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【セミナーレポート】 GIGA第2期の次世代校務DX ―クラウド化へ向けた道のり―【Day2】

クラウド化、ネットワーク統合、ゼロトラスト……次世代型の校務DXでは様々なキーワードが飛び交います。その方向性を読み解くため、2日間にわたって開催した本セミナー。官民から知見を持つ方々が登壇し、課題やアイデアを共有しました。

2日目の今回は、鹿児島市・奈良市の教育委員会職員が独自の取り組みを発表。さらに、セキュリティやネットワーク関連サービスを提供する事業者も、時流に即したソリューションの提案をしてくれました。当日の様子をダイジェストでお送りします。

概要

■タイトル:【教育委員会向け】GIGA第2期の次世代校務DX ―クラウド化へ向けた道のり―【Day2】
■実施日:2025年3月18日(火)
■参加対象:自治体職員
■開催形式:オンライン(Zoom)
■申込者数:92人
■プログラム:
 第1部:【鹿児島市登壇】GIGAスクール第2期における校務DX実現のための視座
 第2部:次世代校務DXを実現するゼロトラストの3ステップとは
 第3部:【奈良市登壇】ゼロトラスト奈良市モデルから始まる、学びと校務のDX
 第4部:GIGA第2期で必要となるネットワークの考え方

【鹿児島市登壇】GIGAスクール第2期における校務DX実現のための視座

セミナーDay2の第1部は、鹿児島市教育委員会のDX担当者が登壇。同市がこれまで進めてきた校務DXの取り組みを振り返りつつ、その挑戦の中で学んだことや、導入メリットなどを伝えてくれた。

【講師】木田 博 氏
鹿児島市教育委員会 教育DX担当部長

“3つのフェーズ”を押さえることから校務DXは動きはじめる。

鹿児島市教育委員会の木田です。教育DX推進のために新しく設置された教育DX担当部長を拝命しています。また、文科省や県の仕事なども担当しています。

教育DX担当部長は、学校のDXを進めることを目的とし、組織に横串を刺すために設けられたポストです。当市教育委員会だけでも13課あり、例えば各課で学校についての情報を持っていても、それが全体で共有されていない。そのため似たような調査を何度も学校に対して実施してしまうといったことが起こります。

あるいは、情報を持っていてもフォーマットが揃っていない。学校名だけでも「○○小学校」「市立○○小学校」「○○小」などと記載がまちまちで、データとして使おうとしてもクレンジングが必要になる。こうした不要な負担をなくすためにも情報の見直しを行い、それを各課に統べるのが私の役割です。

ここで、校務DXの方向性についてお話しします。

キーワードは「従来の慣行を根本的に見直す」です。文科省の資料で、校務DXには3つのフェーズがあるとされています。まずはデジタルの導入にはじまり、次にクラウド活用などによる業務フローの見直しをして、データ連携によって学習指導・学校経営を高度化するという流れです。事例を1つ示します。

保護者との教育相談や三者面談の日程調整は、教職員の負担になります。希望調査の紙を配って、それを回収し、集計した後、重複している場合は電話やメールで調整する。この一連の作業を、例えばGoogleフォームで行うだけで、負担は大きく減少します。しかし、日程調整などの作業は残ってしまう。

そこで、フロー自体を変えました。Googleカレンダーを使い、教職員はカレンダーアプリのURLを保護者に配布するのみ。あとは保護者が都合の良い日時を入力し、完結します。重複した予約はできないので、日程調整も不要に。さらに予約確定メールを自動送信することもでき、リマインダ―通知も送られるので、保護者が忘れて当日に来ない、といったことも減ると思います。

このように、デジタル化だけでなく、フロー全体を見直すことがDXには必要です。

県域アカウントと学習プラットフォームをフル活用。

ここからは、校務DXの推進に関する当市の取り組みについてお伝えします。

鹿児島県には43の市町村があり、全て同一のドメインによる“県域アカウント”を運用しています。最大のメリットは、児童生徒の転校があっても同じアカウントを使い続けることができ、公立ならば最大12年間、学習ログや学習成果物を持ち続けることができる点です。これは教職員も同様で、在職中は県内どこに異動してもアカウントを使い続けることができます。

