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【対談】国・地方の動向から見える自治体ネットワークの将来像とは

自治体のネットワーク環境が転換期を迎えようとしている。今まで情報資産を守ってきた三層分離にも、βやβ´、α´といったモデルが提示され、同時に高いセキュリティが求められるようになった。大きな変化の中、“次は何がくるのか”と不安を抱える職員も多いかもしれない。
「Extreme Networks(以下、エクストリーム ネットワークス)」では、セキュリティ課題のヒントとなるプライベートセミナーを令和8年10月28日(水)に開催予定だという。開催に先立ち、同社の横山さんが、当日の基調講演に登壇予定の「KUコンサルティング」の髙橋さんをゲストに迎え対談を実施。自治体の現在地と、今後進むべき道について語り合った。
※記事の掲載情報は公開日時点のものです。
[PR]Extreme Networks 株式会社

左:髙橋 邦夫(たかはし くにお)さん
合同会社KUコンサルティング 代表社員/総務省地域情報化アドバイザー/総務省情報セキュリティポリシーガイドライン改定検討会委員
右:横山 尊信(よこやま たかのぶ)さん
Extreme Networks 株式会社 執行役員社長
行政分野で急拡大するネットワーク基盤
――エクストリーム ネットワークスは、公共分野での実績が伸びていると聞きます。どのようなサービスを提供しているのでしょうか。

横山:当社はネットワーク基盤を手がける会社です。製品としては、無線LANのコントローラーや認証サーバー、ネットワーク機器の監視装置など、ネットワーク基盤に関わるソリューションをクラウド、オンプレミスの両方で提供しています。
日本国内での実績はこの2年で急成長しており、その大半を公共分野が占めています。自治体はもちろん、中央省庁での採用も進んでおり、直近5年を見ても、多くの省庁の情報インフラ・ネットワーク基盤に当社の技術が導入・運用されています。

横山:当社はネットワーク基盤を手がける会社です。製品としては、無線LANのコントローラーや認証サーバー、ネットワーク機器の監視装置など、ネットワーク基盤に関わるソリューションをクラウド、オンプレミスの両方で提供しています。
日本国内での実績はこの2年で急成長しており、その大半を公共分野が占めています。自治体はもちろん、中央省庁での採用も進んでおり、直近5年を見ても、多くの省庁の情報インフラ・ネットワーク基盤に当社の技術が導入・運用されています。
――選ばれるポイントはどこにあると考えていますか。
横山:端的にいうと、シンプルな構成による使いやすさと運用負荷の軽減。そして高い安定性により、安定稼働を維持するネットワークを提供できる、という点です。行政においてもシステムは高度化し、同時にサイバーリスクは高まっています。そうした中、ネットワークの課題も複雑化して、IT・ネットワーク管理者が実施しなければならないことが非常に多くなっている。私たちはそうしたポイントをクリアしつつ、毎年更新される技術への厳しい要件を満たし、期待に応え続けています。そこで得た信頼が、新たな導入へつながっているのではと考えています。
自治体ネットワークはどこへ向かうのか ―現状と課題の整理―
――課題が複雑化しているという話が出ましたが、改めて自治体ネットワークの現状と課題をお聞かせください。

髙橋:自治体ネットワーク変革の発端は、平成27年の「日本年金機構 情報漏えい事件」です。マイナンバー制度が始まる直前だったこともあり、国から“三層分離で情報資産を守る”という指示がくだりました。当時、私は東京都豊島区の職員でしたが、その時点で三層分離による業務への影響はさほど出ていませんでした。
しかしその後、新型コロナのパンデミックや、働き方改革、自治体DXの波が押し寄せました。在宅勤務はもちろん、現場や出先機関など“どこからでも安全に”業務を行う必要性が高まり、従来の“庁舎内からしか接続できない”アクセス制限は限界を迎えています。クラウド・バイ・デフォルト(クラウドサービスの優先利用)が原則になると、三層分離はむしろ足かせとなるのです。
解決に向けて、総務省は令和2年にβモデル、β´モデルを提示し、後にα´モデルも認めるようになりました。そうした中で自治体ネットワークのあり方が多様化。この状況が新たな課題になっているということです。

