ジチタイワークス

北海道江別市

働き方改革の取り組みから生まれた、地元企業との新商品開発

江別市では、年に1回の職員提案を実施しており、平成30年度の提案で「立ち会議」実施の案が出た。これは働き方改革の観点で、会議時間の短縮を目的としたものだったが、さらに地元企業と連携した取り組みにできないかというアイデアが出された。立ち会議に使うテーブルを企業から無償貸与してもらい、その対価として企業へ立ち会議の効果やテーブルの使用感などをフィードバック。事業に役立ててもらうことで「働き方改革×経費節減×地場産業育成」を実現しようという発想だ。

※下記はジチタイワークスVol.9(2020年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
 [提供] 北海道江別市

検討の結果、教育施設の机などを取り扱う地元企業との協力が決まり、令和元年5月から昇降型テーブルを導入、立ち会議を開始した。約3カ月の運用後に実施した職員へのアンケートでは、約7割が「会議時間が短縮された」、約5割が「コミュニケーションが活発になった」と回答。会議が長引かないよう要点を整理して話す効果が明らかになった。同時に、天板の高さや付帯設備に対する要望など、改善に向けたヒントも得られた。このデータを企業にフィードバックしたところ、企業側から「職員の声を反映した新商品を作りたい」と打診があり、自治体に特化したものを開発しようという動きになった。

江別市は胆振東部地震の経験から、災害発生時に地図を広げやすいサイズで、かつ地図が丸まらないようマグネットで固定できるものがいい、といった自治体ならではの意見も提案。令和2年3月には試作品が完成し、調整を経て5月には販売開始の予定だ。市担当者は「自治体と地元企業が連携することで、様々なアイデアが出た。この取り組みを通じて、地元企業とともにオフィス環境も含めて働き方を考えていくきっかけにしたい」と話している。

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