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難度の高い審査業務を委託し、信頼をもとに連携を拡大

保育施設運営費に関するBPOサービス
待機児童解消のために保育施設を拡充した渋谷区では、施設の増加に伴う運営費や補助金などの審査に職員が追われていた。そこで審査業務の外部委託を決断。庁外のBPO(※)センターで業務は滞りなく進み、超過勤務が軽減されたという。
※BPO=Business Process Outsourcing(業務の一部を外部へ委託すること)
※下記はジチタイワークスVol.45(2026年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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渋谷区
子ども家庭部 保育課
係長 神門 賢吉(かんど けんきち)さん

渋谷区
子ども家庭部 保育課
主任 小貫 勇人(おぬき はやと)さん
電話対応や膨大な事務処理に追われ行き詰まっていた現場の改善を図る。
同区は待機児童の解消を最優先課題に掲げ、保育施設を急激に増加させてきた。しかし施設が増えるほど、各施設へ支給する運営費や補助金の審査件数も膨れ上がっていったという。中でも負担が大きかったのが、算定基礎となる“施設型給付費”と、保育士の就業履歴をさかのぼって確認する“処遇改善等加算”の審査だ。申請書類をもとに要件や支給額を一件ずつ確認・算定する作業で、加算項目ごとに条件が異なる複雑な業務だという。「令和3年の委託開始前の記録では、月100時間以上の超過勤務が発生していたようです。日中は必要な書類や審査に関する施設からの問い合わせ電話が鳴りやまず、事務処理に全く手が付かない状況でした」と小貫さんは語る。
こうした状況を打開するため、問い合わせ対応を含む審査業務を一括して外部委託することを決断。プロポーザルを経て最終的に選定したのが、自治体向けにBPOサービスを展開する「アデコ」だった。「具体的な提案や、熱意あるプレゼンから、任せられると考えたのです」。ほかの自治体での豊富な受託実績があったことも信頼感につながり、委託の後押しになったという。


徹底したセキュリティ対策で庁外でも業務が滞らず進む。
委託スタッフが庁内で作業するにはスペースの確保が必要だが、それには限界がある。そこで提案されたのが、同社が保有するBPOセンターで業務を完結させる方法だ。しかし、当初は保育士などの個人情報を庁外で扱うことに対し、不安があったそうだ。この懸念を払拭するため、事前にセンターを視察することに。「厳格なセキュリティ管理など、情報のもち出しや漏えいを防ぐ仕組みを直接確認したことが、不安の解消につながりました」。また、審査書類の受け渡しなどは、原則としてクラウドサービス上で行っており、メールでの誤送信リスクを防ぐことで、安全なやりとりが可能になっている。徹底した対策のもと、令和3年の委託開始から令和8年現在に至るまで、セキュリティ事故ゼロの運用が続いているという。
また、委託に伴い課内の業務にもいい変化が生まれた。「以前は、担当者ごとに判断基準が異なる部分がありました。業務の棚卸しや判断基準をともに整理したことで、審査の標準化が進んだのです」。手計算だった複雑な審査を、同社は独自のツールで正確に処理。区への細かな確認を挟むことなく、センターで業務が完結しているそうだ。

正確な審査と対応で信頼が生まれ自然と委託範囲も拡大した。
委託前に悩まされていた日中の電話対応は大幅に減り、本来の事務処理に集中できる時間が生まれたという。保育施設では毎年担当者が替わることも多く、前任者からの引き継ぎが十分でないまま、基本的なことから問い合わせるケースも少なくない。「そうした場面でも丁寧に対応し、審査データの納品期日を守ってくれるため、安心して任せられています」と小貫さん。
難度の高い審査を正確にこなす実績が信頼となり、ほかの補助金審査へと委託範囲は拡大している。「現在では、職員から“この業務も委託できないか”という声が自然と出てくるほどです」と神門さんも現場の変化を語る。また、制度改正が頻繁な同分野において、他自治体の事例を踏まえた定期的な情報共有も心強いサポートだという。
外部委託を検討する他自治体へ向けて、神門さんは「実際にBPOセンターを見学することをオススメします。セキュリティ管理体制を現地で確認することで、信頼度が増すと思います」とアドバイスを送る。例外的に職員が審査を担っている一部の施設についても、今後は包括的な委託を目指すという。同社との連携はこれからも深まっていきそうだ。





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