
全国の市区町村の創意工夫あふれる取り組みを表彰する、愛媛県主催の「行革甲子園」。7回目の開催となった令和6年の「行革甲子園2024」には、35都道府県の78市区町村から97事例もの応募があったという。今回はその中から、群馬県前橋市の「実践コミュニティ活動〜生産性向上の妙手〜」を紹介する。
※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2024」の応募事例から作成しており、内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。
取り組み概要
群馬県前橋市は、近隣の市と行革甲子園2022で優秀賞を戴いた印刷BPO(Business Process Outsourcing:業務プロセスを一括して専門事業者に委託)事業の他に自治体クラウド事業も同時に実施しています。2つの事業実施に至るまでの間には、様々な仕組みや仕掛けを施して組織の生産性向上に努めました。また、この組織の生産性向上で得られた経営資源と知識や経験は、前橋市のDX推進活動にも活かされています。今回はこれらの取り組みについて、同じ目標を持つ他の組織の仲間と実際に行動することで新たな価値が生まれる、実践コミュニティ活動という視点で、2011年から現在までをふりかえり組織の生産性向上の一例を紹介します。
実践コミュニティ活動は一般的に、特定の課題について関心を持つ人々が集まり、互いに協力して実践を通して知識や経験を深め、課題解決に向けて取り組む活動を指します。前橋市、高崎市、伊勢崎市で行っている3市の実践コミュニティ活動では、活動領域として、専門性の高い領域で新しいアイデアを創出して住民に貢献する新規事業を実施することとし、組織の枠を超えて現場の業務担当者が“オープン”な姿勢で集まり、長期と短期の双方の活動目標を定め定期的に合同で実践し、所属する組織へ持ち帰り展開や報告することなどが特徴です。
背景・目的
自治体の情報部門は、ますます予想が難しくなる社会環境の変化を先回りするための組織の基礎体力として、日々進化し発達するICT技術の恩恵を業務に取り込むという、未来に向けた投資事業に集中する必要があります。しかし、実際はルーティン業務の遂行だけでも職員や予算等の経営資源を圧迫していました。そこで、未来に向けた投資事業を本来業務として実施するために必要となる経営資源を生み出すため、3市の情報部門主管課職員による勉強会を開始しました。
そこでは、所属する組織を離れ新たな組織のメンバーとして、実践を積み重ねお互いの体験を共有する過程で、職員の視野が広がり視座が高まることを期待して、所属する組織の力だけでは到達できそうにない北極星指標を掲げて生産性の向上を目指しました。
取り組みの具体的内容
前橋市、高崎市、伊勢崎市の情報部門主管課職員による実践コミュニティ活動は、3つの組織段階に分けられます。その組織段階ごとに大きな成果が得られた実施事業について概略を紹介します。
①2011年6月~2013年3月【三市情報交換会】
伊勢崎市情報政策課の呼びかけで、2011年6月から前橋市と高崎市の3市の情報政策課の担当者が集まり、それぞれの現状や課題及び解決に向けた考え方などを月例でディスカッションし、検討結果に基づき各市で実践する三市情報交換会を課長級のコミットメントのもとで開催しました。主な成果として、住民基本台帳法の一部を改正する法律(2009年7月15日公布)に基づく住民記録システム及び住民情報の連携を必要とする全てのシステムの改修を、2012年7月9日施行に向けて3市共通のシステム改修とし、住民票の写しも共通様式とすることができました。
