ジチタイワークス「公務員ライフを楽しむためのバラエティ増刊号」とは?
社会の難題に立ち向かう公務員の皆さんに、ちょっとした安らぎの時間を提供したい。
そこで今回は、編集室に「公務員のためのバラエティ班」を臨時創設!
疲れたココロとアタマを休めながらも、公務員ライフを少し楽しく、豊かに感じられる……
そんな多彩なコンテンツをお届けします。
※下記はジチタイワークス バラエティ増刊号(2025年1月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
全国には「部活動」に情熱を注ぐ、アツい自治体職員たちがいることをご存じだろうか。仲間と汗を流し、チームの結束力を高める、業務中では見ることのできないもう一つの姿がそこにはあった―。
藤枝市役所 サッカー部
記念すべき年を飾る優勝
令和6年夏に開催された、全国自治体職員サッカー選手権大会。全国各地の予選を勝ち抜いた計48チームによる熱戦の末、藤枝市役所サッカー部が頂点に輝いた。これで8大会連続、35回目の優勝。自治体チームとして無類の強さを誇る。
同チームは特別な思いを背負ってその大会に臨んだという。味方を活かすパスを武器にチームを率いた渡辺主将は「第50回大会で、なおかつ地元・藤枝市での開催。さらには市制施行70周年、サッカーのまち100周年という節目で、先輩たちが築き上げた連覇を途切れさせるわけにはいきませんでした。大きなプレッシャーの中で思うような試合運びができず、決勝はPK戦までもつれ込みましたが、全員の力で何とか勝ち切ることができました。うれしいのはもちろん、とにかくホッとしたというのが正直なところです」と大会を振り返る。
強さの秘けつは練習量
同サッカー部は昭和34年に創設され、部員数は20〜30代の選手25人と、監督・コーチなどスタッフ6人の計31人。「オフェンス重視の楽しいサッカー」を目指すチームだ。
なぜ、そんなに強いのか。「当市にはサッカーの強豪校が複数あり、高校や大学、海外で活躍した人が職員になり、サッカーを続けていることが大きな理由です」。ただ、サッカー特別枠があるわけではなく、全員が一般の採用試験に合格して入庁し、配属や業務を考慮されることもないそうだ。「練習は週6日、平日は夜18時半から集中して90分、試合を意識してコンディションを調整しています。さらに、週末はチームが所属している東海社会人1部リーグで実戦を重ねているので、高いレベルをキープできているのでしょう」と、練習量に大きな自信をのぞかせる。次なる目標は「9連覇」。選手たちは今日も業務終了後、サッカーに情熱を注いでいる。
01. Captain Talk
静岡県藤枝市(ふじえだし)
都市建設部 基盤整備局 河川課
渡辺 航平(わたなべ こうへい)さん(入庁5年目)
メリハリをつけて業務と部活を両立
大学卒業後、ずっと続けてきたサッカーを辞めるという選択肢が自分の中になく、地元で働きながらハイレベルにプレーができる当市を就職先に選びました。河川課では堤防の環境整備に取り組む団体への支援や、ハザードマップなどの水害に関するソフト対策を担当。毎日の練習に参加するためにも、計画的な業務の遂行を心がけています。
大阪市役所 ラグビー部
年に1度の伝統の戦い
高校ラグビーの聖地「花園ラグビー場」がある大阪府。歴史的にラグビーが盛んなこの地域で、大阪府庁と大阪市役所は昭和23年から毎秋に、ラグビーの「府市定期戦」を繰り広げてきた。77回目の令和6年度は、市が府の粘りに屈して17対35で敗戦。市のトータルの勝敗は56勝18敗となった。
現在の部員数は約20人で、練習は不定期に行う程度。しかしながら、毎年この定期戦のために庁内のラガーマンが集結する。中には全国レベルのキャリアをもつプレーヤーも。「私が入部した20数年前は、実業団リーグに参加するほどの強豪チームでした。当時は週3回の練習に加え、合宿もやっていましたね。現在は部員不足で定期戦のみの活動ですが、うれしいことに最近は令和元年のラグビーワールドカップの影響などで、若手の入部が増えてきているんです」と語るのは、部の運営を担う成澤主務。「部員を増やし、また実業団と戦えるような強いチームを復活させたいですし、職員の生涯スポーツの場としても部を存続させていきたいです」と意気込む。
02. Manager Talk
大阪府大阪市(おおさかし)
万博推進局 機運醸成部 参加促進課
成澤 義昭(なるさわ よしあき)さん(入庁24年目)
業務で活きるラグビー経験
大阪府とは日頃から連携することが多く、私が所属する万博推進局も府と市が共同で設置した局です。府の職員とはラグビーをきっかけにつながりが広がることもあり、関係づくりによい影響を感じています。業務は前例がなくハードですが、大阪万博の成功に向けて、府と市の職員がワンチームとなって乗り越えていきたいです。
横須賀市役所 ダンス部
アーバンスポーツで活性化
横須賀市のイベントで、Jポップに合わせて軽快な踊りを披露するダンサーたち。20〜60代の市職員で結成したダンス部のメンバーだ。
「アーバンスポーツ※のまち横須賀」を掲げる同市。その取り組みに関連して、職員からの盛り上げを期待し全庁から部員を募集、結成した。現在の部員数は19人で、月2回土曜にダンスレッスンを受けている。明るいキャラクターでチームを率いる青木部長は「笑いも交えながらゆるく踊っています。イベントで顔を覚えてもらい、まちで声をかけられることもあるんですよ。それがチームのモチベーションにもなっています」と陽気に話す。
※ストリートダンスやBMXなど、都市での開催が可能なスポーツ
03. Captain Talk
神奈川県横須賀市(よこすかし)
環境部 久里浜収集事務所
青木 治尚(あおき はるひさ)さん
チームを引っ張る再任用職員
チーム名は「Scratch(スクラッチ)」。「寄せ集め」という意味です。職種やダンス経験の有無を問わず誰でも踊れる部に、という思いで命名しました。そんな私も65歳の再任用職員なんです。今後はチームの名前がさらに広まるとうれしいですね。各地から出演オファーが舞い込み、行く末は紅白出場…なんて妄想が止まりません(笑)。