ジチタイワークス

東京都奥多摩町

東京県 奥多摩町「BLUE+GREEN JOURNAL」

“まちを彩る”PR誌をピックアップ。魅力を取材し研究発表していきます。

※下記はジチタイワークスVol.14(2021年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]東京都奥多摩町

まちの信頼を得て、住民視点とプロの技術で編集。感性の豊かさが全面に!

平成28年に創刊した「BLUE+GREEN JOURNAL」は”奥多摩町で暮らすことの豊かさ”を広く実感してもらうために制作された、町公式のタブロイド判フリーペーパーだ。制作を担うのは、5年前に東京都内から移住し、編集プロダクションを営む宇都宮さん・曽田さん夫妻。まちが募集していた「元気なまちづくり推進事業」に応募したことがきっかけだという。

「広報紙と差別化を図れる期待感から採択しました。個性的な色彩やサイズ感で、読む人の”感性を刺激する媒体”として、まちの魅力を発信してくれています」と、同町の徳王さんは話す。

夫妻が2人のクリエイターとともにつくる冊子は、全14ページで構成されており、表紙はあえてイラストに。豊かな自然の色合いや表情を捉えた荒いタッチの描写が、手にする人を独特の世界観へと導いていく。そして、ページをめくるたび紙面いっぱいにあらわれるのは、その環境がもたらす空気感や、暮らす人々の等身大の姿。思わずその背景にある”物語”を知りたくなる構成だ。

毎号、テーマごとに変化球でアプローチする切り口も興味深い。7号では”鹿”を主役に、まちが抱える課題を取り上げ、動物と人間の未来を考えた。「私たちに制作を任せたほうが良いものができると信頼していただいていることに、まちの懐の深さを感じます。だからこそ責任を持って、ワクワクするものづくりに没頭できるんです」と宇都宮さんは思いを語る。

これまで9号を制作し、都心にまで配布先が増えた。「町内では回覧板がまわされていて、この媒体を通じ、様々な人との関係が深められたことは財産です」と曽田さん。よりクリエイティブで、持続可能な冊子づくりを目指したいと笑顔を見せる。

地域を盛り上げるPR誌の制作は、行政主導に限らない。まちの内外を知るプロの編集者から見た奥多摩町。その自由な発想や視点を支持し、信頼を置く官民の連携が、従来にはあまり見られなかったローカルメディアを創出し、まちの魅力を高めている。


制作秘話 01

毎号ワンテーマを設定して紹介。奥多摩町ならではのコンテンツを設け、自治体としては、少しとがったテーマにも挑戦。観光施設で品切れになることも。

制作秘話 02

季節感を大切にし、変化に富む春と秋の年2回発行。コロナ禍では、“新しい趣味”に着目するなど、ポジティブな内容を届けている。

制作秘話 03

まちの職員をはじめ、宇都宮夫妻のような移住者などの協力のおかげで取材先の選定もスムーズ。「ネタは尽きません」と曽田さん。

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東京都 奥多摩町 企画財政課

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