この取り組みで、各市が個別にシステムベンダーと協議して法改正対応を実施するよりも、3市の情報部門と住民基本台帳所管課が一体となってシステムベンダーと協議し事業実施することで、実際に効率化できることが確認されました。これは、会議体が3分の1になり全体で省力化につながることと、3市がそれぞれの枠を超えて知恵を出し合うことで成果が洗練されるといった観点からも説明できます。一方で、情報部門と事業部門とシステムベンダーの3者間のコミュニケーションと、ドキュメント管理の手法に課題があることも確認できました。なお、ここまでの実践コミュニティ活動に必要な参加職員の時間は、実際にディスカッションで得られた日々のルーティン業務を効率化するタネを持ち帰り、各市で実際に育てて効率化することにより生み出されました。
②2013年4月~2015年3月【三市合同情報政策研究会】
三市情報交換会の活動で、法改正対応に対する有効性が各市の内部で認められた結果、2013年4月からは三市合同情報政策研究会として、3市で共同して事業を行うことを目標に部長級のコミットメントのもとで開催しました。初めの取り組みとして、住基法改正対応で明らかとなった課題の改善に着手しました。この検討の結果、自治体の先行事例は見つかりませんでしたが、電話やメールによるシステム運用管理に係るコミュニケーションを廃止し、ITS(Issue Tracking System:課題追跡システム、3市は課題管理用途としてオープンソースプログラムのRedmineを採用)に業務システムの運用管理コミュニケーションを一本化することで課題を解決しました。(前橋市は41業務が対象)
また、2014年度には基幹情報システムを稼働させているハードウェアが更新時期を迎えるため、各市のハードウェア環境を統合し3市で2015年1月から共同利用する事業も実施しました。この取り組みにより、高性能化が加速するハードウェアを効率的に利用できること、3市共通の契約期間及び仕様とし、サービスレベル合意書に3市合同のITSによるシステム運用管理を盛り込んだ契約とすることで、さらなる効率化ができることが確認されました。これは、ハードウェア導入及び環境構築に際してスケールメリットを享受できること、システム運用管理に係る会議体が3分の1になり全体で省力化につながることと、3市の現場の業務担当者がそれぞれの枠を超えてシステム運用管理に携わることでノウハウが共有され、次世代に引き継がれ洗練されていくといった観点からも説明できます。
さらには、行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(2013年5月31日公布)に基づく団体内統合宛名システムの導入を初めとした個人番号利用事務に関するシステム改修及び情報連携の実施を、2016年1月1日のマイナンバー利用開始に向けて3市共通のシステム改修とし、新規作成プログラムは共通とすることに3市で合意し着手しました。この取り組みでは、システムベンダーと覚書を取り交わし3市とマイナンバー制度対応に関する勉強会の開催と、パッケージシステム改修の共通化を進めることで、自治体とシステムベンダーの双方で効率化できることが確認されました。これは、自治体とシステムベンダーという枠を超えて知恵を出し合うことで成果が洗練され、システム企画から構築して運用に至るまでの各局面の全てで、手戻りが減少するといった観点からも説明できます。なお、ここまでの実践コミュニティ活動は情報部門や多くの事業部門の職員が参加していますが、その時間は主にITSによるシステム運用管理に係るコミュニケーションの効率化により生み出されました。
③2015年4月~【情報システム共同利用推進協議会】
三市合同情報政策研究会の活動で、システム環境の共同利用及び合同でシステム運用を行う事業の有効性、さらには基幹情報システム全体の共通化及び合同運用の実現可能性が各市の内部で認められました。その結果、2015年4月からは情報システム共同利用推進協議会として、3市で自治体クラウド事業を行うことを目標に、3市の部長で構成する会議体で意思決定を行う任意協議会が開催され、2018年4月には3市の市長のコミットメントとして「情報システム共同利用事業実施に関する覚書」の締結に至りました。
