2020-01-14(火曜日)
茨城県 つくば市

あの人の仕事術 自治体初!留職プログラムを活用し、インドネシアで地域貢献

今回のあの人:茨城県つくば市 市長公室広報戦略課 貝澤紗希さん

※下記はジチタイワークスVol.5(2019年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]茨城県つくば市 市長公室広報戦略課

このままの働き方でいいのだろうか…。入庁して6年が経つ頃、漠然とした不安にかられました。毎日決められた仕事を淡々とこなすだけで、スキルも能力もない。自分に自信が持てなかったんです。そんなとき、職場で「留職プログラム」の説明会が開催されました。

働き方を変えるため海外へ

留職とは“留学の社会人版”。新興国のNPOや社会的企業に参加し、自身のスキルや経験を生かして社会課題の解決に取り組みます。これまでパナソニックや日立といった名だたる企業の方々が専門性を生かして現地の団体に貢献していました。

市役所の普通の職員の私が、留職してできることはなんだろう。説明を聞いて、すごく悩みました。でも、未知の社会で自ら進んで課題を見つけて解決する――主体性のある働き方に変わるきっかけになるはずです。トライアンドエラーを経験したいと、留職を決意しました。

英語は不得意、ツテもない

渡航前に、参画する団体からは、課題とニーズをもらっていました。具体的に何をすればいいのかは提示されません。ゼロからのスタートです。しかも仕事はすべて英語。あまり得意ではなかったので、行く前にオンライン英会話で勉強しました。

インドネシアに渡ってすぐは、私が派遣された団体の活動を理解することに時間を割きました。私が参画したのは農村部のコミュニティ開発を支援するNGOです。インドネシアの貧困層のQOL向上のため、教育や保健など30以上ものプロジェクトを運営しています。スタッフに話を聞いて改めて現状と課題を把握し、留職のゴールを考えました。

アポをとり日本大使館を訪問

派遣先のニーズの一つに「日系企業や日本人コミュニティとのコネクションをつくってほしい」というものがありました。といっても、私にはコネもツテもありません。まず、Web検索で出てきた現地の日系コミュニティ「ジャカルタジャパンクラブ」を訪問し、事務局長と面会して協力を仰ぎました。

そこで、「インドネシアの日本国大使館を訪ねてみては」と助言を受けます。さっそく事情を説明したメールを送ってみると、返事は「公的な機関なので一団体の支援はできません」。しかし、「ODAに採択されたらお話ししやすくなりますよ」とプロポーザル作成のポイントを教えていただいたんです。こういった、公的機関からのフィードバックは今までなく、団体メンバーからは「あなたのおかげ」と、とても喜んでもらえました。

駐在員コミュニティに橋渡し

さらに、オーガニック野菜の販売戦略にも取り組みます。現地で知り合った方から「駐在員家族が住んでいるアパートは、建物ごとにグループラインがある」と教えてもらい、すぐに情報をラインで流してもらいました。すると「イベントに出店しませんか」と声がかかったのです。

出店販売したり、日本語のチラシをつくって拡散してもらったり。デリバリーの仕組みを改善する提案もしました。とはいえ、3カ月でできることには限りがあります。それまで成果とは、コンタクトをとった会社数や集客数などの数字だと思っていましたが、実際はそうではありません。アイデアを生かし、きっかけをつくること。それも成果の一つです。

帰国してからは、職場で意見や改善策を積極的に伝えるようになりました。自身の視点を大切にすれば自分らしい働き方ができると留職で気付けたおかげです。それがほんのささいな提案や行動だとしても。特別なスキルや能力がないと思っていましたが、留職を通して、自分にもできることがあると自信が持てました。

PROFILE

入庁7年目の職員。経済部農業政策課に配属されたのち、政策研究大学院大学で1年間学ぶ。平成30(2018)年4月からこども部こども育成課へ。同年10~12月に留職を経験した。

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