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普段使いのスマートフォンが、有事に頼れる通信手段になる

防災・危機管理
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普段使いのスマートフォンが、有事に頼れる通信手段になる

災害時も安定通信を届ける公共専用モバイルサービス

災害が起きるたびに浮上する、通信の途絶という問題。現状把握や被災者支援において生命線となる通信をどのように維持すればいいのか。長きにわたり国内の通信インフラを支えている企業の担当者に聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.45(2026年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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インターネットイニシアティブ
モバイルサービス事業本部
齋藤 毅(さいとう つよし)さん

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インターネットイニシアティブ
モバイルサービス事業本部
奥山 大輔(おくやま だいすけ)さん

総務省が主導する取り組みに参画し、災害時の通信手段を研究・開発。

災害対応の場面で、通信は命綱となる。被災状況の把握や避難所の運営、被災者支援などに欠かせないが、近年の大規模災害では、“通信がつながらない”という事例が繰り返されてきた。加えて、自治体や消防・警察などがそれぞれ独自の通信システムを使っているため、機関をまたいだ連携が取りにくいという構造的な問題もある。

こうした課題に対し、総務省が進めてきたのが「公共安全モバイルシステム」の整備事業だ。公共機関の通信を安定させることを目的に、複数社の回線を使えるマルチキャリアや、災害時優先電話の利用などを基準として定め、参画事業者を公募。「インターネットイニシアティブ」は、令和元年の実証からその事業に参画してきた。

「一般回線は、災害時にアクセスが集中すると通信障害を起こしやすく、基地局が被災すれば途絶える可能性もあります。当社が積み上げてきたモバイル事業のノウハウを、こうした問題の解決に活かしたいと考えました」と齋藤さんは振り返る。令和6年の能登半島地震では消防や自衛隊に実証端末を貸与し、被災地での有用性も確認。その後、同年4月から「IIJ(アイアイジェイ)公共安全モバイルサービス」の提供を開始した。同サービスは令和8年5月時点で、公共安全モバイルシステムに準拠した唯一のサービスだという。

既存の機器からの変更や新規配備など、自治体によって異なる導入の背景。

同サービスの強みは大きく4つ。公共機関専用の設備によって一般回線の混雑に影響されにくい“通信品質”、NTTドコモとKDDIの2回線を1契約で使える“マルチキャリア対応”。そして混雑時にも優先的に発信できる“災害時優先電話”と、容量超過時も通信速度が落ちない“従量課金制”だ。「基地局から先の通信を専用設備で行うことで、非常時も安定して利用できます」と奥山さん。一般的な法人向けプランと同等のコスト感で提供しており、2回線セットでも費用の壁になりにくい点も評価されていると話す。

「自治体での導入のきっかけは様々で、公用携帯を新規配備したい、古いフィーチャーフォンを更新したい、無線機の代替を探しているといった声が多いです。導入部署は防災・消防が中心ですが、現場に出る機会が多い福祉部門や、上下水道、学校現場での採用も増えています」。こうした流れに、災害時の通信確保への意識が広がりつつあることを感じているそうだ。国が後押しする事業であり、総務省による調達仕様書のひな形の公開や、都道府県独自の補助金制度なども、導入検討の追い風になっているという。

平時の通信を快適にしつつ、使い慣れた端末で災害に対応。

現在は200以上の団体が同サービスを導入し、日々の業務で活用している。その一例が千葉県長生村(ちょうせいむら)だ。同村では業務用無線サービスである「MCAアドバンス」を20台備えていたが、操作が複雑で習熟に時間がかかる上、活用の幅が限られるという問題を抱えていた。そこにサービス終了予定の知らせが届き、代替手段の検討が始まった。

同モバイルサービスに着目した担当職員は、使い勝手のよさとフェーズフリーな運用のしやすさ、費用対効果の高さを評価。令和7年8月に導入し、総務課や福祉課をはじめ、各課に端末を配備しているという。「平時は職員間の業務連絡やイベント時のIP無線機として活用し、混雑した会場などでも快適に使えたと聞いています」と齋藤さんは話す。有事には災害対策本部や避難所の連絡窓口として機能する想定だ。

有事に使いこなすには、平時からの慣れが欠かせない。日常的な業務端末がそのまま防災ツールになることは、現場の職員にとっても心強いだろう。「当社は日本のインターネット普及初期から、省庁をはじめとした公共の通信を支えてきました。特定キャリアに依存しない独立系事業者だからこそ、公共専用のマルチキャリア通信を構築できたと自負しています。通信はいまや欠かせないライフラインの一つ。自治体の不安や負担の軽減に、今後も貢献していきます」と力強く語ってくれた。



導入自治体の利用ケースを紹介

■ 千葉県長生村|令和7年8月にIIJ公共安全モバイルサービスを導入

平時/有事を問わずフェーズフリーに運用する長生村の活用法

■ 導入団体数200以上 防災部門以外でも活躍



自治体からのよくある質問に担当者が回答

各公共機関で導入が進む同モバイルサービス。新規導入の際に自治体から多く受けるという質問をピックアップし、担当者に回答してもらった。

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インターネットイニシアティブ
小形 淳(おがた じゅん)さん

1.通信エリアや速度は問題ないですか?

公共専用の仕組みで品質を高めています。

  大手キャリアから基地局を借りており、通信エリアは同等です。一般向けには速度を抑えたプランもありますが、公共専用だからこそ速度を落とさない仕組みを採用しています。

2.他社からの乗り換えは可能ですか?

自治体の契約であれば乗り換え可能です。

MNP(携帯番号ポータビリティ)にも対応しています。1回線から契約ができ、最低利用期間などの制限もないため、管理や運用もシンプルです。

※災害時優先電話は1年ごとの契約更新が必要

3.スマートフォンやタブレットなどに機種の指定はありますか?

いいえ、一般的な端末を利用可能です。

令和4年頃以降に発売されたデュアルSIM対応の端末であれば原則利用できます。物理SIMだけでなく、端末内蔵型SIM(eSIM)にも対応。動作確認済の端末はホームページでも公開中です。

4.端末の販売や初期設定、アプリ提供なども一括で対応できますか?

個別提案が可能なのでご相談ください。

過去の実証実験で活用された端末や業務アプリの紹介、セキュリティなどの初期設定も含めて対応が可能です。各自治体の事情に合わせて提案していますので、気軽にご相談ください。

5.衛星通信やJAPANローミング※には対応していますか?

現時点で衛星通信には非対応です。

スターリンクダイレクトなどの衛星通信には現時点で対応していません。JAPANローミングには対応済です。

※大規模災害や通信障害などの発生時に、他社の通信網を一時的に利用して通信を可能にする仕組みのこと。令和8年6月時点では音声通話とSMSのみ対応。



■ 2種のシェアプランでデータ容量をムダなく活用

【PLAN1】組織でシェア

同一契約の複数回線で1つのパケットパックを利用し、職員間でデータをシェア。


【PLAN2】ユーザーごとにシェア

回線(主・副回線の1組)ごとにデータ容量を規定し、主回線と副回線でシェア。




■ 料金プラン

  • いずれも税込みで、初期費用は1ユーザー当たり3,300円
  • 通話定額プランや災害時優先電話の契約など、詳しくは問い合わせを

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飯田橋グラン・ブルーム

Email:psms-info@iij.ad.jp

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