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増大する更改費を大幅に抑え、三層分離と業務効率を両立

PCカートリッジ型リモートアクセス装置
自治体の業務で時に壁となる三層分離。業務効率化とセキュリティ担保の板挟みになり、頭を悩ませる担当者も少なくないようだ。そうした中、取手市では庁内のIT環境を見直し、コスト削減と管理・運用の効率化を両立させているという。
※下記はジチタイワークスVol.45(2026年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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取手市
総務部 情報管理課
次長 岩﨑 弘宜(いわさき ひろまさ)さん

取手市
総務部 情報管理課
デジタル化推進室長 松﨑 昌也(まつざき まさや)さん

取手市
総務部 情報管理課
課長補佐 鈴木 健太(すずき けんた)さん
コストの肥大化という厳しい現実に新しい基盤の導入で立ち向かう。
同市では、三層分離を守りつつ1台のパソコンから他層のネットワークにアクセスできる環境を整え運用していた。そうした中、サーバー更改の時期が迫り、令和5年に検討を開始。システム環境の課題や各課の要望も加味して見積もりを行ったところ、岩﨑さんはその結果に目を疑ったという。「金額は、前回更改時の約4倍でした。昨今の物価高騰による影響があるとはいえ、市の財政事情とかけ離れており、見直しを迫られたのです」。
コストの増大は避けたいが、セキュリティや業務効率は犠牲にできない。代替手段を探し、着目したのが「アセンテック」が提供する「リモートPCアレイ」だった。同製品は、専用のサーバー機器に複数の“小型PCカートリッジ”を搭載したリモートアクセス装置だ。カートリッジ1台を1ユーザーに割り当てる仕組みで、従来のような複雑なサーバー構築を必要としない。これまで同様、1台のパソコンから三層分離のネットワークにアクセスでき、操作感も変わらないという。「シンプルな構造で、仮想化ソフトウェアのライセンス費などが不要となり、大幅なコスト削減が期待できる点が魅力でした」。さらに、導入済みの自治体を視察し、安定性などを確認した上で正式導入を決定した。



トラブルの個別対応が可能になり管理業務もシンプル化された。
同市が導入したのは350台分。まずは一部の職員を対象としたテスト運用で、不具合がないかを確認した。安定稼働が確認できた段階で、順次移行を進めていったという。「ユーザー情報やメールなどのデータは新環境へそのまま引き継げました。操作性や動作スピードも変わらず職員が違和感なく使えたため、事前の研修会を行わずに済み、簡単なマニュアルを配るだけでスムーズに切り替えられました」。こうして令和8年3月に移行が完了し、本格運用がスタートした。
実際に使った感想として、管理・運用の負担軽減にもつながっていると鈴木さん。「トラブルが起きても、管理ツールで不具合の原因を特定しやすいのが利点です。カートリッジの切り替え・交換で対処でき、現場に駆けつける手間も減りました」。
また、以前の環境では安定稼働のために月2回程度のメンテナンスが必要だった。勤務時間外に作業をするため、その間は残業中の職員がシステムを使えなくなるという問題も発生していたが、新しい環境ではこうしたストレスもなくなったという。

大幅なコスト削減を達成しつつ新たなステップに歩みを進める。
同市で大きな課題となっていたのはコスト面だが、情報系サーバー全体の更改費用は、約4倍だった見積もりから約1.7倍に収まったそうだ。「様々な要因はありますが、同製品がコスト削減に大きく貢献しているのは確かです」と松﨑さんは評価する。「物価高騰に伴い調達が困難になる中、セキュリティと効率性を保ちながら環境を刷新できました。カートリッジ単位で管理できるため、個別の対応もしやすくなったと考えています」。その一例が、各課の事情に応じた環境づくりだ。以前の環境は、同一のベースとなるシステムを全端末に展開する仕組みだったため、特定の課からの“専用ソフトを使いたい”といった声に対応するのが困難だった。現在は1人に1台のカートリッジが割り当てられているため、個別に特定のソフトを入れたり、設定したりといった、現場の要望に柔軟に応えられるようになったそうだ。
コストの高騰という問題を克服し、庁内のIT環境を改善した取り組み。岩﨑さんは、三層分離が今後どうなるのかは不透明だと前置きしつつ、「AIやRPA(※)を組み合わせて効率化を図っていけるなど、可能性が大きく広がりました。新しいツールの採用にトライしつつ、自治体ネットワークに起きる変化にも柔軟に対応していきたいです」と語ってくれた。
※RPA=Robotic Process Automation(パソコンなどでの定型化された単純作業を自動化するツール)




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