ジチタイワークス

鹿児島県姶良市

空き家総合相談窓口が伴走対応し、問題解決へ動く空き家所有者を増やす。

空き家問題解決のための総合相談窓口

遠方に住んでいて管理が難しかったり、買い手が付かなかったりと、空き家の問題は多岐にわたる。姶良市では、空き家の総合相談窓口の民間サービスを利用して、所有者の問題解決に向けたサポートを行っている。

※下記はジチタイワークスVol.29(2023年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社ジチタイアド

直接的な解決策の提示ができず、なかなか進まなかった空き家対策。

放置された空き家は、老朽化が進んで危険な状態になり、生い茂った草木が敷地から大きくはみ出すなど、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすこともある。そのような状態が続くと、買い手や借り手が付かず、何代にも渡って放置した結果、所有者不明の物件となるケースも少なくないという。

「空き家は個人の財産であることから、踏み込んだ対応が難しいと感じていました。また、行政という立場上、公平性担保のため、特定の業者を紹介することができません。そのため、相談者が求める直接的なアドバイスが難しい状況でした」と笹峯さん。民間企業と連携することで、何かスムーズに進められないか考えていたという。

そんな折、「ジチタイアド」の「アキソル」というサービスを知り、いくつかの企業と比較検討した結果、令和5年1月に協定を締結。「空き家対策に特化したサービスで、売買や処分の相談だけでなく、“総合窓口”として対応してもらえることが大きかったです。また、自治体の費用負担がないことも魅力でした」。

同社が、全国で多くの自治体と空き家情報冊子を協働発行している実績があったことも、協定締結の決め手になったと話す。

その他空き家の増加率

二次的利用や賃貸用などを除いた“その他空き家”は年々増加傾向。国の住生活基本計画では、令和12年の将来推計を400万戸程度に抑えることを目指している。

その他空き家数の将来推計

※国土交通省「令和4年10月空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」より

 

問題解決の総合サポートとして相談窓口やチラシを無償で提供。

アキソルの窓口への相談内容とその対応は様々だという。例えば、所有者が遠方に住んでいる場合は、代わりに管理業者や解体業者を手配。売買を希望する場合は、市内の不動産業者や空き家バンクにつなぎ、相続や登記が必要であれば、司法書士や弁護士の無料相談を案内している。これらを電話で気軽に相談できることは、所有者にとって不安解消の一助となっていることだろう。

「当市では私一人が専任として空き家対策にあたっていますが、民間の力を借りることで対応の幅が広がり、具体的な解決が見込めるようになりました」。定期的に相談件数や相談内容のレポートをもらえるので、各案件の進捗状況も把握しやすいそう。

また、固定資産税の納税通知書に同封する“空き家啓発チラシ”を共同で制作し、無料で提供してもらえる。「これまでは職員が白黒で作成して同封していましたが、カラーで分かりやすいデザインのチラシをプロに制作してもらうことができ、問い合わせの件数が格段に増えました」。同サービスは、空き家の問題を抱えている人だけでなく、自治体の心強い味方にもなっているようだ。

管理不全空き家の増加を防ぐには売買する以外の選択肢もある。

立地や状態が良く、活用の見込みがある空き家は流通しやすいが、買い手が付かないような低廉な空き家は残ってしまう。そうした問題を解決すべく、同サービスでは「0円物件マッチング」も行っている。これは0円でもいいから手放したい所有者と、0円なら欲しいという希望者をつなぐもの。「解体費用が捻出できず放置されている物件や、収支が見込めず、不動産業者が取り扱わないような物件も流通できる可能性があります。当市ではまだ実績がありませんが、今後も力は借りていきたいです」。

令和5年の「空家等対策特別措置法」の一部改正で「管理不全空家等」の区分が新設された。これにより、固定資産税の特例措置を受けられない空き家が増加する可能性がある。今後ますます適正管理の啓発が必要になってくるだろう。同市でも、管理不全空き家などを未然に防ぐ取り組みに力を入れていくという。

「周知・啓発活動や相談者への伴走対応など、民間が得意とする分野は協力していただき、アイデアを交換しながら対策を進めていきます」。笹峯さんによると、空き家をどうにかしたいと思ってはいるが、なかなか行動に移せない所有者が多いそうだ。「行政として、そういう所有者にも届く施策を引き続き考えていきたいです」と、語ってくれた。

姶良市
企画部 地域政策課
主事 笹峯 大暉(ささみね たいき)さん

所有者への啓発チラシをアキソルが提供

固定資産税の納税通知書に同封した空き家啓発チラシの表面。

1. 自治体の要望に沿ったチラシを無料で制作

“補助制度の紹介を入れたい”“空き家バンクを周知したい”など、できるだけ自治体の意向を取り入れて制作したチラシを無料で提供。同市には、両面カラーのチラシを封筒に合わせたサイズに調整し、納品している。

2. 伝わりやすいデザインで問い合わせが増加

レイアウトや色使いで、高齢者にも分かりやすく内容が整理され、効果的な仕上がりに。これまで同市が作成していた白黒のチラシよりも目を引くデザインで、空き家所有者からの問い合わせが明らかに増えたという。

0円物件マッチングで空き家の利活用を促進

空き家バンクに掲載できないような低廉な空き家を0円で流通。受贈希望者をWEBやSNSで募集し、所有者とマッチングさせるサービス。

自治体 放置されがちな物件も流通の可能性が高まる。
所有者 解体費用をかけずに手放すチャンス。
受贈者 購入費用を抑え、改修費にまわせる。

 

0円マッチングの一例

大分県で流通した0円物件。屋根の破損があり家財も残っていたが「リフォーム後に賃貸住宅化したい」と受贈者があらわれた。

オンライン説明会

アキソルのオンライン(Zoom)説明会を開催予定。の日程には姶良市職員も参加するため、疑問点があればこの機会に聞いてみては。

2023年
12月26日(火)10: 00~11: 00 ※姶良市職員参加予定
12月27日(水)13: 00~14: 00

2024年
1月10日(水)13:00~14:00

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お問い合わせ

サービス提供元企業:株式会社ジチタイアド

akisol運営室

TEL:092-716-3300(直通)
Email:akisol@zaigenkakuho.com
福岡県福岡市中央区薬院1-14-5
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