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現場の声が国に届く!?「デジタル改革共創プラットフォーム」とは。

令和2年にスタートした「デジタル改革共創プラットフォーム(以下、共創PF)」。自治体と政府職員の間で直接やりとりをして、国や地方のデジタル改革を進めるための仕組みです。導入の背景や概要、実際にどんな風に使われているのかをデジタル庁に聞いてみました。
 

【デジタル庁に聞いてきました!“デジタル改革共創プラットフォーム”って何ですか?】

Vol.01 現場の声が国に届く!?「デジタル改革共創プラットフォーム」とは。 ←今回はココ
Vol.02 中ではどんな会話をしているの?ちょっとだけ公開します!
Vol.03 おもしろい?こわくない?参加中の自治体職員にインタビュー!

Interview

デジタル庁 戦略・組織グループ デジタル改革共創プラットフォーム担当
左:北野 純平(きたの じゅんぺい)さん
右:渡辺 隼伍(わたなべ しゅんご)さん

Q1:「共創PF」とは?

ビジネスチャットツール「Slack」を利用した、自治体と政府職員の対話の場です!全国の自治体のほか、デジタル庁や総務省、内閣官房などの職員が参加。興味のあるテーマについて、意見交換や情報収集をしています。

Q2:なぜ共創PFを始めたの?

国が自治体システムの標準化やガバメントクラウドといった政策を進めるためには、自治体の協力が必須です。DXは、国にも自治体にも前例がない分野なので、自治体の状況を伺うなど、共に推進していきたいというのが当初の目的でした。

従来は「こうしてほしい」という要望を国から都道府県へ、都道府県から市区町村へとトップダウンで通知する形。逆に、市区町村の職員が国に質問したい場合には、まず部署で決裁を取って都道府県経由で国に問い合わせるのが通例でした。しかし、このやり方では市区町村職員が疑問や意見を直接伝えることも、国が意見を聞くことも難しい。お互いに顔が見えないし、信頼関係も築きにくいですよね。もっと国と地方自治体が対等な立場になって、同じ課題に立ち向かおうというところから、共創PFはスタートしています。より自由に意見を出し合って情報交換をしていく場、スピーディーにコミュニケーションできる場というイメージです。

共創PFでは、部署や地域の垣根を越えて、個人レベルでやりとりが可能です。実際に運用してみると自治体職員の関心も高く、デジタル田園都市国家構想の交付金に対する質問などはとても盛り上がっていました。一方で、情報や判断材料の少なさに悩む担当者にとっては、ほかの自治体からの質問や似たような事例から解決できることも多いはず。自治体職員同士が情報交換するうちに、自然に横のつながりも生まれています!

Q3:どんなことができるの?

使い方①:政策立案への意見募集

国の職員から自治体職員に、政策立案等への意見を募集することができます。つまり、自治体職員の意見が国の政策やシステム設計等に生かせます!選択肢を選ぶだけのアンケート機能のようにも使えるので、質問をする側も答える側も敷居が低いと思います。「こういう方向性で考えているのですが」という問いかけに「予算も人手も足りないのが現状」といったリアルな意見が返ってくるのは、このプラットフォームならではかも。

最近では、窓口DXSaaSの導入の検討にあたり、企画段階から意見交換するなどフィードバックをもらった例がありました。LGWANから共創PFへの接続にあたりシステム改修を行いましたが、こちらも進捗状況を適宜アップして意見をもらいました。自治体職員の意見を反映させてブラッシュアップできるのは画期的なこと。よくITのサービスでユーザーの方がニーズを分かっていると言われますが、実際に意見を聞けることがとてもありがたいです。

使い方②:政策に関する議論

国の政策や通知等に対する疑問を、ほかの参加者の意見を聞いて解決できます。「なぜ標準化を行うのか」「メリットは何なのか」という質問に、国の職員が説明することもあります。重要な政策だからこそ「実はこういう面がある」「こんな大変さがある」ということを発言したり、議論できることは重要だと考えています。

使い方③:リリースなどのお知らせ

政策に関するお知らせ、新システムのリリースや説明会などのお知らせを掲載しています。国の施策であっても、住民はまず自治体に問い合わせをすることが多いので、リアルタイムで情報が分かるのはありがたいという声をもらっています。デジタル新型コロナウイルスワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)のアプリがリリースされた際には、自治体職員から質問が出たり、対応方法について情報交換がされていました。

北野さん&渡辺さんからのメッセージ

全国の職員が地域や所属を越えてお互いに協力している様子は、実際に見てもらった方が分かると思います。まずは気になるテーマをのぞいてみるだけ、スタンプを押すだけでもOKです。「互いの立場を尊重しよう」というルールも設けているので、気軽に参加してください!

 

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