まず、2019年度には3市で共同利用しているシステム環境の契約が満了となるため、3市の自治体クラウド環境及び基幹情報システムの導入準備をゼロからコンサルティングなしで開始しました。当時契約中のシステム環境の共同利用契約に、事務引継として中間標準レイアウト仕様でのデータ出力が含まれることや、ベンダーロックインを防ぐため文字やデータのポータビリティを確保した調達仕様とし、特定のシステムベンダーの機能を偏重しないよう機能要件のすり合わせに重点を置いた4回の情報提供依頼を実施するなど、システムベンダー間で競争が行われるように工夫を盛り込みました。また、2020年1月から2029年12月までの10年間の長期契約とし、35業務のワーキンググループが同時期に一括して調達し、スケールメリットも得られるようにしました。
結果として、ベンダー間競争を演出することができ3市全体で42.39%という高い経費削減率となりました。この取り組みにより、ますます高性能化と高集積化が加速するハードウェアを効率的に利用できること、契約期間や機能要件及び非機能要件など3市共通の仕様とし、3市合同のITSによるシステム運用管理を明記したサービスレベル合意書も含めた契約により、さらなる効率化ができることが確認されました。これは、基幹情報システムの全てのライフサイクルにおける経費総額に対してスケールメリットを享受できること、すべての会議体が3分の1になり全体で省力化につながることと、3市の現場の業務担当者がそれぞれの枠を超えてシステム導入企画から運用管理まで合同で行うことによりノウハウが共有され、次世代に引き継がれ洗練されていくといった観点からも説明できます。詳しくは、別添資料「平成30年度自治体クラウド導入団体支援事業 事業実施報告書 2019年3月 情報システム共同利用推進協議会(群馬県前橋市・高崎市・伊勢崎市)」を参照ください。
また、同時に事業実施した印刷BPO事業の取り組みについては、行革甲子園2022で紹介したとおりです。なお、ここまでの実践コミュニティ活動に必要となる従事職員の時間は、主にシステム環境の共同利用及び合同でシステム運用を行う事業により生み出されました。
特徴
実践コミュニティ活動に関して体系化された先行事例は存在しなかったことや、実践する取り組みが各市の事業に与える影響について実践コミュニティで対応できるよう、実践コミュニティそのものの組織能力を開発する必要があることなどから、3つの実証段階に分けて実践コミュニティの組織を変化させてきました。
①2011年6月~2013年3月【概念実証】
前橋市、高崎市、伊勢崎市はいずれも基幹情報システムのオープン化及び稼働環境と運用のアウトソーシング化を終えた状況にあり、今後の情報部門のあるべき姿を検討することを目的に、情報政策課の担当者が月例で情報交換を行うことで、まず担当者自らの足元の業務改善から始めることとしました。また、北極星指標は、事業者に業務委託し情報部門職員の負荷を軽減したうえで、“ICTガバナンス執行に必要な職員能力を育成し続け、その能力を発揮して住民に貢献する新規事業を実施すること”でした。この期間は、実践コミュニティ活動の概念実証期間とし、参加する職員が短期間で実践し成果を得ることを重視し、スモールスタートで定期的な活動サイクルとしてリズムを作る、また相互理解という土台を作ることに集中しました。その活動の仕組みを住民基本台帳所管課に展開し、情報部門と事業部門の両輪でシステム改修や運用に携わるモデルの概念実証もしました。
②2013年4月~2015年3月【価値実証】
これまでの活動により課題として明確な、情報部門と事業部門とシステムベンダーの3者間のコミュニケーション及びドキュメント管理の効率化を初めとして、2014年度のハードウェア更新と、住基法改正を遥かに超える規模のシステム改修が見込まれるマイナンバー制度の導入について合同で当たること目的に、3市の情報政策課の事業を合同で行う仕組みを研究し実践する準備を行うこととしました。北極星指標の前段の、事業者に業務委託し情報部門職員の負荷を軽減する取り組みへの挑戦です。この期間は、実践コミュニティ活動の価値実証期間とし、それぞれの市の枠を超えて参加する職員が合同でコミュニティ活動を実践し成果を得ることを重視し、3市の現場の業務担当者の合意に基づきドキュメント化を積み重ね各市に持ち帰り内部承認を得る、また信頼関係という土台を作ることに集中しました。その活動の仕組みを基幹情報システムの業務所管課全てに展開し、情報部門と事業部門の全庁横断的な体制でシステム改修や運用に携わるモデルの価値実証もしました。