また、このアカウントを使って“鹿児島市GIGAスクールフォーラム”というコミュニティも作っています。ここでは、教育委員会と学校との双方向で情報共有や意見交換ができ、同じ立場で書き込みが可能です。これにより組織を越えた連携が生まれ、非常に効率性が高まったと感じています。

次に職員研修について。GIGAスクール以降は、集合研修からオンライン研修へ、またはそれを組み合わせたハイブリッド研修に切り替えました。これならいつでもどこでも、市内の教職員であれば自由に参加できます。単に話を聞くだけでなく、ブレイクアウトルームでグループ協議をしたり、ハンズオンを取り入れたりもしています。

さらに録画もするので、教職員は何度でもオンデマンドで視聴可能。研修資料もアップされており、研修自体がより柔軟に受けられるようになっているのです。

次は、教育データの利活用について。

これは当市が採用している「学習eポータル」で閲覧できる、児童生徒のアプリの利用状況やアクセス日時などの情報です。ここから子どもたちの学びの特性を見ることができます。

例えば、児童Aは学習動画を多く見ており、視覚的に見ることが得意。児童Bはデジタルドリルを多用していて、問題をたくさん解く方が合っている。こうしたデータを使って、教職員が個別の指導支援を効果的に考えることに役立ちます。

また、1人1台端末を活用した「心の健康観察」というのも行っています。一昨年度からはアンケート機能を使って定期的に実施し、軽微なものも含めていじめなどの早期発見・早期対応につながっています。

最後に、校務DXを妨げているのは何なのか。ここで考えるべきことは「-3+10=7」の法則だと思います。

取り組みの初期はイニシャルコストや負担があるが、やがてそれもなくなりメリットは大きくなる。だからこそ現場には、「このように便利になる」ということをきちんと説明し、理解してもらった上でDXを進めるのが一番の早道です。「隗より始めよ」と言われますが、身近なことから始めて、実感し、腹落ちすることによって、校務DXを進めて行くのが大事だと考えています。

次世代校務DXを実現するゼロトラストの3ステップとは

次世代校務DXで欠かせないのが“ゼロトラスト”の考え方。この仕組みを構築するために、自治体はどう対応していけばいいのか。専門事業者がノウハウを共有しつつ、安全な校務システムの形を提案する。

【講師】宇佐美 和紀 氏
アルプス システム インテグレーション株式会社
マーケティング部 

国が示す次世代校務DXの方向性と、それに関する課題。

アルプス システム インテグレーション(ALSI)では、セキュリティソリューションの主力であるWebフィルタリングは、1996年から事業を展開しており、国内シェアナンバーワン※(出典:IDC Japan, 2023年「国内情報セキュリティ製品市場シェア、2022年:セキュリティプラットフォームの進展」(PJ49213223))と、多くのお客さまから評価いただいています。このセクションでは、次世代校務DXを実現するためのゼロトラストについてお伝えします。

まず、次世代校務DXの今後の方向性について。

令和5年3月、文科省から「GIGAスクール構想の下での校務DXについて」が発表されました。この報告書では、次世代の校務DXについて現状と課題を整理した上で、具体的なビジョンと講じるべき施策が示されています。方向性とされているのは以下の5点です。

多くの教育委員会では、校務支援システムを閉域網・オンプレミスで運用していると思います。このため、教職員は職員室以外から校務系システムへアクセスできなかったり、校務系と学習系で端末を使い分けなくてはならなかったりといった課題があり、コスト負荷も大きく、大規模災害などによるデータ消失のリスクも高くなっています。これらの課題を解決するため、ゼロトラストの考え方にもとづいたセキュリティ対策をした上で、校務系・学習系ネットワークの統合を進める必要があります。

こちらは文科省が提示する次世代の校務DXに必要な要素技術です。一切の情報アクセスを信頼しないゼロトラストの考え方に基づき、権限を持つ利用者からの適切なアクセスかを常に確認すること、すなわちアクセス制御で不正アクセスを防止する必要があります。そのためには、アクセスの真正性、通信の安全性、端末・サーバーの安全性の観点での対策が必要です。

この次世代校務DXに向けたロードマップは上記のようになっています。校務支援システムの導入や更改にあたって、準備期間は2年程度。従って、令和9年度にシステムの導入・更改を行う場合には、令和7年に動き出す必要がある、といえます。