髙橋:自治体ネットワーク変革の発端は、平成27年の「日本年金機構 情報漏えい事件」です。マイナンバー制度が始まる直前だったこともあり、国から“三層分離で情報資産を守る”という指示がくだりました。当時、私は東京都豊島区の職員でしたが、その時点で三層分離による業務への影響はさほど出ていませんでした。
しかしその後、新型コロナのパンデミックや、働き方改革、自治体DXの波が押し寄せました。在宅勤務はもちろん、現場や出先機関など“どこからでも安全に”業務を行う必要性が高まり、従来の“庁舎内からしか接続できない”アクセス制限は限界を迎えています。クラウド・バイ・デフォルト(クラウドサービスの優先利用)が原則になると、三層分離はむしろ足かせとなるのです。
解決に向けて、総務省は令和2年にβモデル、β´モデルを提示し、後にα´モデルも認めるようになりました。そうした中で自治体ネットワークのあり方が多様化。この状況が新たな課題になっているということです。
横山:混乱の中で、人手不足も顕在化していますね。自治体の現場からは“庁内にネットワークの専門家がいない”という声が聞かれます。そのためSIer(※)などへ委託するわけですが、実は事業者側もネットワーク基盤の技術者は不足しているんです。そこに時間とコストの制約まで重なってくるわけですから、人的・金銭的なリソースの限界が、現場の大きな壁になっていると感じます。
※SIer(エスアイヤー)=System Integrator(システムインテグレーター)の略称。顧客の業務を分析し、課題解決に向けたコンサルティングからシステムの設計、開発、運用・保守までを請け負う企業を指す。

――髙橋さんは「国・地方ネットワークの将来像の実現に向けた検証事業」の検討会に委員として参加なさっていますね。そこで議論されてきたことについて解説をお願いします。
髙橋:デジタル庁の創設が令和3年ですが、三層分離に対する疑念の声が上がり、令和6年に検討会が発足。私にも声がかかりました。目指したのは、どうすれば自治体職員が安全に業務を進められるか、ということです。生産性を上げながら、場所を選ばない働き方を実現するために、どのようなセキュリティやネットワークが必要なのか。そのようなテーマを中心に議論する中で“ゼロトラスト”に着目したのです。
大切なのは、国と地方のネットワークを連携させていくこと。国はGSS(※)という新しいサービスに移り変わっています。このGSSと地方を効率的に統合できないかと考えました。1つめの方法は、GSSに自治体が乗っていく考え方。もう1つは、自治体独自の方法を考え、GSSと接続させるという考え方です。令和7年の実証では、GSS方式と自治体提案方式の2つの方式を選べるようにして、7グループが採択されました。その後に報告書がまとめられましたが、一部の自治体が継続を希望し、現在も実証が続けられている状況です。
※ GSS=Government Solution Service(ガバメント・ソリューション・サービス)。デジタル庁が提供する政府職員のための政府共通の標準的な業務実施環境(業務用パソコンやネットワーク環境)を提供するサービスのこと。
――ゼロトラストネットワークの可能性について、お二人の意見を聞かせてください。
髙橋:場所を選ばない働き方を考えると、クラウド活用は必須です。そんな時代にふさわしいセキュリティの考え方という点では、ゼロトラストアーキテクチャを使うのが自然だと思います。
ただ、“ゼロトラストとは認証・認可を強化すること”だと誤解して、ログインの部分ばかりを強化しようとするケースも多くみられます。それではゼロトラストとはいえません。静的ではなく、もっと動的な認証・認可をしなければならないのです。今後は、アクセス制御の強化がより求められてくると思われます。