③2015年4月~【事業実証】
これまでの活動でそれぞれの市の枠を超えた越境事業の実施は可能であり、さらなる効率化が見込めることから、持続可能な実践コミュニティ活動により基幹情報システムの全てのライフサイクル事業に合同で当たること目的に、調達事務を3市合同で行い3市の部長で構成する意思決定機関の合意を経て、結果を各市に持ち帰り最終承認を得て事業を推進することとしました。北極星指標の後段の、“ICTガバナンス執行に必要な職員能力を育成し続け、その能力を発揮して住民に貢献する新規事業を実施すること”への挑戦です。この期間は、実践コミュニティ活動の事業実証期間とし、実施する事業の価値が向上することを重視し、外部の専門家や先行事例など同じ活動を行っている自治体と交流し、外部の情報を積極的に取り入れ様々な面から成果を最大化することに集中しました。
このように、3つの実証段階を経て実践コミュニティの能力開発が進みましたが、共通して共有し続けた想いは以下の3つです。
・長期的視点で全体を見渡し、実現可能性がある最も高い北極星指標を掲げる。
・全体最適化を常に意識し続け、到達点からさらに広範囲を見渡し、必要とされる提供サービスの価値向上を忘れない。
・ルーティン業務を外部委託しても、事業の舵取りは全て3市の情報政策課の担当者で構成する事務局が担い、丸投げにつながらないアウトソーシング化を進める。
取り組みの効果・費用
組織の生産性は、分子に組織が社会に提供する価値(モノやサービスなどの提供)を置き、分母を価値の提供に必要となる組織の経営資源として計算することができます。
生産性向上の取り組みで分かり易いのは、無駄を省いて価値の提供に必要となる経営資源を減らす効率化です。下記の①実践コミュニティ活動のための費用や、②各事業実施で得られた前橋市における直接的な効果などがこの取り組みの成果になります。また、既存の経営資源の量は変えずに、新たな意味や価値を与えるなど経営資源の質の向上を図る取り組みにより、効率化と提供価値の増大の両方に寄与した③実践コミュニティ活動そのものの効果があります。
一方、提供価値を増大する取り組みは新しいサービスの開始やサービス価値の向上に該当し、システム環境共同利用及び合同システム運用の実施の過程で、2016年1月以降に順次開始したマイナンバーカードを利用した証明書のコンビニ交付や、印刷BPO事業で取り組んだ「伝わるデザイン」の採用による“住民が問い合わせをしなくてすむ”通知書があります。
①実践コミュニティ活動のための費用
勤務時間内での活動とし、費用は各市でそれぞれ支出している職員人件費のみです。
②各事業実施で得られた前橋市における直接的な効果
・住基法改正のシステム改修は、中核市規模における委託料平均の30%程度で実施
・ITSによるシステム運用管理コミュニケーションの実施で、運用委託料を月額105万円削減
・システム環境共同利用及び合同システム運用の実施で、移行経費は500万円削減、運用委託料は21.3%削減
・マイナンバー制度のシステム導入及び改修は、中核市規模における委託料平均の50%程度で実施
・自治体クラウドの実施で、21.3%削減できた運用委託料10年分を含む旧システムの導入から事務引継までに要した経費総額と、自治体クラウド10年分の導入から事務引継までの経費総額を比較すると、3市全体で42.39%削減
・印刷BPOの実施で、5年間の経費総額を比較すると38.63%削減(この他に、用紙と封筒の作成、在庫の保管や残数管理、余剰分の産業廃棄物処理、差出不要分の引き抜きとそのシュレッダー処理、郵便局への発送などの事業部門の職員作業を廃止)