GIGA第2期をスマートに実現するソリューション。

ここで、ゼロトラストを進めるための3ステップを紹介します。

ALSIゼロトラストソリューションによる、次世代校務DXの導入イメージが下図です。

枠部分が対応できる要素で、前述の要素技術における必須要素の大半をカバーできます。これを実現するにあたって、第1ステップはネットワーク構成や運用変更が伴わず、比較的導入しやすいエンドポイントセキュリティ対策から段階的に進めていくことをおすすめします。図のオレンジ枠です。

第2ステップは赤枠部で、通信経路の暗号化の対策。場所を問わず外部への通信経路のセキュリティを強化し、学校資産への安全なアクセスを実現します。

第3ステップは緑の枠で、校務システムなどのさまざまなアプリケーションをセキュアにアクセスできるようにするため、システム更改などのタイミングでシングルサインオン、多要素認証、不正侵入検知システムのIDS、不正侵入防止システムのIPSもあわせて導入検討を行います。ソリューションの全体像は下図のとおりです。

ここからは、1人1台端末の更新に関わる補助条件についてお伝えします。

文科省のガイドラインでは、児童・生徒の安全・安心なインターネット利用を補助するために、Webフィルタリングの導入が必須とされています。そこで児童・生徒側では、精度の高いフィルタリング制御や、持ち帰り学習時に利用時間を制御できる機能が必要とされており、教育委員会や学校教員側には、特定のYouTube動画やチャンネルのみを簡単に閲覧できるようにする設定、児童・生徒の利用状況の可視化などが求められます。当社が提供している「InterSafe GatewayConnection」には、それらの課題を解決する機能が揃っています。

まずはフィルタリングの“肝”として、高精度のURLデータベースを搭載。インターネット上のサイトを150カテゴリに分類して提供しているので、きめ細かなフィルタリングの運用が実現可能です。クラウド上の第2データベースも用いたダブルエンジンによる判定で、網羅率99%以上を実現しています。

スケジュール機能も備えており、授業時間と放課後以降でフィルタリングルールを変えての運用ができます。また、休日や保護者の目の届かない時間帯などは、特定の学習コンテンツにしかアクセスできないといった設定も可能です。

さらに、掲示板やSNSの閲覧を許可しつつ書き込みを規制でき、特定のキーワードの検索や書き込みがあった場合にアラートで教職員に通知できます。生徒をケアする仕組みの1つとして活用できます。

4/8に新しくリリースした教育機関向けのダッシュボードサービスでは、児童・生徒が利用したWebフィルタリングのログを使って、誰が・いつ・どんなサイトにアクセスしたのかダッシュボードで提示。1人1台端末のWeb利用状況を簡単に可視化し、多面的な視点で分析ができます。これらの機能で、学校現場で必要とされているWebフィルタリングとログ分析をストレスなく運用することができます。

■ 教育現場をトータルで支えるサポート体制
ALSIでは、Webフィルタリングをはじめとした教育現場向けセキュリティソリューションを多数提供しています。ゼロトラストの考え方をベースにした構成で、ネットワークや端末を問わず、安全で柔軟な校務DX環境を実現します。
無料トライアルも実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
 

【奈良市登壇】ゼロトラスト奈良市モデルから始まる、学びと校務のDX

奈良市では、GIGAスクール構想の第2期に向けた環境づくりを、いち早く完了している。第3部では同市の職員が登壇し、これまでの具体的な動きと、苦労したポイント、今後のビジョンなどを共有してくれた。

【講師】米田 力 氏
奈良市教育委員会事務局 教育DX推進課

奈良市のGIGA環境と、業務の具体的な変化について。

私からは、当市の校務DXについてお伝えします。まずはGIGA環境ですが、以下の通りとなっています。

この環境のもと、Googleのクラウドセキュリティを利用し、ネットワーク統合を完了しました。校務用端末として、児童生徒と同じChromeOSの端末を教員用に整備しているのも特徴です。これには授業のDXと、校務のDXとの相乗効果を目指す目的があります。

また、授業の中でGoogleサービスを使う先生は増えていたものの、習熟が難しい先生もいたため、校務で使ってもらいながら授業での活用も広めていく、というねらいもありました。

こうした環境を利用して現場を変えた事例を紹介します。

学校においては以下のように様々な時間が発生しますが、当市では基本的にこうした時間を削減しました。

他にも、会議の案件などをGoogleのドキュメントで共同編集しながら会議を進めているところが多く出てきています。リアルタイムで資料が編集され、会議終了とともに完成。議事録の作成も終わっている状況です。

