岐阜県関市では平成27年から、退職前の部長職員をゲストとして招き、職歴や活動、後輩職員へ伝えたいことを語ってもらう「人間図書館」を年に1度開催しています。参加者である「読者」は、ゲスト=「本」との対話を楽しみながら、自分のキャリアを見つめ直すきっかけになっているとのこと。毎年入庁1年目から管理職の職員まで30〜40人もの職員が参加している企画です。
※下記はジチタイワークスVol.2(2018年7月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 岐阜県関市
市役所内で自主的に活動する団体が企画・発案
関市役所は、市役所が直面する課題を自主的に研究して活動するグループに対して支援する「ジシュ☆ケン」制度を設けています。
その一環として、「ブラッシュアップ研究会」を立ち上げ、企画されたのが「人間図書館」です。
若い職員にとって、自分の親以上の年齢である退職前の部長職員とは、仕事で関わる機会がほとんど無いのが現状。勤続年数を重ねてきた職員の中には、さらなるスキルアップを目指す人たちもいます。そんな職員たちの学びの場を形にしたのがこの企画なのです。
参加者からの感想は…
若い職員に対して熱心に語る部長たちの姿を見て、参加者からは「部長に対するイメージが良い方向に変わった」「自分の働き方の参考になった」「部長に背中を押してもらえた気がする」などの意見が寄せられています。
今後も「人間図書館」の定期的な開催で市役所職員の世代間承継を積極的に後押し。自治体の発展的な存続のためにも「リーダーを育てる場」「キャリアを見つめ直す場」として継続する予定です。
今後はさらに活動の幅を広げる予定
担当者は「共感の連鎖が生まれることで活動が広がり、定着してきた。Facebookへのアップで他の市の職員にも関心を持ってもらい、交流が生まれた」と話しています。
「ブラッシュアップ研究会」は「人間図書館」の他にも他市で活躍する職員との交流を活発化する「自主研究活動交流企画」や、学んだことをアウトプットして活かすための「新人職員研修」などさまざまな活動を実施しています。新しい視点を提供する活動をさらに広げていく予定です。