横山:私は以前、エンドポイントセキュリティ(パソコンやスマホといった端末側の対策)を提供する会社で自治体の仕事をしていたのですが、当時からパソコン(端末)側だけの対策や、インターネットとの境界(SASE※)を守るだけの対策には限界があると感じていました。なぜなら、髙橋さんの言葉通り、テレワークを進めなくてはならない現在では、どれほど入口を固めても、感染した端末が庁内に持ち込まれるリスクは防ぎきれないからです。
従来の仕組みでは、一度ネットワークの内側に侵入されると、横移動(感染拡大)を止められず、重要なサーバーまで被害が及んでしまいます。庁内ネットワークの中こそ危険。その中でリスクを止めないといけない。本当の意味でのゼロトラストは、ネットワークの中のセキュリティを高めてこそ成立するというのが我々の考え方です。省庁のインフラでは今まさにそれが進んでいますし、すでに宮崎県や千葉県四街道市をはじめ、全国の自治体様でも導入が進んでいます。
※SASE(サッシー)=Secure Access Service Edge。ネットワークとセキュリティを一元的にクラウド側で管理する仕組み、あるいはその概念。
――導入が進む一方で、ネットワークの課題は自治体ごとで異なりますか?
横山:はい。地域性によっても異なります。例えば先日は離島を多く抱える自治体を訪問したのですが、そこでは山間部も多いため、台風などでネットワークが寸断されることが課題でした。当社からは、衛星も活用した冗長化ソリューションを提案しています。
解決策は様々なものを用意しているので、自治体の規模などは問いません。また、初期コストが限られているとか、人手が足りないといった悩みを抱えている自治体も多くありますが、そこにはスモールスタートで応えます。まずは通常のネットワークとして導入し、体制が整ってから様々な機能や新しい技術を加えていくのです。1社で全てカバーできるので、仕組みもコストもシンプルで、何かあったときの問い合わせ先も窓口1つで済みます。
髙橋:話を聞いて、行政ニーズが高い理由が分かりました。中でも“柔軟性”は重要だと感じています。そもそもテレワークとは、単なる在宅勤務ではないと考えています。これからは職員が庁外でも安心して情報が扱える環境づくりが必要。出先の公民館や保育園、関連施設などでもストレスなく働ける、情報が扱えることが働き方を変え、住民サービスの向上につながり、災害時のレジリエンス強化にもなる。そして、新しいテクノロジーが登場したらどんどん取り入れていく……。そのように柔軟なネットワークが構築できるのが魅力ですね。確かに、自治体の規模を問わないサービスだと感じました。
10月28日(水)に自治体職員向けセミナーを開催
――10月に開催されるJ-LISフェアに合わせてプライベートセミナーを開催するそうですが、見どころなどを教えてください。
横山:フェア2日目〈令和8年10月28日(水)〉に、隣接会場で実施します。髙橋さんの基調講演をはじめ、自治体の皆さんによるトークセッションなどを企画しています。実際に当社製品を使っているユーザーの生の声を通して、現在のネットワーク課題や今後の不安をどう乗り越えていくのか、ヒントをつかんでもらえたらと思っています。
何より伝えたいのは、“技術的な面ではすでに答えがある”ということ。ここ10年でネットワークの技術は大きく進歩し、変化してきました。新しい技術も多く登場し、人手不足やセキュリティ強化、コスト低減など様々な課題の解決につなげられるのですが、残念ながらまだあまり知られていないのも事実です。こうした知見に触れて、ぜひ持ち帰っていただければと思います。
ちなみに、会場では昼食の提供や荷物の預かりサービスも用意しています。気軽に立ち寄る感覚で来てください。
髙橋:実際、自治体職員は2030年に向けて大きな不安を抱えていると思います。ただでさえ自治体ネットワークが複雑化している中、国からも様々な方向性が示される。職員の皆さんは情報に振りまわされてしまうと思いますが、焦ることはないんです。今やるべきことを、しっかり皆さんで一緒に考えていきましょう!……と、私からはそんな話を中心に解決の糸口について話す予定です。
