ジチタイワークス

北海道天塩町

町公認インスタグラマーによる地域の食材、魅力発信

取組概要

インターネット上の画像共有SNSアプリ「インスタグラム」で地域の農畜水産物をPRするインスタグラマーを全国公募(全国から49名の応募)、東京都在住で5.5万人のフォロワーを有する専業主婦の「@nwoszk」さんを採用した。旬の食材を使い、料理やメニューに仕立てるまでの過程や思いを写真とともに投稿し拡散、地域のブランド化に寄与する役割を担う。これまで、地域から外部へ伝わる・発信する機会が少なかった地域食材、資源の魅力や価値をSNS投稿により、特に食材購入や旅行先の決定権を持つ主婦の目線で情報発信してもらう狙いに加え、育児中の主婦に時間と場所の制約を受けない仕事で活躍してもらうことで、新たな雇用創出や人材活用に寄与した。

取組期間

平成29年度~(継続中)

※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2020」の応募事例から作成しており、本記事の内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。

背景・目的

既存の農水産物流通チャンネルにおいてBtoB(業者間流通)によるもが主体である。しかし、かつてより特産品であった「シジミ貝」など、資源量キャパが減少及び有限であることから、資源の固有性、地域性をもとに付加価値化と情報資源化を図ることにより、消費者に「選ばれる食材(地域)」となることで、新たな購買層(顧客)と販路(CtoC)の創出をすることにより、地域の基幹産業である1次産業者(生産者)の所得向上、地域経済の持続化を目的とした。特にターゲットのセグメントとして、食材購入と旅行先に決定権を持つ主婦をターゲットとした。


このような取り組みを通じ、生産者がエンドユーザー(消費者)を意識し、住民も地域や食材の固有性や魅力を改めて認知し、自らも地域の良さ、魅力を情報発信する機運を高めることも副次的な目的とした。

取組の具体的内容

〔取り組みのスキーム/手順〕

1.旬の地域食材を選定~発送:町内在住で長年、地域食材を用いた郷土料理経験のある主婦や生産者の知見をもとに、プロジェクト担当及びインスタグラマーと料理内容について協議し発送。
2.発送した食材をもとにインスタグラマーが創作料理、地域の魅力を伝える投稿記事(写真+テキスト)投稿による発信。フォロワーへの地域及び地域食材のブランディング。

特徴(独自性・新規性・工夫した点)

〔特徴的な点〕
・全国の自治体として初の試み。⇒ その後、天塩町の本取り組みを参考に、同様の取り組みを「静岡県御山町」と「北海道東神楽町」2つの自治体が実施した。

・ターゲット(マーケティング対象)を主婦(20~30歳代)に絞った。(食材購入と旅行先の決定権)

・スキルや知見はあるが出産育児等で既存スキームの勤務体系で働けない主婦へ「時間」と「場所」に縛られない新たな仕事の機会を創出した。
・東京在住のインスタグラマーを現地(町)に招聘し、地元女子とのインスタ料理女子会を実施、SNSで魅力的で発信力のある伝え方ノウハウを習得し、自らが地域の魅力を伝えるモチベーションを喚起する機会をつくった。

・本取組と連動し、相乗的効果を付加する企画として実施した「町公認釣りアンバサダー」と連携し、地域と食の情報発信を行った。

・本取組をメディア報道で知った兵庫県の高校生が卒業論文研究の対象テーマ「インスタグラム等SNS活用による地方創生」としたいと連絡があり、支援した。

取組の効果・費用


〔費用対効果〕
本来的には、本取組によって、地域食材及び地場産商品・特産物の売上の多寡や観光入込数で相関的な効果測定で検証すべきであるが、実際のところ計測は困難となっている。
よって、インスタ投稿にかかる費用(投稿報酬)を通常の広告手法(SNSインフルエンサー広告)と比較したところ、広告料ベースで半額以下の費用で実施することができた。
また、自治体としては全国初の取り組みであったことからメディア(TV、新聞、WEB)で報道され広告効果を得ることができた。

取組を進めていく中での課題・問題点(苦労した点)

・本取組により、メディア媒体での露出等の機会があり、フォロワー数が増え、地域食材に対するプロモーション効果を高めることができる機運、購買の機会が創出されたが、その受け皿(機能)となるCtoC(生産者⇒消費者)個別生産者毎のECサイトによる新たなオンライン上での販売チャンネルが求められ、セミナー勉強会なども開催したが、あくまでも生産者の自主性に委ねられており、構築は困難であった。

今後の予定・構想

◇ 本取り組みを通じて、地域の食材や自然環境などの固有性や事象を住民にも関心を持ってもらうことで、地域への誇り(シビックプライド)を醸成するため教育分野の取り組みと連携することも望ましい。

◇    1次産業者(生産者)自らが、生産物(食材)ならではの視点で、消費者(エンドユーザー)に伝えることの意義について思考するきっかけづくり。

他団体へのアドバイス

◇前例の無い、新たな取り組みをする際、全てのステークホルダーにおいて理解や合意形成を得ることは困難である。

取組について記載したホームページ

主婦力を生かす新しい仕事:「主婦」×「インスタグラム」による地方創生
北海道天塩町が公認インスタグラマーを公募フォロワー数5.5万人の主婦に決定「地域食材を料理、写真を駆使してSNSで発信」
https://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2018/0312.html

♯天塩町公認インスタグラマー
https://www.instagram.com/explore/tags/%E5%A4%A9%E5%A1%A9%E7%94%BA%E5%85%AC%E8%AA%8D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%BC/

都内のママが1000キロ離れた北海道天塩町の公認インスタグラマーになったワケ(ハフィントンポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/2018/05/21/teshio-machi_a_23439651/
 
天塩國眠れる食資源活用プロジェクト「天塩町公認インスタグラマー」
http://www.teshiotown.hokkaido.jp/wp-content/uploads/2018/06/fe03fe574e24659a7954f014b787ab78.pdf

問い合わせ先

北海道 天塩町 総務課
01632-2-1001

【行革甲子園】全国の自治体の創意工夫あふれる取り組みを紹介! 記事一覧

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