長野県塩尻市

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【G-people:中山 春奈さん】自らの経験を子どもに伝え短歌の里で文化をつなぐ。

【G-people:中山 春奈さん】自らの経験を子どもに伝え短歌の里で文化をつなぐ。

地域の伝統文化を将来へ引き継ぐことは、自治体の重要な役割の一つといえるだろう。”短歌の里“として知られる塩尻市(しおじりし)でも、短歌を将来へつなぐ取り組みとして、競技かるた教室を開催。この教室を発案したのが中山さんだ。競技かるたの有段者である中山さんは自ら講師を務め、市内外の子どもたちが短歌に親しむ機会をつくっている。

  ※下記はジチタイワークスVol.42(2026年1月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。


長野県塩尻市
教育委員会 交流文化部  文化財課
中山 春菜さん(入庁2年目)

子どもたちが楽しみながら成長していく姿が励みになっているという中山さん。「子どもの頃に競技かるたに触れることで、いつか離れることになっても、また戻ってきてくれればうれしいです」。

挑戦したいことを言葉に。

小学生の頃に、クラスマッチで百人一首に触れたことがきっかけで、短歌に興味をもちました。その後、競技かるたというものがあると知り、高校生から本格的に始めたのです。そして、”短歌の里“として知られる当市に拠点を置く「塩尻かるた会」に入会。選手として活動するほか、大会の運営にも参加しました。大学卒業後も競技かるたに携わりたい気持ちと、学生時代からなじみのあった当市への思いが重なり、入庁を決めたのです。採用面接で”短歌をより普及させ、後世へ継承していきたい“という思いを伝えたところ、文化財課に配属。今は短歌を広める活動に力を入れています。

入庁2年目を迎えた令和7年の春、若手職員を対象に、市長・副市長・教育長との懇談会が開かれました。その際、教育長にやりたいことを問われて、子どもたちに競技かるたを教えたいと話したところ「どんどん挑戦すればいいじゃないか」と背中を押してくれました。周囲のサポートもあり、公民館などで不定期に競技かるた教室を行うことから始めたのです。

地道に種まきをしていく。

同年6月頃から単発で行っていた教室ですが、8月から11月までは、週末に定期開催。午前と午後の2部構成で、私が講師を務めました。午前の入門コースは、競技かるたに初めて触れる子ども向け。まずは札を取る楽しさを体験してもらいます。その後、個人戦を行い、徐々にレベルを上げて、チーム戦を実施。小さい子どもでも成長を感じながら楽しめる内容です。午後の実力養成コースは、経験者が対象。構え方や札の取り方など専門的なノウハウを伝えます。参加人数は1回当たり15人ほどで、直近の教室は満員になりました。これまでに小学生から高校生までが参加し、中には片道1時間以上かけて通う子も。教室をきっかけに競技かるたを始め、大会に向けて努力する子どもたちの姿も見られ、手応えを感じています。

教室を運営する中で心がけていたのは、子どもたちを褒めて伸ばすことです。成功体験を積むことで、一時的に短歌から離れても、高校生、大学生、大人になってから、”またやってみたい“”大切にしたい“と思えるようになってほしいと考えています。

この取り組みを実現できたのは、やりたいことを言葉にできる庁内の雰囲気と、理解し支えてくれる上司や同僚がいたからだと思います。まずは自分の強みをどう活かせるかを考え、その意欲を伝えることが大切ではないでしょうか。私には、競技かるたを通じて挑戦したいことが無限にあったので、教育長から”やりたいこと“を尋ねられた際も、すぐに提案できたのです。今後も、多くの場所で教室を開き、種まきのように地道な普及活動を続けていきたいと思います。

▲	まずは覚えやすい札から練習をスタート。少ない枚数から始めて成功体験を積むことを大切にしているという。<br>
▲ まずは覚えやすい札から練習をスタート。少ない枚数から始めて成功体験を積むことを大切にしているという。


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