・基幹情報システムの運用管理に携わる職員により、住基法改正やITSによるコミュニケーションの導入を実施しました。次に、システム環境の共同利用及び合同システム運用の実施と、マイナンバー制度の導入に係る制度、運用体制、システム等の整備に関する全ての業務の、2つを並行して増員なく実施できました。
・自治体クラウド事業と印刷BPO事業を並行させて、調達し構築する2017年度と2018年度は1名、稼働する2019年度は2名の増員で実施しました。(前システムが稼働した2009年度は3名増)
・いずれの事業でも、システム更新や導入に関する業務所管課担当者の増員はありません。
③実践コミュニティ活動そのものの効果
参加する職員にとっての利益は、短期的にはディスカッションの中で得られる課題解決に向けた支援や、専門知識の共有、より数多く得られる気づきにより、仕事のあり方を改善することができました。これは、三市情報交換会における参加職員の担当業務の改善であり、実践コミュニティ活動を継続していく原動力となりました。
一方、長期的には技術や専門知識を拡張する場となり、最新情報を共有するネットワーク効果により、専門的能力の開発を促すことができています。このことは、情報システム共同利用推進協議会の2つの事業が、コンサルタントやシステムベンダーの支援を必要とせず、事務局職員の主導により完遂できたことで分かります。
参加する自治体にもたらされた利益は、短期的には課題解決の場として時間短縮につながるだけでなく、多様な考え方との相乗効果により事業成果を最大化することができました。これは、3つの組織段階の実践コミュニティ活動のいずれにおいても、3市それぞれの組織文化の違いから事業に対する価値の捉え方が少しずつ異なるため、事業企画の局面では摩擦が起こるものの実践コミュニティ内のディスカッションで択一でなく綜合する活動を経るため、却ってこれが事業価値を磨き成果の最大化につながっていることに改めて気づかされました。
一方、長期的には戦略計画や実行能力を組織に獲得でき、事業実施による人材育成を通して組織能力開発の要点も研究することができました。このことは、3つの実証段階を経て実践コミュニティ活動を変化させてきた過程で、人材育成とその実践を行う場を形成する組織構造について暗黙知を蓄積し、未来に向けた投資事業を本来業務として実施するために必要となる経営資源を生み出す組織の生産性向上を追求した結果、学習する組織活動が成果をもたらすと気づきました。
実践コミュニティ活動によってもたらされた利益の一部ですが、前橋市ではDX推進活動に、必要に応じてOODAループ(Observe Orient Decide Act:観察、状況判断、意思決定、行動を迅速に循環)のフレームワークや、KPT(Keep:継続、Problem:課題、Try:挑戦の観点でふりかえる)による“ふりかえり”を取り入れています。
取り組みを進めていく中での課題・問題点
それぞれの市の枠を超えた越境事業の実施に至るまでには様々な課題が顕在化したため、共に考え行動する仲間がいなければ、そこで立ち止まって終わってもおかしくない状況でした。これを皆で解決し乗り越えて行った過程に沿って、実践コミュニティ活動で培った考え方、仕組みや仕掛けを紹介します。
自ら動かなくても良い、これでは何も始まらないので①思考停止からの脱却があり、新たな活動に取り組めるよう日頃の負荷となっている内線電話の発生頻度を下げるなどの②ビジネスコミュニケーションの生産性向上と、人材育成と組織能力開発の双方を行き来して進めた実践コミュニティ活動の生産性向上の取り組み③事業実施とともに変化する組織があります。さらに、実践コミュニティ活動の成果は④前橋市DX推進活動への展開事例のように今でも変化しています。
①思考停止からの脱却
汎用機による自庁処理から、オープンパッケージシステムベースのアウトソーシングに、基幹情報システムを2009年当時最善の常識で全体最適化し、調達前の職員数に戻った体制で運用に入りました。前橋市では経費総額で年間約30%の削減効果はあったものの、情報部門のシステム運用管理に係る負荷は以前と変わらないか、むしろ情報部門が直接システム内の格納データやソースプログラムにアクセスができない事へのもどかしさすら感じていました。
