【林 博司さん】広報紙に実写マンガを取り入れ「財政状況伝えるマン」が活躍。
■財政状況伝えるマン
平成28年11月号の「広報きたもと」に掲載された、市の財政状況を伝える10ページの特集記事。若手職員扮する、赤いマントを羽織ったヒーローが「財政」という難しいテーマをマンガ調で分かりやすく伝えている。この斬新なアイデアが市内外から評価され、全国広報コンクールでは北本市初の入選を果たし、数々のメディアでも取り上げられた。現在も年2回特集を掲載、シーズン8まで続く。
※下記はジチタイワークスVol.11(2020年9月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
埼玉県北本市 市長公室シティプロモーション・広報担当
林 博司さん(入庁11年目/33歳)
埼玉県の中央に位置する北本市は、都心まで50分ほどの距離にありながら、豊かな緑に囲まれた人口約6万6,000人のまち。財政課時代に市の財政を分かりやすく伝える取り組みを企画した林さんに話を聞くと、仕事にかける熱い思いと抜群の行動力が見えてきた。
市民に財政を知ってほしい。
入庁2年目から4年間、広報担当として市の情報を市民に届ける役目を担っていましたが、市の財政状況という題材は重要でありながら難しく、市民に適切に伝わっていないと感じていました。そんな中、平成28年に財政課へ異動し財政状況の厳しさを痛感。この状況に立ち向かうためには、職員・市民がこの課題を共有し、一緒にまちの未来を考えていく必要があると考え、「財政状況伝えるマン」を企画しました。広報紙になじみが薄い若い世代にも手に取ってもらえるよう、実写マンガ仕立てにし、主人公には若手職員を起用。広報担当時代のノウハウを活かしながら、予算ゼロでも市民に伝わるよう工夫しました。
発行後は「面白かった、分かりやすかった」と反響が大きく、ホームページの閲覧数は7倍に。予算編成などについて意見を募集すると、それまでほぼゼロだったのが、最大で50件程度の意見が寄せられるようになりました。広報紙を通して市民のみなさんと課題を共有できたことが嬉しかったです。
チャレンジし続けること。
平成29年には、隣の桶川市と合同で自主勉強会「KOAS(コアス)」を開始しました。広報担当時代から、全国で頑張る職員の方々と出会う機会が多く、このつながりを自分だけで留めておくのはもったいない、地元に還元し、他の職員にも切磋琢磨できる環境を用意したいと考えたからです。これまで4回開催し、参加者は毎回60〜70人ほど。参加した職員からは「刺激を受けた」という意見が多く、最近は前向きかつ自発的に動いてくれる後輩が増えていると感じています。そんな彼らと一緒に働けることがとても誇らしいです。
令和元年からはシティプロモーションを担当。市民が自分のまちを好きになり、まちに少しでも関わりを持てることが大切だと考え、「&green(アンドグリーン)」というコンセプトのもと、北本市の緑がそばにある暮らしの魅力を伝えています。北本市に魅力を感じ、まちのために活動している人が市内にはたくさんいます。そうした方や取り組みを市内外に伝えていくことが私の重要な役割です。
私たち公務員の使命は、市民に「このまちに住んでいて良かった」と幸せを感じてもらうこと。それはどの部署にいても、どの立場にいても変わらないと、私は思っています。自分の頑張りがまちや人のためになる素晴らしい仕事だから、やらない言い訳は考えず、真っすぐまちと向き合いたい。庁内の仲間や全国のつながりを支えに、前向きにチャレンジしていきます。