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【相談室】スキルアップのために勉強したいけれど、時間が全く取れません

「何でこうなっているの?」「もっとこうならいいのに」毎日仕事をする中で、頭をよぎる疑問や悩み…そんな「モヤモヤ」を、一歩先ゆく公務員の皆さんに解決していただく企画。

今回は、仕事に生活に忙しすぎて、スキルアップの勉強時間が取れない…そんなお悩みに対し、諫早市の村川美詠さんに回答いただいた。

【今回のモヤモヤ】

「スキルアップのために勉強をしようと思うのですが、時間が全く取れません」

勉強の必要性は分かっているのだけれど、日々の業務で忙しく、帰宅後や休日は家事や育児でヘトヘト。勉強の時間も余裕もありません。

 

「スキルアップのために勉強したい」という気持ちはとても大事なことです。ただ、若い頃は、自分のペースで仕事が進められなかったり、家族のことで時間をとられたりして、思うようにいかないことも多いと思います。自主的な勉強の場合は、ついついラクな方に流れがちで、「まぁいいか」とあきらめてしまうこともあるでしょう。でも、「貴重な時間を未来の自分のために投資する」ことを意識して、少しずつでも勉強のための時間を確保するようにしましょう。

「コツコツカツコツ」=「コツコツが勝つコツ」です。

自分に予約を入れる

時間管理がうまくいっていない人の手帳やスケジュールを見てみると、会議や出張、研修など、「人との約束」しか書かれていないことが多いです。まずは、勉強や読書、休養など「自分との約束」を書くことをおススメします。「時間ができたらやろう」ではいつまでたっても時間ができません。先に勉強の時間を確保して、それに合わせてスケジュールを立てていくのです。もし、そこに別の用事が入ってくれば、その代わりの時間を別に確保します。そうしないと勉強をする時間は永遠にやってきません。

例えば、資格試験のための勉強をする場合、試験日から逆算して、参考書や過去問を1日に何分、何ページ勉強するかを決め、それをスケジュールに落としていきます。実行できたら✓を入れていくと達成欲が自分をひっぱってくれるかもしれません。1日30分でも継続すれば、結構な時間になります。

時間を見える化する

時間は面で管理しないと、どのくらい空いているのか分かりません。私は時間が上から下に流れるバーチカルタイプの手帳を使っていて、そこに仕事やプライベートの予定を“公私混同”で書き入れていきます。そうなると自分の持ち時間を見渡すことができるので、「ここに1時間のフリーな時間がある」と分かれば、そこに「〇〇の勉強」「読書」などを書き入れる、そんなイメージです。

時々、仕事の予定は職場のパソコンに入力、プライベートは携帯に入力、子どもの学校行事は冷蔵庫に貼ってあるプリントに書いてある、なんて人もいますが、そうなるとバラバラでどこに空き時間があるのか分かりません。どの時間も同じように限られた大切な時間なので、一元管理をした方が効率的です。

そして例えば、休日の用事は、土日のどちらかに集中させて、まとまった時間を作り出すことも大切です。私は、家事全般、買い物やおかずの作り置きはできるだけ土曜日に済ませてしまい、日曜日は自由な時間を確保しています。

やるべきこと/やりたいことを優先させる

子どもが小さいときや親の介護を抱えているときは、自分の時間の優先度は低くなります。「今はできないけど、〇年後にはできるかも」という見通しをもって、今はやりたいことよりやるべきことに集中せざるを得ないということもあるでしょう。

ただ、いつも時間がないという人でも、結構、携帯電話を触っている時間が長かったり、気の進まない飲み会に参加していたり…ということがあります。本当に自分がやりたいことは何なのか、自分の中で、優先順位がつけられていないと、自分の時間があとまわしになってしまいます

自分の時間と自腹を使う

勉強は、貴重な自分の時間と自腹を使うからこそ「なんでも吸収しよう」と意欲がわくということもあります。私は「これを学びたい」と思うことがあれば、年休をとってでも、身銭を切ってでも出かけていきます。それが自分の力になるし、自信につながると信じているからです

私は、課長補佐の頃、産業カウンセラーやコーチングの資格をとりました。課長になってからはホワイトボード・ミーティングⓇの勉強をしました。どれも相当な時間と費用がかかりましたが、部下とのコミュニケーションや職場の雰囲気づくりにとても役に立っています。おそらく退職してからもこれらのスキルは私の人生を豊かなものにしてくれると思っています。

若いうちから、勉強を重ね、なにかしら自分の武器になるものを身につけておくことは未来の自分をラクにしてくれます。そんな未来を創造しながら、楽しみながら、勉強する時間を確保してください。

 


村川 美詠(むらかわ・みえ)

諫早市健康保険部長。1986年諫早市役所に新卒で入庁。
選挙管理委員会事務局、障害福祉室、職員課、男女共同参画課課長補佐、教育総務課課長補佐、職員課課長補佐、生涯学習課長、障害福祉課長、健康福祉部次長を経て現職。著書に、「自分もまわりもうまくいく!公務員女子のおしごと帳」「すべての働きづらさをふきとばす!公務員女子のおしごと相談室」(学陽書房)


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