ジチタイワークス

岐阜県

国産ブルーシートの安定調達で、広域災害への備えを強化する。

長期使用に耐える国産ブルーシート・土のう袋の供給

発災時の迅速な物資調達は、自治体の重要な使命だろう。備蓄量を超えて物資が必要な場合も想定し、対策を講じておく必要がある。岐阜県の担当者に、適切な物資の確保と運搬に関する取り組みについて、話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.33(2024年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]萩原工業

左から
岐阜県
商工労働部 商工・エネルギー政策課
課長 渡部 達弥(わたなべ たつや)さん
係長 黒栁 貴志(くろやなぎ たかし)さん

部局横断型のチーム制を取り入れ、全庁で分担して災害対応を行う。

令和2年、3年と豪雨災害が発生した同県。南海トラフや活断層による地震も想定されていることから、防災への独自の取り組みを進めている。「当県では、災害対策本部において、課題ごとに“部局横断型のチーム”を設置する体制を敷いています。危機管理部を司令塔に、各部局では日頃の業務で関連性の高い分野について、災害対応業務を担います。私たち商工労働部は、“食料物資チーム”を担当。県内市町村などから依頼を受け、食料や物資の調達・運搬の支援を行うという役割です」と渡部さん。

令和6年元日に起きた能登半島地震においては、同じ中部地方での災害ということで、物資をいち早く手配。現地まで運搬を行う窓口となった。そんな中、令和6年3月に同県は、「萩原工業」と「災害時におけるブルーシート・土のう袋等の供給に関する協定」を締結したという。

協定締結で、高品質なブルーシートの安定確保と、運搬の迅速化を図る。

同社は国内でブルーシートや土のう袋を製造・販売するメーカーだ。過去の災害発生時は、国の要請などにより、これらの供給を行ってきた。令和元年房総半島台風では約20万枚を、能登半島地震では約8万枚のブルーシートを供給したという。現在は23の自治体と協定を締結。災害が起きた際、より早く被災地へ供給するための協定だ。

「今回の協定を締結するにあたって、メーカーによってブルーシートの品質にかなりの違いがあることを初めて知りました」と黒栁さんが話すように、実は品質の差によって、劣化スピードに大きく違いが出るのだという。

災害時、ブルーシートは様々な場面で使われる。避難所など屋内での活用以外に、建物が被害を受けた際の養生シートとして使用することも多い。しかし、屋外で長期間使用する場合は注意が必要だ。令和元年房総半島台風では、耐候性の低いシートの供給を受けた住民に、かけ替えなどの負担が発生し、トラブルになるケースもあったという。「備蓄だけではどうしても数に限りがあるため、一定の品質を保ったものが有事の際に安定供給されることは、大変ありがたいです」。

物資ごとに調達ルートを構築し、多チャンネル化を進めていく。

災害時の速やかな物資調達と運搬を実現するためには、物資手配の“多チャンネル化”が重要だと考える同県。特に広域災害に備え、適切な物資の選定と、物資ごとの調達ルート構築に、今後も積極的に取り組むという。

「能登半島地震では現地の道路が寸断され、避難所にたどり着くことすら困難でした。当県でも輸送ルート確保のシミュレーションは必須であり、様々なルートを構築する必要性を改めて感じています。また、現場のニーズを把握しながら、用途に沿った物資の供給を行うことも重要です」と渡部さん。

この4月からは災害対策の見直しを図るプロジェクトチームも発足。能登地方への支援に入った職員たちの意見も聞きながら、課題の洗い出しや対策の検討を始めているという。危機管理の強化に向けた取り組みが、今後さらに加速することだろう。



 

メーカーの思い

萩原工業 代表取締役社長
浅野 和志(あさの かずし)さん

自治体の災害対応を支えたい

当社は昭和40年代からブルーシートを製造しています。災害対策への使命感を覚えたのは、阪神淡路大震災の被災地に大量納品した経験でした。当時は市場シェアの7~8割が国産でしたが、現在は輸入品が主流で品質がバラつき、災害時に自治体から“備蓄品がすぐに破れて困っている”という相談が増えていました。

協定の目的は2つ。1つ目は“迅速な供給”です。大規模災害時は政府から要請を受けての出荷も行いますが、協定を結んでいる自治体であれば、より早く、きめ細かな供給ができます。

2つ目は“品質の違いを伝え、用途で使い分けてもらう”こと。せっかくの配布がクレームにならないよう、今後も支援を続けていきます。

お問い合わせ

サービス提供元企業:萩原工業株式会社

TEL:086-440-0810
E-mail:sales@hagihara.co.jp
岡山県倉敷市水島中通1-4

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