さらに、Googleサイトを活用したポータルサイトでファイルなどを共有。学校独自のフォルダや、軽微な連絡も、各学校の実情に応じて柔軟に作成・編集可能。チャットも活用しており、全てのファイルがクラウドに入っているので、リンクを送信して共有・編集できます。

こうした部分には、業務のマインドチェンジが重要です。これまでの紙ベース・ファイルベースの業務から、クラウドベースに変えるには、先生方のマインドも変えていくことが大切。当市ではツールと概念を切り替え、より柔軟に業務を改善できるよう取り組みを進めています。

ソリューションをまとめることで、多くのメリットが得られる。

この“奈良市モデル”の強固なアクセス制御で実現する変革として、まずは全てをクラウドに上げ、Googleが持つ世界標準のセキュリティでデータを守るという点があります。そして、ネットワーク統合に加え、授業で使うツールと校務で使うツールの統合です。全てをGoogleソリューションにまとめ、シンプルな構成でありながらもセキュリティ強化とコストバランスの最適化を実現しています。

上図が当市のゼロトラストモデルです。ソリューションをまとめることで、セキュリティ以外の部分についてはローコストで進めることができました。

奈良市モデルにおけるセキュリティのポイントとしては、認証もツールもGoogle IDで統一しているということ、そして教員用端末にChromebookを採用したことでクラウドを前提とした設計ができ、余計なセキュリティソフトウェアを削減。端末もGoogle管理コンソールから一括管理でき、管理する担当者の負荷を軽減しています。

ここで、技術的な対策はしないのか、人的対策に任せて性善説で動かすのかという話をよくいただきますが、決してそうではありません。当市でもセキュリティポリシーと運用ルールを徹底して定めています。教育情報セキュリティポリシーは、文科省のガイドラインを参考にしながら令和5年に改訂しました。クラウドの設定も、セキュリティ事故を起こさないために“堅め”にしています。

現在は、運用開始から約2年経つので、教員の視点に立った運用ルールの改訂・作成を進めています。

クラウド活用をさらに推進し、県全体での校務改革を目指す。

このように、環境は構築されたので、校務と学びの変革を進めていきたいと考えています。キーワードは“クラウド活用×BPR”です。

まず、教員向けのICT活用支援ポータルサイトを開設しました。これにより、現在実施中の調査・照会を一元化し、各課にアクセスして必要な情報を得られるようにしています。同時に、動画や記事、当市における実践事例なども紹介しています。

こうしたクラウド活用と同時に、FAX、押印の廃止も推進しています。紙ベースではデータの二次利用ができないので、オンライン化。これにより、データ活用を見据え、経年での蓄積や比較が可能です。

BPRを通じて、データを取れるように仕掛けるということも重要です。当市の場合、学習系データと校務系データをまとめて保存できる、独自のデータベースを構築しています。これらのデータを掛け合わせ、可視化することで、学校や子どもたちの支援をしていきたいと考えています。

今後は、県全体でのゼロトラストモデル構築が目標です。上図で緑の自治体は、令和7年度中にゼロトラストモデルに移行していく予定、またGoogleの基盤を採用していくところです。

学校の働き方改革は、学校だけでも、市町村だけでも実現できません。県教育委員会、市町村教育委員会、各学校の三層レイヤーでの業務改善をしていかなければならない。次年度以降、こうした全体最適を生み出したいと考えています。目指すのは、文科省から市町村、学校までのデータの一気通貫です。今後の、奈良市・奈良県のチャレンジにご期待ください。

GIGA第2期で必要となるネットワークの考え方

セミナーの最後は、次世代校務DXにおける“ネットワーク”がテーマ。ネットワークを専門とする事業者が、これまでの流れを振り返りつつ、今後の校務DXに求められる環境の構築についてアドバイスする。

【講師】丹野 圭二 氏
株式会社インターネットイニシアティブ
公共システム事業部 自治体統括

GIGA第2期に向けて直面する課題と、国から示された要望とは。

私は、インターネットイニシアティブで公共システム事業部に所属し、文科省や総務省、その他各方面でのロビー活動をしています。公益財団法人学習情報研究センターの研究メンバーでもあります。今回は、まず教育委員会における大きな流れから簡単に説明したいと思います。

