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土砂災害リスクを浮き彫りにし、現場職員の判断を後押しする

防災・危機管理
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土砂災害リスクを浮き彫りにし、現場職員の判断を後押しする

国産クラウド上で稼働する土砂災害情報サービス

近年頻発する豪雨災害において、土砂災害は特にリスクの把握が難しいとされる。迫る危険をどう察知し、初動判断につなげるか。現場が抱えるこの課題に対し、サービス開発と基盤整備の両面で支える2社に話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.45(2026年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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パシフィックコンサルタンツ
デジタルサービス事業本部 DS推進室
五十嵐 孝浩(いがらし たかひろ)さん


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パシフィックコンサルタンツ
デジタルサービス事業本部 防災事業部
平野 竜貴(ひらの たつき)さん


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さくらインターネット
営業本部 公共営業部
坂本 浩貴(さかもと ひろき)さん

広範囲に発表される警戒情報では地域内の災害リスクを把握しづらい。

豪雨や台風に伴って頻発する土砂災害。国土交通省によると、平成27年から10年間の平均発生件数は1,524件(※)にのぼる。自治体として備えが求められる一方、発生リスクの高まりを把握することは難しい。「土砂災害の危険性は、降雨状況だけでは判断できません。土壌中の水分量や、地形の傾斜などの情報を組み合わせた判断が求められます」と「パシフィックコンサルタンツ」の五十嵐さんは説明する。そのため多くの自治体では、都道府県と気象庁が共同で発表する土砂災害警戒情報などを判断材料として、避難指示の発令を検討している。しかし、予測を含むため発表は広範囲にわたり、市町村全体が危険域として示されるケースも少なくないという。

「状況によっては、地域内へ一斉に避難指示を出さざるを得ない場面も生じます。しかし、限られた人員の中で対応を検討せねばならず、その判断材料となる情報が乏しいのが実情です」。さらに、近年は雨の降り方が急激で局地的になっており、これまでの経験則も通用しにくくなっているのだという。こうした課題を解決しようと同社が開発したのが、土砂災害情報サービス「どしゃブル」だ。

※国土交通省「報道発表資料 令和7年の土砂災害発生件数を公表」より

精度の高いデータを掛け合わせて目前に迫る危険を可視化する。

同サービスは、土砂災害の危険度を地図上で可視化できるツールだ。危険度は、国土交通省の高精度レーダー雨量などから算出する独自の指数をもとに示される。さらに、地形の傾斜や土砂災害警戒区域なども合わせて確認でき、注意すべきエリアを詳細に把握できるという。情報は250m四方のエリアごとに1分間隔で更新され、リスクの高いエリアをほぼリアルタイムで捉えられる。「予測情報は最大1時間先まで10分間隔で表示されます。危険度が高まった場合、アラートがメール通知され、どこが危険なのかをすぐに確認できる仕組みです」。

さらに、過去データも参照でき、現場の判断材料として幅広く役立つ。「過去の災害発生箇所も画面上で確認できます。例えば、研修の場で当時の雨量と危険度を見比べながら、地域の特性を学ぶといった使い方も可能です。こうした情報が地域を守ることにつながると考えています」と平野さんは力を込める。

このサービスの稼働を支えるのが、「さくらインターネット」が提供する国産の「さくらのクラウド」だ。同クラウドはガバメントクラウドに採択されており、北海道石狩市(いしかりし)など、国内の自社データセンターでクラウド基盤を運用している。データが国内で管理される安心感も基盤の採用理由の一つだという。加えて、災害時の安定稼働にも実績がある。同社の坂本さんは「北海道胆振東部地震では、長時間の停電下でも稼働しつづけました。災害時に必要なサービスだからこそ、いざという時でも行政サービスの継続を支えられる基盤であることが重要です」と語る。

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職員の初動を支えるサービスで現場のリスクを見極める。

同サービスがもたらす効果は、住民を守るだけにとどまらない。発災時に現場へ向かう職員の安全確保にもつながるという。「巡回や復旧作業に向かう際、現場のリスクが把握できないまま出動し、目の前で土砂が崩れかけたという声も聞きます。対応にあたる職員が危険な目に遭うことはあってはなりません。事前に確認できれば、そうした事態を防げるはずです」と五十嵐さん。

今後について平野さんは、「土砂災害に限らず、水害全般のリスク情報を提供できるよう展開していく予定です。ツールだけでなく、運用面のコンサルティングまで総合的に支援していきます」と意気込む。坂本さんも「国産クラウドとして、安心して使いつづけられる基盤でありたいと考えています。機能強化を図りながら地域の防災を支えていきます」と力を込める。現場で奮闘する職員を支える存在として、両社が果たす役割は大きくなりそうだ。

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