。

インターネットテレビ開設前は、内部調整に苦労しました。庁内の人に理解してもらうために、会議での提案はもちろん、上司や同僚など、一人ひとりに合わせた資料をつくりました。一対一で口説き落とす作戦です。また、ハードルを下げるために、予算不要なプロジェクトにすることも意識しました。富田林テレビは、プロサッカークラブ「F.C.大阪」と包括連携協定を結び配信をしています。経費は、私の人件費のみです。公式noteも同じく、執筆する職員の人件費のみで運営しています。“予算が必要ない=継続しやすい”というのは、メリットですね。

情報発信はシティセールスマンの大事な役割ですが、このご時世、情報発信にリスクはつきものです。これまでの個人活動を含めた経験で決めたマイルールは、「ネガティブな発言はしない」「政治、宗教といった複雑な問題には触れず“いいね!”も押さない」の2点です。このルールを徹底すれば、ある程度リスク回避はできます。

加えて、“伝える”だけの発信で満足せずに、相手に“伝わる”こと、つまり、しっかりと相手の顔をイメージしながら発信することを心がけています。結果は、閲覧数だけではなく、“届けたい人に届いたか”“どれだけの市民を巻き込めたか”を重視しています。例えば富田林テレビでは、市民のクチコミで認知度が少しずつ上がり、今では出演希望者が増えて調整することが大変なこともあります。その分、市民を巻き込んだ情報発信ができているなと実感しています。

 

Q.納さんが考える公務員の魅力とはどういうものですか。

民間企業と違い、公務員は競う必要がありません。全国の公務員が横軸でつながることで、課題解決にもつながります。“競争”ではなく“共創”という考え方です。

私自身、府庁出向時代に市町村の垣根を超えた公務員同士のつながりを持てたことで、相談できる相手が増えましたし、市に戻ってからも仕事がしやすくなりました。人のつながりから、新しいプロジェクトが生まれる瞬間も見てきました。公務員は、前例を重視する風潮があるとはいえ、新しいことにも挑戦しやすい環境だと思います。

今後は、“公務員”という肩書きを活かしながら市民をつなげるハブになりたいです。ヒト・モノ・コトによりフォーカスし、深掘りした取り組みをしていきます。

 

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