異動を生かす働き方とは? 『公務員の「異動」の教科書』著者、堤直規さんの教える仕事術
第1回|上司との『人付き合い』
第2回|自治体の未来をつくる仕事術とは?
第3回|同僚との『人付き合い』
第4回|2部署目と3部署目以降の違いとは?
第5回|異動に備えて準備すべき引継ぎのコツとは?
第6回|失敗しない業務引継ぎの受け方とは? ←今回はココ
第7回|異動はキャリアデザイン
第8回|一歩進んだOJTの受け方とは?
※下記はジチタイワークスVol.5(2019年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
1.業務引継ぎで困ったことは何ですか?
ズバリ、先輩・知人に聞いてみました。こんな悲鳴が周りであがっていませんか?
①マニュアルなどが不十分で処理手順がわからなくて困った!
②通り一遍の手順しか知らず、ミスやトラブルが続いて苦しんだ!
③直前のクレームについて引き継がれておらず、来庁者とトラブルとなった!
④過去の経過を詳しく聞いておらず、課題に対応しようとして落とし穴にハマった!
2.「業務の手順」だけでは不十分!
多くの自治体では、係長以上か特命担当でなければ引継書はなくてもOKとされています。しかし、できるだけ引継書を作成してもらい、引継書をもとに業務引継ぎを受けられるように頼んでみましょう。引継書がない場合には、業務の①目的 ②根拠 ③手順 ④注意点 ⑤よくあるミス・主なトラブルとその対処法をしっかりと確認します。
①②がなければ応用が利かず、④⑤がなければミス・トラブルの予防・対処ができません。
3.最も大事なことは課題を正確につかむこと!
引継書があれば、①所管事項 ②職員の配置及び人数 ③予算及び支出状況 ④事務の現況 ⑤懸案事項 ⑥その他が簡潔にまとめられます。しかし、その
内容をうのみにせず、必ず自分で確認すること!
特に課題については「何をどこまでやって」「何がまだできていないのか」「その次には何をするべきか」「それらのハードルは何か」「ハードルの原因は何か」を周囲に聞きながら具体的につかんでいきましょう。
講師PROFILE
小金井市 企画財政部行政経営担当課長 堤 直規
2017年に学陽書房から『公務員の「異動」の教科書』を刊行。若手からベテランまで役立つ引き継ぎの方法や仕事の作法などを解説する。
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