ジチタイワークス

「必要なのは伝わる名刺」佐久間智之さんの広報マインド【後編】

「ジチタイワークス無料名刺」WEB企画。今回は、前編・後編の2回にわたり、自治体広報のプロフェッショナルとして知られる元・埼玉県三芳町職員、PRDESIGN JAPAN 代表取締役の佐久間 智之(さくま ともゆき)さんに「広報×名刺」について語っていただきました。

前編はこちら

アナログ・デジタル双方を活用しよう

ー 名刺は「時代に逆行している」といわれることもありますよね。
佐久間さん:「メールやSNSで相手のことが分かるから名刺は必要ない」「ペーパーレスやデジタル化、カーボンニュートラルに反するのではないか」というご意見があることは事実です。でも、名刺を受け取る相手の視点で考えると、自ずと答えが出るのではないでしょうか。

ー どういうことでしょうか?
佐久間さん:メールやSNSの情報で十分だと思う人は少なくありません。でも、初めてメールを送るとき、連絡先を調べるために名刺があると便利ですよね。
また、SNSでのつながりだけでは、課内でその人の情報を共有する際、自分のSNSアカウントから表示することになるので、あまり気分が良くない上に不便です。プライベートな付き合いをしている人とのやりとりを共有する場合、相手の了解を得ないままスクリーンショットを撮って課内のLINEで共有したりすれば、コンプライアンス面で問題が生じます。

ー 名刺について、そこまで考えたことはありませんでした...。
佐久間さん:プライベート用につくっている名刺は別ですが、自治体名が入っている業務用の名刺なら、そういったリスクを回避できるんです。つまり、メリットもデメリットもあるので、アナログ・デジタルのどちらかに振り切るのではなく、上手にどちらも活用するのが良いと言えます。
そして、アナログ・デジタルどちらにとっても大切なのは「伝わる」ことです。

ー ここでも「伝わる」ことが重要になってくるんですね。
佐久間さん:自分の尺度で名刺が必要かどうかを考えてしまうのは、もったいないと思います。名刺を渡すことで相手の業務負担を軽減できる、相手が自分の自治体のことを少しでも知ってくれる、相手が自分の名前を覚えてつながりを広げてくれる――。伝わることでこういったメリットが生まれます。
そう考えると、「まちのキャッチコピーやキャラクターを前面に出そう」「文字が小さくて読めないけどオシャレだから良い」などと自分本位な名刺はつくらないはずです。伝えるのは自分、伝わるのは相手。公務員に必要なのは「伝わる名刺」なんです。

伝わる名刺を簡単に作れる「ジチタイワークス無料名刺」

ー 「ほとんどの自治体では名刺を自腹で用意せざるを得えない」というお話がありましたが、佐久間さんも自腹でつくられていたのでしょうか?
佐久間さん:三芳町にいたときは何千枚と自腹で名刺をつくっていました。また、公務員の宿命で、同じ秘書広報室でも、政策秘書室から秘書広報室へ部署名が微妙に変わったり、内線番号が変わったりするので、その都度つくり変えなければなりませんでした。

ー 自腹で名刺をつくることに不便さを感じられていたのですね。
佐久間さん:自治体の91%は名刺を予算化していないので、名刺は自腹でつくるしか方法がなかったんです。
でも、「ジチタイワークス無料名刺」サービスが始まり、1年に1回、100枚まで無料で名刺をつくってくれる上、送料無料だと知りました。なぜ私が現役のころになかったのでしょうか...(笑)。現役職員がうらやましいです。

ー 佐久間さんが現役公務員だとしたら、このサービスのメリットは何でしょうか?
佐久間さんフォーマットがいくつも用意されているので、デザインに自信がない人でも「伝わる名刺」を簡単に作れることですね。また、名刺データをPDFで提供してもらえるとのこと。JPGにすればメールやSNSに添付して活用できるので非常に便利ですね。

伝わる名刺を活用すれば広報力が上がる

ー 新型コロナウイルス感染症の拡大により、名刺交換の機会が減ってしまいましたよね。
佐久間さん:自治体間の対面での交流は少なくなってしまいましたが、それだけ直接会ったときの時間が貴重になったと言えます。その際に「伝わる名刺」を持っていれば、相手は自分のことを覚えていてくれるはずです。

ー 最後に、まだ名刺を使われていない職員の方々にメッセージをお願いします。
佐久間さん:「今はまだ名刺は必要ない」と思っている方々にこそ、名刺を持ってほしいと思います。そして名刺を「どのタイミングで渡すのか」「どんな言葉と一緒に渡したら効果的なのか」なども考えながら活用すれば、つくるだけの名刺ではなく、目的と手段が明確になった価値のあるものになります。
つくって終わりの通知書や広報、掲載して終わりのSNS、更新して終わりのホームページからの脱却、つまり「アリバイ広報」にならないスキルが身につく可能性も、名刺には秘められています。

ー 名刺をつくることで仕事にも良い影響があるんですね。
佐久間さん広報力は「伝わる力」です。伝わる名刺をつくって活用できていれば、広報力が上がります。全庁的に名刺をつくることは、全職員の広報マインド醸成につながるといっても過言ではありません。名刺を持ち、相手に寄り添う気持ちを考えることは住民サービス向上にもつながります。これを機に、自分と自治体の分身である「伝わる名刺」をつくってみてはいかがでしょうか。

おわりに

今回は、元・埼玉県三芳町職員、PRDESIGN JAPAN 代表取締役の佐久間 智之さんにお話を伺った後編をお届けしました。「広報力=伝わる力」というお話が、非常に印象的でした!
伝わる名刺を簡単につくれる「ジチタイワークス無料名刺」、ぜひご活用ください!

プロフィール
元・埼玉県三芳町職員
PRDESIGN JAPAN 代表取締役
佐久間 智之(さくま ともゆき)さん

1976年生まれ、東京都出身。埼玉県三芳町で税務、介護保険担当を経て2011年に広報担当に。「広報みよし」が広報コンクールで内閣総理大臣賞を受賞。2020年に退職し、「早稲田大学マニフェスト研究所」の研究員や、「厚生労働省年金広報検討会」構成員のほか、自治体の広報アドバイザーなどを務める。

 

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