今振り返ると、システムそのものの全体最適化は完了しましたが、運用に関わる情報部門と事業部門とシステムベンダーの3者の関係性は自庁処理の頃のままで、皆それが“あたりまえ”と思考停止した状態でした。関係者のそれぞれが課題と認識していないため、自分の負荷を下げるために“自分にとって最短”の解決策を実行し、多忙感からくる他者への関心の低下により負荷の原因を他者に求めて管理策を強化する、強化された管理策により3者全体での運用負荷が恒常的に高まる、恒常的な運用負荷により他者との溝がさらに深まる、こういった負のスパイラルが始まりかけていました。これは、今までのあたりまえの業務プロセスを最適化していく活動の延長線上にあるため違和感がなく、そこに割かれる経営資源も当然必要となり、他の視点から見直すという余裕どころか発想すらない状態でした。
そこに、伊勢崎市から「基幹情報システムのアウトソーシング化後における情報部門のあるべき姿を検討するための情報交換をしませんか」と前橋市と高崎市に呼びかけがあり、月に4時間程度のやりくりは必要でしたが、月例でシステム運用管理担当者の現状を情報交換するという取り組みが始まり、自らの足元を直視し考え直す重要な機会となりました。
それぞれの市の中で同じ役割を果たす現場の業務担当者が、現状について情報共有するだけのことでしたが、実際に行ってみると他の組織の事例と自分の組織の事例を照らし合わせこれまでを“ふりかえる”きっかけとになり、新しい気づきが得られるだけでなく外部の視点から自分の組織を見直す習慣が自然と身についてきます。これにより、思考停止に自然と陥る今までの“あたりまえ”から始まる負のスパイラルに気づき、これを避けることで、他者への関心を取り戻すことができるようになる体験を、実践コミュニティ活動を継続していく中でお互いに共有し続けました。
やがて、3市の業務担当者の間に共通の課題が浮かびあがってくると、自然とそれを解決に導いていく活動が生まれ、お互いの市の取り組みを再評価しそれらを組み合わせて改善するだけでなく、システム運用管理に係る事業部門とシステムベンダーを含めた事業全体を見渡せるようになり、組織の中の活動だけでは得られない視座を手に入れることができました。また、そこから見える事業全体の最適化のためには、相互理解から得られる信頼関係こそ最も広げていかなければならない土台であり、相手の立場を理解し役割を尊重し関係者間全体での最適化を考える実践コミュニティ活動が必要と気づきました。このように、実践コミュニティ活動自体も、情報部門単独から事業部門、さらにはシステムベンダーも含めて、お互いの組織の枠を超える越境活動に発展させていくことが必要かつ可能であり、成果も最大化できることが実証できました。
このように、最適化だけを繰り返すことで始まる思考停止からの脱却は、まず自分から始める足元を“ふりかえり”、リモート活動だけでは難しい“他者に関心を持ち、外からの視点で事業全体の構造を見渡し”相互理解のために、同じ場所で“一緒に活動して体感して、時にはぶつかり合いながら、お互いを尊重しあい研鑽を積み重ねて”信頼関係を築いていく過程で、共通の想いを“共有共感”して、“共に越境活動”することで可能となりました。
②ビジネスコミュニケーションの生産性向上
ビジネスコミュニケーションの生産性は、分子にコミュニケーションで得られる価値を置き、分母をコミュニケーションに必要な労力として考えることができます。効率化は、伝えるべき相手に、少ない手間で短時間に正しく情報が伝わり、期待する行動を引き出すことと捉えられ、下記の1.ITSの導入や2.会議体運営の効率化などが該当します。提供価値の増大は、コミュニケーションを活性化して情報量を多くし、蓄積情報を再利用して新たなサービス提供をすることと言え、業務担当者が人事ローテーション時にITSに蓄積された情報を再利用して事務を引き継ぐなどです。
②-1.ITSの導入
