自治会役員の高齢化などを理由に、行政情報紙の配達業務に支障が出ている自治体が増加中だ。そんな中で嘉麻市は、令和2年4月より日本郵政グループ「JPメディアダイレクト(以下、JPMD)」を導入し、問題解決へ導いている。
※下記はジチタイワークスVol.13(2021年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社JPメディアダイレクト
区長の高齢化と後継者不足で、業務の継続を危ぶむ意見が。
各種広報紙の配布を自治会役員に委託している自治体は多い。民間の事業者を利用している地域もあるが、配布効率の悪い山間地や住宅がまばらなエリアでは配達の漏れが多いという。
福岡県のほぼ中央に位置する嘉麻市も、毎月発行の「広報嘉麻」をはじめ、市議会だよりや県だより、その他臨時の行政情報などの紙媒体の配達を、各行政区の区長などに依頼してきた。市庁舎に一括納品された行政情報紙を、市から委託されたシルバー人材センターの担当者が、計111区の行政区に運搬。そこから区長たちが各戸に配達する方法だ。
「1戸当たり毎月8部前後にのぼる行政情報紙の仕分けと配達は、各区長さんや役員さんにとってかなりの負担だったと思います。特に近年、区長さんの高齢化や後継者不足で、現場からは配達業務の継続を危ぶむ声も出ていました」と話すのは、同市の齊藤さん。
また、行政区(町内会)に非加入の世帯には配達しない地域もあったため、市議会の席上などでは情報伝達の不公平性を指摘する意見が出ることもあったそう。そんな折、JPMDから案内されたのがJPMDタウンプラスだった。
最大の特徴である全戸配布が、嘉麻市にとってもメリットに。
JPMDタウンプラスは、郵便ネットワークを活用した自治体や企業向けの全戸配布サービス。「日本郵便」が把握する全ての郵便受けに配達できるので、配達カバー率が非常に優れている点が最大の特徴だ。行政情報紙の配布体制維持はもちろん、情報伝達の公平化も課題の一つに掲げていた同市だけに、その動きは速かった。JPMDより案内を受けた2カ月後、令和元年7月から具体的な打ち合わせをスタート。同年9月には各行政区での説明会を開始した。会場では、行政区に加入していない世帯にも行政情報紙を届けることで、いわゆる“町内会離れ”の加速を懸念する意見も出たそうだが、「行政区への加入・非加入に関わらず、市民に伝達しなければならない情報は多岐にわたります。だからこそ全戸へ配布する重要性が高いことを説明し、全行政区での総意を得ることができました」。
JPMD側も、説明会と同じタイミングで、同市エリアの配達を担当する郵便局と全戸配布に関する調整を開始。半年少々の準備期間を経て、全戸配布体制に移行した。
嘉麻市が発行し、JPMDタウンプラスを活用して全戸配布を行っている行政情報紙の一部。
紙とWEB媒体の棲み分けでハイブリッドな情報伝達へ。
JPMDのサービス導入から間もなく1年(令和3年1月取材時)。導入前までは、少なからず配達漏れがあったため、住民から「どこに行けば入手できるのか」といった声が窓口に入ることも。「全戸配布体制に移行してからは、そうした問い合わせがなくなりました。さらに、このコロナ禍で、区長が行政情報紙を住民に直接手渡しするケースがなくなったことを、双方の感染防止の観点から評価する声も出ています」。
また、全国の自治体において、各種の情報をWEBで伝達する動きが加速していることについて、「当市はホームページ以外に公式LINEページなども持っていますので、今後、紙媒体は不要という若い世帯が増えていくでしょう」と語る。「ただ、その一方で、ご高齢の方のみのご家庭も数多くあり、WEB媒体だけでは必要な情報を十分に周知しきれないのも事実です。今後は、配布に関する市民の声を集計・分析し、目的に応じて紙とWEB、両媒体の棲み分けを行っていきたいですね」。
アナログ(郵便)とデジタル(WEB)のハイブリッドな活用も模索しながら、嘉麻市の取り組みは続く。
嘉麻市 総務課 齊藤 達也(さいとう たつや)さん
JPMDタウンプラスの特徴とは。
信頼性・確実性・網羅性の高さが特徴の、自治体や企業向けのポスティングメディア。
情報伝達の公平性を保ちたい自治体にとって心強いサービスだ。
1.高い配達カバー率
一部の世帯・マンションを除き、全国における配達カバー率はほぼ100%。オートロックマンションやへき地など、他のサービスではカバーしきれない世帯へも配達可能。
2.安心のワンストップサービス
配達データ分析・企画・印刷・仕分け・郵便局との調整・発送・コールセンターまで、全ての業務を委託することが可能。
3.全国一律の配布料金
離島やへき地などへの配達であっても、全国一律の料金を適用。世帯数や形状、重量によって必要経費が明確に算出できるので、導入時に予算化しやすいのもポイントの一つ。
全戸配布の流れと活用のポイント
“情報”だけでなく様々な“物品”配布も可能
大型の広域マップや重量のある冊子型の情報誌、ゴミ袋の現物サンプルなど、1通当たり“500gまで”の配送が可能。
ワンストップで委託することで負荷が高い事務作業を軽減
全戸配布事業に関連する一連の業務を全て任せることができるので、職員の事務負担軽減を実現。
広報紙以外にも様々な配布実績
防災ハンドブック
・東京都・青森県
感染症予防周知
・広島県・飯塚市
ハザードマップ
・相模原市・明石市・加古川市
家庭ごみ収集業務有料化周知
・千葉市・相模原市・日光市・金沢市・大分市
その他、多数の配布実績あり
お問い合わせ
サービス提供元企業:株式会社JPメディアダイレクト
営業推進本部 公共ソリューション担当(ダイレクトメディアチーム)
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