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【G-people:寺西 優樹さん】ユーカリの株枯れ対策が産地拡大のきっかけに

農林水産
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【G-people:寺西 優樹さん】ユーカリの株枯れ対策が産地拡大のきっかけに

地域農業の振興は自治体の重要なミッションだが、栽培トラブルなど現場特有の課題に直面することも少なくない。愛媛県の寺西さんは、県の特産品であるユーカリの株枯れに対し、解決策を現場で実証するため、事業化を提案。関係機関との連携により、当初の課題を解決した上、生産量・産地拡大まで果たしたという。その経緯や心構えを聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.45(2026年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。


愛媛県 農林水産部
農業振興局 農産園芸課
寺西 優樹(てらにし ゆうき)さん(入庁9年目)

“もし失敗があれば、なぜ失敗したのか分析し、解決するにはどうすればよいか考えることが大切”という上司の言葉が印象に残っていると寺西さん。「このアドバイスのおかげで前向きな気持ちで挑戦できました」と語る。

課題解決のため事業を提案。

高校時代、授業で野菜の栽培について教わったことがきっかけで農業に関心をもち、大学では農学部へ進学しました。修士課程を修了後に地元の県庁を志望したのは、県内の様々な農作物について学べるからです。また、人と接することが好きなので県内の農家に栽培方法などを直接伝えられることにも魅力を感じ、入庁を決めました。

入庁後は、枝物の栽培技術について研究。令和2年には中予地方局の農業振興課に異動し、農家への栽培指導の担当になりました。中予地域はユーカリの産地ですが、当時は排水不良による株枯れで困っている農家が多い状況でした。調査の結果、もともと水田だった農地で起きていることが判明。水はけの悪さが原因ではないかと考え、対策を模索しはじめました。そんな中、農業に関する情報誌を読んでいるときに“縦穴を開けて水はけをよくする”という方法を紹介する記事を見つけて、解決のヒントを得たのです。

この対策を現場で技術検証するには、穴を掘るための重機など資材を購入する予算が必要でした。折しも、中予地方局内で活用できる予算枠があり、当時の上司から“何か技術検証してみたい取り組みがあれば、提案してみたらどうか”と背中を押され、事業化に向けて動き出しました。慣れない書類作成を周囲にサポートしてもらったおかげで、段階的な審査など数々の関門を突破。3年間の“観賞用ユーカリ産地拡大事業”が認められ、令和4年度から実施することになったのです。

需要をつかみロスを活用。

この事業では、県と市、関係団体が意見交換する協議会を設立。排水対策技術の確立に加え、栽培マニュアルの作成・配布や、挿し木・育苗の講習会も行いました。市場のニーズに合わせて新しい品種の栽培実証を行う際には、関係団体から意見を聴取。栽培や流通の視点からアドバイスをもらい、多角的に話を聞くことの重要性を実感しました。

また、コロナ禍をきっかけに自宅で楽しめるミニブーケの需要が急増したため、これまでは廃棄していた背丈が短い規格のものも、出荷するようにしました。こうした取り組みの結果として、株枯れを減少させただけでなく、生産額は令和2年度から令和5年度にかけて2倍に増加。栽培面積も拡大することができました。

課題を解決するためには、ほかの自治体や先進事例について調べるだけでなく、実際に現地へ足を運び、自分の目で見て直接話を聞き、理解を深めることが重要だと思います。今後も行政の立場から、農業を力強くサポートしていきたいです。

▲初期投資の少なさから、就農者が増えているユーカリ栽培。<br>若手生産者の技術向上のため、栽培方法を指導している。
▲初期投資の少なさから、就農者が増えているユーカリ栽培。
若手生産者の技術向上のため、栽培方法を指導している。

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