情報部門と事業部門とシステムベンダーの3者間のコミュニケーションを、電話やメールからITSに一本化しました。特徴は、コミュニケーションロスに起因する手戻りを防止するため、ワークフローにITIL(Information Technology Infrastructure Library:ITサービスマネジメントにおける成功事例をまとめた書籍群)のフレームワークを取り入れたことです。詳しくは、別添資料「自治体からの寄稿 ITS(Issue Tracking System:課題追跡システム)を導入してみる夢~紺屋の白袴を返上する! 三市合同情報政策研究会(前橋市、高崎市、伊勢崎市) 月刊LASDEC平成26年2月号」を参照ください。なおこの取り組み成果は、2017年4月開始の37自治体が参加する群馬自治体情報セキュリティクラウド(2022年4月からは38自治体)の運用管理にも活かされています。
②-2.会議体運営の効率化
ハードウェア環境の共同利用と3市合同のITSによるシステム運用管理事業を経て、自治体クラウド事業の実施に至りましたが、日常のシステム運用管理と並行して35業務のワーキンググループ活動により自治体クラウドの調達事務を行う必要があります。また、10年後の次期自治体クラウド調達に向けて調達事務の多くの知識や経験を内部留保するためと、ベンダー間競争を演出するためにコンサルタントやシステムベンダーの支援は得ないこととしていました。これらを両立させるために、3市の情報政策課の担当者で構成する事務局は、3市の業務所管課の担当者で構成する業務ワーキンググループの35会議体全てにおいて、実践コミュニティ活動が根付いて自走できるよう様々な準備をしました。
まず、この会議体に参加する職員数ですが最も多い時はシステムベンダー職員も含めて、36会議体✕5者(事務局、前橋市、高崎市、伊勢崎市、システムベンダー)✕平均3人=540人ほどになります。これら全体をマネジメントして、必要な成果が同時期に出せるよう、従来から実施しているITSによる会議体運営の効率化はもちろんのこと、対面の会議においても最大限の成果を引き出すために、下記の6例のようにファシリテーション等のノウハウをフレームワーク化し、プロジェクトマネジメントを行いました。なお、この時の35業務のワーキンググループの活動のみならず、作成したフレームワーク等についても、システムベンダーを決定し運用開始に至るまでの間も活用し、現在も運用中です。
②-2-a.グラウンドルール
多様な価値観を持つ様々なメンバーで構成される実践コミュニティが、心をひとつにして活動し、成果を出せるように全員で守るべきルールを、対面の会議会場に掲示しました。パタン・ランゲージを意識し、短い文章にイラストを入れただけですが、今何をするためにここに居るのかが、全員で共有できました。
②-2-b.ITSコミュニケーションルール
ITSによる会議体運営を関係者全員で理解し行動につなげるために、対面会議の初めや要となる時期に紙芝居的に事務局からお知らせして、ITSコミュニケーションの浸透を図りました。
②-2-c.ビジュアルファシリテーション
システム調達や導入に至るまでの打ち合わせには、業務所管課の担当者には馴染みのない用語や、必ず守ってもらいたい期日が出てきます。用語やスケジュールの前後関係を正しく理解することで、コミュニケーションの土台ができ議論は活性化します。そこで、図解して理解を促したり、視覚に訴えてマイルストーンを忘れられぬよう印象付けたりして、情報共有、理解促進、行動促進につなげました。
②-2-d.付せんで業務フロー整理
現場の業務担当者が自分で手を動かして、業務フローを他のメンバーに見せながら、皆で業務の最善の流れを考え、調達仕様の機能要件の補足資料とすることができました。その後、BPMN(Business Process Model and Notation:ビジネスプロセス・モデルと表記法)の考え方を少しずつ取り入れながら、前橋市では業務担当者自ら進めるBPR(Business Process Re-engineering:ビジネスプロセス・リエンジニアリング、業務改革)に活用しています。
