学校・保護者・地域向け連絡システム
学校向け連絡システムの“使い勝手”は、実際に活用してみなければ判断しにくい点も多いだろう。京都市は、学校・保護者双方に対して、連絡システムへのニーズに関するアンケートを実施。その結果を踏まえてプロポーザルを行った。
【同サービスの導入事例】
・導入事例❶北海道札幌市
・導入事例❷京都府京都市 ←今回はココ
・導入事例❸群馬県前橋市
・導入事例❹岐阜県可児市
【サービス概要】
・すぐーる
※下記はジチタイワークスPICKS(2024年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]バイザー株式会社
ニーズをもとに思考・検討を繰り返し、プロポーザルを実施することに。
教職員および学校関係者から保護者への連絡業務を効率化するため、システムの導入を検討してきた同市。「令和4年度に、2社の連絡システムを一部の学校で試行導入し、機能や使い勝手を比較。そのうちの1社と実証事業の位置付けで協定を結び、令和5年度の1年間、システムを利用させてもらいました。また、協定期間中、利用に関するアンケートを学校・保護者双方に実施。ニーズ把握のためにも調査を行いました」と、並川さん。
システム利用に関しては、双方から喜ばれた一方で、機能面に関しては改善要望もあったという。「保護者側からは“欠席連絡が学校に見てもらえているか心配なので、既読表示があるとうれしい”、学校側からは“保護者を指定して個別にメッセージを送れると助かる”などの声が上がりました」。
協定期間が1年間だったこともあり、令和6年度以降の連絡システムの選定に向け、アンケート結果をもとにプロポーザルを実施。その結果、「バイザー」の「すぐーる」を、令和6年度から正式に導入することが決定した。
取り組みの歩み
▶ 令和4年度まで
・京都市独自のメール配信システムなどを活用
▶ 令和5年度
・市の実証事業の一環で保護者連絡システムを無償で使用(1年間限定)
▶ 令和6年度
・すぐーるの導入・運用開始
詳細な権限設定が可能なので“伝える相手”を選別できる。
同サービスは学校・保護者・地域をつなぐ連絡システム。「プロポーザルでは、学校が欠席連絡を確認したことが保護者のアプリに表示される“既読機能”や、学校が特定の保護者にメッセージを配信できる新機能などが好評でした。これらは、アンケートで要望が出ていた点です」。
それだけでなく、部活動指導員などの教職員以外の人材が使用する場合、自分の担当分野ごとに管理画面の閲覧・操作を詳細に設定できることもポイントだったという。「個人情報保護の観点からも、学校が校務を外部に委ねやすくなると期待しています」と、並川さんは話す。例えば、“サッカー部”の配信グループを作成し、その運用を外部人材に委ねることもあるだろう。その場合、学校は運用に必要な、サッカー部に関する情報だけを渡すことが可能になるという。
「ほかに、前年度から引き続き在籍する児童生徒の保護者は更新作業が不要になる、“年次更新機能”があるのもポイントの一つでした。校務支援システムをもとに作成したデータで更新可能なため、市教委・学校側の負担軽減にもつながります」。加えて、外国籍の保護者が一定数いることもあり、保護者側の登録手順などが各言語で表示される“多言語翻訳機能”も喜ばれたという。
運用上のルールを決めながら、さらに効率的な活用を目指す。
「私自身も、小学生の子をもつ親です。先日、すぐーるで欠席連絡を送ったのですが、アプリ上で学校側の既読が表示され、確実に見てもらえたという安心感がありました」と、保護者目線でも効果を感じていると並川さんは話す。
また、新機能にも期待を寄せているという。「特定の保護者とチャット型のやりとりができる“個別メッセージ”機能がリリースされたと聞いています。当市ではまだ導入していませんが、学校・保護者の双方にメリットのある運用ができないか検討していきます」。体調不良が続く子どもの相談など、保護者とのやりとりを必要とする場面で活用できるかどうかが導入のカギになりそうだ。
ちなみにプロポーザル前のアンケートで、学校・保護者ともに9割以上が“来年度以降も連絡システムを利用したい”と回答するなど、システムの利用には良好な印象をもっていたという。「今後、連絡システムをより有効活用するためには、未登録者への登録促進が大事ですね。また、活用に関する事例を収集し、ほかの学校にも横展開していく予定。事務負担が軽減すれば、教職員が子どもたちと向き合う時間を増やせる。そのような未来を目指し、取り組みを推進していきます」と、林さんは展望を語ってくれた。
左から
京都府京都市
教育委員会事務局 指導部 学校指導課
担当課長 林 和津慎(はやし かずのり)さん
並川 豊実(なみかわ とよみ)さん
保護者の要望に沿った様々な機能を搭載
保護者登録枠
最大4つまで登録が可能。祖父母や生徒本人も登録ができる。
既読確認機能
メッセージを確認後、学校側で“ 確認済み”にステータスを変更。返事をしなくても既読であることが伝わる。
日程調整機能
面談などの日程調整の手間を省くことができる。
セキュリティ対策
同社がISMSやクラウドセキュリティの認証を取得。個人情報保護に配慮した体制構築も行われている。
お問い合わせ
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