ジチタイワークス.comジチタイワークスWEB民間サービス比較無料名刺
ジチタイワークスWEB

自治体で働く
“コトとヒト”を元気に。

会員登録(無料)
ログインログイン
ログインログイン
  • 仕事仕事
  • 暮らし暮らし
  • 記事記事
  • セミナーセミナー
  • 仕事仕事
  • 暮らし暮らし
  • 記事記事
  • セミナーセミナー
ジチタイワークスWEB

自治体で働く“コトとヒト”を元気に。

X公式アカウントFacebook公式アカウント

サイトマップ

このサイトについて仕事関連のコンテンツ暮らし関連のコンテンツ記事セミナー・イベント行政マガジンログイン会員登録

関連サービス

ジチタイワークス.com民間サービス比較無料名刺調達インフォジチタイSMS
運営会社プライバシーポリシー広告掲載についてお問い合わせ

Copyright JICHITAI WORKS, INC.

滋賀県大津市

公開日:2025-10-15

維持費のかかる浴場を廃止して、健康づくりの場に変え人気に。

福祉・医療
読了まで:4分
維持費のかかる浴場を廃止して、健康づくりの場に変え人気に。

需要に合わせて機能を見直した老人福祉センターの再生

全国の老人福祉センターは、その多くが昭和期に設置され改修時期にある。大津市では、ランニングコストや高額な改修費がかかる浴場を廃止。トレーニングルームの新設で利用者が激増し、活気が生まれたという。

※下記はジチタイワークスVol.40(2025年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

大津市
健康福祉部 介護・福祉施設課
課長補佐 白井 崇(しらい たかし)さん

利用者が減る中で費用対効果を見直し、施設存続の道を模索。

全国の例に漏れず、同市の老人福祉センターも利用が低迷。市内5施設の再生を模索していた。課題は、維持費がかさむ浴場にあったという。「利用者が減少する中、修理で維持してきたボイラーは、もはや限界。改修費用があまりに高額で、利用者数に対して費用対効果が見合いません。しかし、コロナ禍で高齢者が外出や会話をする機会が減っており、施設の廃止よりも存続を考えました」と白井さんは振り返る。そこで、保健師や高齢者福祉の担当者などによるワーキングチームが、センターの活用法を協議。全施設の浴場を廃止し、利用を増やすために機能を充実させるという答えが見えてきた。5施設は、市内でほぼ均等に分布しており、廃止するかどうかを施設ごとに判断すると地域間格差が生まれてしまう。そのため、5施設全てのリニューアルを決めたそうだ。

利用者が減る一方、サークル活動や運動教室には一定のニーズがあった。「健康増進や交流の場づくりという方向性で、対象となる市民にアンケートを実施しました。コロナ禍を経て同センターに求める機能を尋ねたところ、“筋トレ・有酸素運動”を望む声が最も多かったのです」。アンケート結果を受け、トレーニングルームの設置を決定。「浴場廃止に反対する声もありましたが、施設を存続させるために必要な手段だと丁寧に説明しました」。

最小限の改修とマシンの導入で利用者数が大幅に増加した。

高齢者が使いやすいマシンの設置がリニューアルのカギだと考えた白井さん。「計画当初から、ある有名スポーツジムのマシンに目を付けていました。実際に体験すると、操作が簡単で、白を基調としたマシンは視認性もよく、高齢者が使うイメージが湧きました」。それまで出店を基本としていたジムに直接交渉し、マシンのみの導入で契約。令和6年4月、リニューアル第1号となる老人福祉センターがオープンした。

トレーニングルームの新設にあたり、大がかりな工事は不要だったという。「談話室の床を張り替え、マシン用の電源工事を行うだけ。マシンは、高齢者に最適な5種類をプロの視点で選んでもらいました」。企業の担当者から使い方を学んだスタッフがセンターに常駐し、利用者をサポートする。血管年齢測定器や体組成計など、セルフで使える機器も設置。トレーニングルームの利用者は、毎月右肩上がりで、オープンの翌年には倍増したという。