ネットワーク改革はポリシー策定と情報資産の棚卸しから
――最後に、全国の自治体職員へメッセージをお願いします。
髙橋:昔はプログラムとネットワークが密接な関係にあり、ホストコンピューターを使うならネットワークも知っておく必要があったのですが、今は完全に両者が分かれています。それと同時に、ネットワークのことを勉強する機会は減っていると思うんです。
その反面、情報は多いので振りまわされてしまうのですが、肝心なのは、“情報資産の棚卸し”だと思います。つまり、何を守るのかということです。
自治体にある何の情報を、どう使いたいのか、どう守るのか、これらの洗い出しをしておく必要があります。この作業は職員にしかできません。大変ですが、2030年までにやっておけば、国の方向性が出されたときに慌てずに済むはずです。
今はまだ時間があります。直近では、総務省から“パッチ(※)が当たっているかどうか、パッチを当てるのは誰か、保守している事業者はどこか”といったリストをつくるよう指示が入っています。そうしたリストをコツコツと完成させていきましょう。
横山:ゼロトラストとか、ネットワークのあり方などと聞くと、難しそうに感じるかもしれません。でも、そこを構成する要素はさほど多くないんです。誰が、どのデバイスから、どのようにアクセスするか。その掛け算で出た部分をいかに堅牢に守るかということです。技術はすでに確立していて、我々も提供できる状態にあります。
テクノロジーの用意はできているので、自治体側では「どこにアクセスするか」といったポリシーを決めておくことが重要。そのポリシーの整理に時間がかかってしまうこともあるので、早めの動きが必要です。
職員がもっと柔軟に働くことができ、そのためのセキュリティも整っている。そんな未来を少しでも早く手に入れられるよう、一緒に考えていきましょう。
※パッチ(セキュリティパッチ)=システムやソフトウェアに見つかったセキュリティ上の欠陥(脆弱性)や不具合を修正・補修するために配布されるプログラムのこと。
開催日時 | 2026年10月28日(水) 12:20〜16:15(開場12:00) |
会場 | 幕張メッセ 国際会議場 中会議室102A・102B |
開催形式 | リアル開催限定 |
プログラム | 【12:00〜12:20】開場・昼食提供 【12:20〜12:50】ランチョンセッション 自治体インフラのこれから 〜安全・安心な行政サービスを支えるネットワークとは〜 エクストリーム ネットワークス営業本部 西日本営業部 担当部長 中島 晋さん 【12:50〜13:00】休憩 【13:00〜13:45】基調講演 今後の自治体の情報セキュリティとネットワークのあり方とは 合同会社KUコンサルティング 代表社員/ 総務省地域情報化アドバイザー/ 総務省情報セキュリティポリシーガイドライン改定検討会委員/ 髙橋 邦夫さん 【13:45〜13:55】休憩 【13:55〜14:25】事例講演 四街道市が実現した庁舎移転での 最適なネットワークと働き方改革について エクストリーム ネットワークス営業本部 公共営業部 担当部長 川端 康裕さん 【14:25〜14:45】コーヒーブレイク (コーヒー・お茶菓子の提供) 【14:45〜16:05】トークセッション 今後の自治体ネットワークのあり方とは ▼ファシリテーター エクストリームネットワークス 執行役員社長 横山 尊信さん ▼参加者 ・埼玉県 さいたま市 都市戦略本部 情報統括監 鈴木 宏保さん ・東京都 中野区 総務部 DX推進室 デジタル政策課 行政DX推進係長 加藤 慶之さん ・同行政DX推進係 國松 直希さん ・山口県 総合企画部 デジタル推進局 デジタル・ガバメント推進課 ネットワーク班 主任 安永 忠弘さん 【16:05〜16:15】閉会 |
対象者 | 自治体職員限定 ICT・ネットワークご担当者様 |
お問い合わせ
サービス提供元Extreme Networks 株式会社


















