事務所管課ごとに受付していた死亡に伴う諸手続きを、事前予約制(原則)のワンストップ窓口(おくやみコーナー)を設置することにより、ワンストップサービスで受付を行う。
また、市以外の手続きも網羅したハンドブックを配布して必要となる手続きの案内を行う。
※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2022」の応募事例から作成しており、本記事の内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。
背景・目的
千葉市では従前より住所異動、戸籍届出に伴うワンストップサービスを実施していたが、死亡に伴い必要となる手続きは特に多岐にわたり遺族の負担となっていたにもかかわらずワンストップサービスが図られていませんでした。そのため、死亡に伴う手続きをワンストップで受付する窓口を新たに設け、手続きごとに窓口を移動する負担や各種申請書を記載する手間を軽減し滞在する時間の短縮を目的とました。また、市役所以外の手続きについてもハンドブックの配布により案内を図り、住民サービスの向上を図ります。
取り組み事例
「おくやみコーナー」の開設
~死亡に伴う手続きをワンストップで受付し、御遺族の負担を軽減~
千葉市ホームページ |おくやみコーナーをすべての区役所に開設しました
取り組み期間
令和3年度に緑区役所で先行実施、令和4年5月より全区役所(6カ所)で実施
取り組みの内容
専用窓口を設置し、通常は電話予約(来庁5営業日前まで)による受付を行います。予約時には、遺族から亡くなった方の情報(住所、氏名、生年月日など)および来庁者の情報を確認し、システムに登録します。保健福祉センターの担当課は対象者のサービス利用の有無を確認し、申請書の代理作成に必要な情報を登録します。担当者は予約日の3日前までに当日必要な持ち物について連絡します。予約日までには、必要な手続きが含まれる申請書を代行作成します。遺族が来庁した際には、代行作成した申請書の受け付けだけでなく、死亡に関連する手続きを網羅したハンドブックを配布し、市外の機関への手続き案内も行います。受け付けた書類はワンストップで担当課に送付されます。
※ハンドブックは葬儀会社、区役所等の窓口で配布。
取り組みを進めていく中での課題・問題点(苦労した点)
・千葉市では、平成29年1月より住民異動や証明書の発行等についてワンストップで受付を行う総合窓口を設置しています。このことから、おくやみコーナーでも原則ワンストップを実現することが課題でした。
・運用設計を行うにあたり、関係所管課との調整には時間がかかりました。
・令和4年5月の全区展開に向けては、緑区のみでモデル実施を行っていたため、運用の微調整をしながら全区展開にむけ運用の再設計を実施。
・緑区おくやみコーナーのサービスレベルを維持しつつ全区展開を行う課題については、対応する職員(会計年度任用職員)全員に研修および運用テストの研修計画を立て実施します。
・利用率について、千葉市では予約制でワンストップ(申請書の代行作成)という運用であるため、利用率は20%程度となっている。他市のおくやみコーナーと運用方法が異なるため、単純比較ができないのも関わらず、予算要求時の説明や議会説明に苦慮しました。
特徴(独自性・新規性・工夫した点)
・既存の庁内用パソコンを使用するシステム(Access)を構築することにより、機器の導入費用をかけずに庁内連携を実現させました。
・配布用ハンドブックを官民連携により無償で作成しました。
・予約受付後に手続きに必要な書類の連絡を事前に行うことにより、書類不足により受付ができない等の市民サービスの低下を防止する措置を講じました。
・対象者の情報を関係課で共有することにより、遺族が把握していなかったサービス等の手続きについても漏れなく手続きできるようにしました。
・ワンストップ窓口と関係課との連絡にSkypeを使用することにより、専門知識を有しない会計年度任用職員での対応を可能としました。
効果・費用
●効果
・必要な手続きの漏れ防止
・ワンストップ化 、書類の代行作成等支援による手続き時間の短縮(約20分)
・区役所と保健福祉センターが異なる建物にある場合、窓口間の移動時間の短縮(最大約20分)
・対象手続き以外のものを含めた各種相談に対して、パンフレット等を活用した分かりやすい案内が可能
●費用
システム開発費 |
985 |
設備費 |
2,409 |
システム保守費 |
238 |
人件費 |
27,681 |
消耗品費 |
204 |
印刷製本費 |
0 |
単位:千円
※先行実施窓口での実績
(1) 利用件数 200件(令和3年5月20日~令和4年3月31日)
(2) 利用率 6~3月:19%(10~3月:23%)
今後の予定・構想
・利用率の向上を図るために、ハンドブックを死亡届出時に配布するなど制度のさらなる周知を図っていく予定です。
他団体へのアドバイス
・利用率の向上を図るために、ハンドブックを死亡届出時に配布するなど制度のさらなる周知を図っていく。