富山県魚津市

公開日:

真冬の被災経験をもとにして避難所の生活環境改善へ動く

防災・危機管理
読了まで:3
真冬の被災経験をもとにして避難所の生活環境改善へ動く

避難所における冷暖房環境を支える移動式エアコン

令和6年1月の能登半島地震で、約2,300人が避難所に身を寄せた魚津市。真冬の体育館は非常に寒く、厳しい環境だったという。この経験をもとに、同市は移動式エアコンの導入による避難所の生活環境改善に着手した。

※下記はジチタイワークスVol.45(2026年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

[PR]信越空調株式会社

プロフィール画像

魚津市
総務部 防災安全課
主任 本田 裕大(ほんだ やすひろ)さん

能登半島地震の経験から避難生活の環境改善が急務だと強く実感。

同市では、例年8月末から9月にかけて各地区の体育館で防災訓練を行っている。しかし、空調設備がない館内では室温が上昇し、暑さ対策が課題となっていたという。この問題に関する声は市民からも上がり、固定式空調の導入も検討されたが、高額な費用が障壁となり踏み切れずにいた。

そこに、令和6年1月、能登半島地震が起きる。「市内26カ所に開設した避難所には、約2,300人が避難しました。富山県は地震が少ない地域で、市民も経験したことのない揺れであったため、多くの人が体一つで避難所へ駆け込んだのです。私が対応した体育館内は非常に寒く、備蓄品の毛布やジェットヒーターで暖を取るほかない厳しい環境でした。そのため、避難者に暖房設備がある別の避難所への移動を促さなければならず、高齢者や要支援者にとっては移動自体が負担になりました」と本田さん。避難所環境改善の重要性を改めて実感したと振り返る。

同年12月には、避難所の生活環境改善や、防災・減災に必要な資機材整備を支援する国の交付金が創設された。同市はこれを機に、移動式エアコンの導入検討を進めはじめたという。

性能と停電対策の両方を重視しながら移動式エアコンの導入に踏み切る。

検討にあたり特に重視したのは、広い避難所をしっかり暖め、冷やすことができる性能だ。比較検討する中、ジチタイワークスWEBで紹介されていた導入事例記事で、移動式エアコン「ヒエスポ」を知った。令和7年2月には、近隣自治体で開催された同製品のデモンストレーションに参加。「スポットクーラーは局所的な冷暖に限られるイメージがありましたが、体育館全体が暖まっているのを感じました」。実際に風量や機能性を体感したことで、検討が加速していった。

サイズや馬力、電源工事の有無など異なるラインアップから、施設規模や用途に応じて選択できる点も評価したという。検討に上がった200Vの機種は本来電源工事を必要とするが、工事を行えば平時の利便性は高まるものの、停電時には空調が使えなくなってしまう。有事の備えを優先した同市は、あえて工事を行わず、発電機と合わせて同製品を導入することに決めた。

令和7年11月には、避難所に指定されている市内5つの小学校のうち2校への導入が完了。「災害はいつ起こるか分からないからこそ、迅速な導入が必要だと感じました。交付金が創設されたタイミングで、すぐに動けたことも大きかったですね。日頃の情報収集は大切だと思います」。

災害時の備えだけにとどめず地域活動にも幅広く活用する。

導入した月には、防災意識の啓発を目的として初開催された防災キャンプにおいて、早速同製品を活用した。「想定よりも広い体育館内の暖房として使用しました。屋外よりも格段に過ごしやすかったです」。施設内には固定式空調を備えた別の部屋も準備していたが、移りたいという参加者はおらず、避難所環境改善の手応えを感じたそうだ。さらに、導入後すぐの活用だったため、機器の移動や排気ダクトの設置、発電機の置き場などを確認する機会にもなった。「有事に備えて、事前に設置から使用までの流れを確認しておく必要を感じました」。

令和8年度は、冷房効果を試すため夏の防災キャンプ開催を検討しているほか、学校の授業や市の催しなどでも活用していく予定だ。市内でまだ導入していない3校についても、同年度中の整備が進んでいる。

同製品により、避難所の生活環境を改善できる見通しが立った一方で、課題は残されていると本田さん。「能登半島地震を経験して、食料品や簡易ベッド、トイレなど、避難所生活に必要な物資の不足を実感しました。国や県の財政支援をうまく活用しながら、備蓄体制の強化を図っていきたいです」。

お問い合わせ

サービス提供元信越空調株式会社

長野県須坂市米持町174-1

TEL:026-247-8100

お問い合わせ・詳細はこちら

カテゴリ