上図左が、GIGAスクール以前です。各学校にはPC教室の端末40台程しかなく、あとは先生のPCが共用で置いてある状況でした。通信は、学校からデータセンターに行き、データセンターで集約されてインターネットに接続される構成です。

それからGIGA第1期。ここで端末が児童生徒分に増えました。集約型のネットワークでは厳しいということで、学習系だけをローカルブレイクアウトしてインターネットに接続する。こうした状況かと思います。

そして、GIGAの第2期へ。全てクラウドの環境を使いましょう、ということになりました。そうすると、先生も児童生徒もインターネット環境に行かなければならない。しかも“高速に”です。従来のベストエフォート型のネットワークでは厳しくなります。

令和6年8月、デジタル庁、文科省、総務省から、我々通信事業者に対して、厳しいご要望をいただきました。まず、従来の10ギガなどよりも広帯域のベストエフォート型サービスを出してくださいというもので、さらに回線を共有する利用者が少ないものにしてくださいという話です。

それ以外にも、安いギャランティー型のサービスを、というリクエストがきています。当社はインターネット接続事業者として30年以上サービスを提供しており、ここに注力することにしました。

すでに、横浜市は517カ所、全校に1ギガの専用線が入っているのを始め、上図中段のような先行事例があります。また、安くなったギャランティーサービスを提供するだけでなく、団体の中だけでパケットをシェアするサービスも開始しました。例えば100ギガを、100校で共有できる。10ギガ使うところもあれば3ギガのところもあり、1秒間に100ギガ以内であれば好きなように使えるサービスです。いわば団体の中のベストエフォートサービス。こうしたものも今後はやっていくのではと思います。

現状分析のもとに提示する、次世代校務DXに向けたネットワーク。

ここで、最近のトラフィックについて説明します。コロナ禍は特殊な状況だったのでそれ以前のデータを参考に、トラフィックをそのまま伸ばしたらどうなるかシミュレーションしました。

有線系のブロードバンドサービスが、平均すると27.7%くらいの伸び率です。これを今300メガで満足されているお客さまに割り当てていくと、4年後には800メガ相当が必要になる。5年で1ギガを超えます。やはり今後を考えていくと、ベストエフォートではないネットワークを選択していく必要があるということです。

文科省の資料を見ても、生徒数180名以上については300メガ以上が必要だとされています。1400名になると約900メガです。これを常日頃維持していくのは難しいので、帯域保証、もしくは帯域確保のサービスになっていくと思われます。

当社は、ヨーロッパ、アジア、北米の3局を結ぶグローバルネットワークを持っており、国内でも北海道から沖縄までネットワークを張っています。主要なISPと直結しているのがポイントで、中にSaaSベンダーも入っています。下図のようなイメージです。

一般的な接続形態の場合は、学校からフレッツ網、プロバイダーからプロバイダー網、そして相互接続ポイント(IX)の先に様々なクラウドSASEやAWS、M365、Googleクラウドなどがあるのが一般的なケースです。これに対して当社ネットワークは、学校からIIJに直収し、IXを介してクラウドサービスに直結しています。つまり教育委員会が必要とするSaaSベンダーは、かなりの割合で1ホップ接続できる環境なのです。

ここからは、インターネット接続1G/10Gスタンダードの説明です。

当社インターネット接続サービスでは、前述の世界ネットワークと、TOKAIコミュニケーションズという第1種電気通信事業者のローカルネットワークをつないだサービスを構築し、廉価での提供を可能にしました。

特徴は1ギガ、10ギガの帯域を確保しますということ。それからIPv4、IPv6のグローバルアドレスを割り当てること。全ての運用を当社がワンストップで受けることです。

もし、トラフィックはあまり出ていないがつながらない端末がある、といった状況が見られるなら、これはグローバルアドレスの数の問題かもしれません。こうしたケースについても対応できるように作っています。主要スペックは下図の通りです。

その他、24時間365日の運用監視体制をしており、夜間などに障害を検知した場合も、当社の中で切り分けできる部分についてはこちらで対応するなどフォロー体制も万全です。詳しい内容についてはお問い合わせください。

お問い合わせ

ジチタイワークス セミナー運営事務局
TEL:092-716-1480
E-mail:seminar@jichitai.works

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