浴場は、浴槽をそのまま残し、洗い場だけを再利用してシャワー設備を取り付けた。寒さ対策のため、暖房も設置している。その結果、光熱費と水道代の合計は、前年度と比べて約2割削減できたという。改修費用は約1億円かかる予定だったが、約2,700万円に収まった。

▲浴場をシャワー室に変えて予算を削減した分、トレーニングマシンや健康測定器が導入でき、“使ってみたい”と思う施設に。

高齢者の運動習慣につながり、活気があふれる交流の場に。

令和7年4月には2施設目がリニューアルオープンした。前年の4月と比較すると、1カ月の新規利用登録者数がおよそ30倍にまで増えたそうだ。「健康測定器を使う人たちの“血管年齢が下がった!”といった会話から、これまでになかった初対面同士のコミュニケーションも生まれているようです」。残る3施設も、毎年1施設ずつリニューアルする予定だ。

トレーニングルームの新設で利用者が増え、費用の削減と交流の場づくりという両面で成果を上げている同市。施設のリニューアルをきっかけに、高齢者の健康意識が向上し、運動習慣が定着すれば、介護予防も見込める。「トレーニングの場を提供すれば、フレイル予防につながり、介護保険料の抑制も期待できます。今後は、栄養管理や口腔衛生の教室を開催したり、まち歩きなどで社会参加を促したりしたいですね」。

公共施設は、費用面だけで存続の是非を決められないことが多いという。「施設自体を廃止しなくても、浴場をなくすといった工夫はできるはず。お金をかけなくても、施設は再生できます。元気な前期高齢者や女性の利用が増えるなど、層が広がることで、活気が生まれました」。同市の事例は、施設のあり方を検討する上で大きな参考になるだろう。

コスト削減と利用者の増加を両立した大津市の取り組み


 


 


 

カテゴリ

高齢福祉
介護福祉
高齢福祉
介護福祉

関連記事

利便性が高く運用もラクなカード給付で業務の改善を。
2025-11-26
福祉・医療

雑誌と連動した来訪促進で行動派シニアを地域に招く。
2025-11-25
観光・商工

地域ケア会議とは?目的や5つの機能から自治体の成功事例まで解説
2025-10-29
福祉・医療

利便性が高く運用もラクなカード給付で業務の改善を。
2025-11-26
福祉・医療
雑誌と連動した来訪促進で行動派シニアを地域に招く。
2025-11-25
観光・商工
地域ケア会議とは?目的や5つの機能から自治体の成功事例まで解説
2025-10-29
福祉・医療
  1. ホーム
  2. 記事
  3. 福祉・医療
  4. 維持費のかかる浴場を廃止して、健康づくりの場に変え人気に。

行政マガジン ジチタイワークス

Vol.402025年10月発行

生成AIが切り開く自治体DXの次のステージ。

最新号&Back Number
最新号&Back Number
個人配送を希望する
個人配送を希望する
PR

ランキング

【区長の本音<10>杉並区長・岸本 聡子さん】区民との対話で未来をデザイン。

1

【区長の本音<10>杉並区長・岸本 聡子さん】区民との対話で未来をデザイン。

都道府県で初のGoogle Workspace 全庁導入|秋田県が切り拓く業務効率化とDXの未来

2

都道府県で初のGoogle Workspace 全庁導入|秋田県が切り拓く業務効率化とDXの未来

地域活性化のユニークな事例16選|成功要因と自治体の実践ポイントも解説

3

地域活性化のユニークな事例16選|成功要因と自治体の実践ポイントも解説

河川・ダムを一括遠隔監視「YouTube Live河川監視カメラ」で地域防災をはじめる

4

河川・ダムを一括遠隔監視「YouTube Live河川監視カメラ」で地域防災をはじめる

空き家活用の成功事例15選!テーマ別自治体の取り組みや使える支援制度も紹介

5

空き家活用の成功事例15選!テーマ別自治体の取り組みや使える支援制度も紹介

  1. ホーム
  2. 記事
  3. 福祉・医療
  4. 維持費のかかる浴場を廃止して、健康づくりの場に変え人気に。