②-2-e.対面でのディスカッションルール
対面の会議当日に至るまでの準備と、当日の会議の大まかな流れについてフレームワーク化して、ファシリテーションの差からくる会議成果のばらつきを防ぐことができました。また、付せんと模造紙による議事録作成をルール化しました。その場でディスカッションを進めながら議事録も同時に作成していき、最後に参加者全員で確認をして同意を得て議事録の写真を撮影してから解散する、という流れを徹底したことで、議事録確認の時間短縮ができ議事録に対する後出し異議も防ぐことができました。さらに写真の議事録は、ファシリテーターが2営業日以内にITSに掲載して、委託業務の成果物と庁内への報告書としました。
②-2-f.付せんアプリでデータとして再利用
「付せんで業務フロー整理」と、「対面でのディスカッションルール」の2つの仕掛けで得られた付せんは、スマホの付せんアプリで撮影するとパワーポイントファイルが作成できます。また、付せん1枚1枚の場所を動かしたり、付せんの追加や削除したりでき、業務フローの再作成に便利です。
③事業実施とともに変化する組織
情報政策課の担当者で構成する事務局による実践コミュニティ活動に加えて、業務所管課の担当者で構成する業務ワーキンググループによる実践コミュニティ活動も開始した過程では、既存の各市のピラミッド型と縦割りの組織から一旦離れ、同じ業務を行う担当者で構成される“フラット”な組織体制で課題に取り組むことを実践しました。先例に乏しく正解が定まらない事業の実施には、事業部門もICTに関する取り組みに受け身でなく、多様な意見を出し合い自律して活動成果を出す体質に変化する必要があると考え、事務局で少しずつ議論を前に進めながらも業務ワーキンググループメンバーの個々の自主性や多様性を引き出すことを優先しました。
事務局は、その後マイナンバー制度対応に関する勉強会を開催し、パッケージシステム改修の共通化を企画した局面では、事務局主体で様々な関係者に情報収集を行い、どのような段取りを行えばマイナンバー制度の導入に係る制度、運用体制、システム等の整備を期日どおりに実施できるか、多方面から検討を進めました。その過程においては様々な方向修正が必要でしたが、無事業務を遂行でき未踏の業務でも“探索適応を繰り返しながら”実施できる組織として鍛えられました。
自治体クラウド事業の企画初期では、マイナンバー制度対応で育成された人材と組織能力を原資に事務局活動をしていましたが、その後の企画した事業を実行し運用に至るには事務局の人数が不足すると思われました。しかしマイナンバー制度対応を振り返ると、ビジネスコミュニケーションの効率化と情報が伝わり行動につながる工夫の双方を実施することで増員せずに乗り切れています。このことから、ITSによる会議体運営を主体とし、対面の会議ではファシリテーションをルーティン化しつつ、共通の体験から得られる関係者間の相互理解と信頼関係の維持に特に配慮することで、会議体運営の自走化が図れると考えました。そこで事務局は、これまでの実践コミュニティ活動から得られたファシリテーション等のノウハウをフレームワーク化することに専念し、実際のファシリテーター役は別のチームに任せました。このような取り組みを積み重ねて、前橋市においても前回のシステム調達時より少ない職員数で、500人以上が関わる大規模なプロジェクトのマネジメントを成功させました。
実践コミュニティ活動の変化をまとめると、現場の業務担当者が自分の業務変化について自ら主体的に考え、他の組織で同じ業務を行う職員と共に目標に向かって実践活動を積み重ね、相互理解と信頼関係を構築することが最初のサイクルとなります。そのうえで、様々な制約事項や異なる視点や意見とぶつかり合うことで試行錯誤を繰り返しながら、皆で最善を模索し選択し“ふりかえる”活動を続けることで、これまでの組織の中では得られない暗黙知が蓄えられるサイクルとなります。次に、蓄えられた暗黙知を形式知化して外に移転し、外部の情報を取り入れ形式知を洗練させながら、北極星指標に向かって新しい高みを目指しまた皆で実践していくサイクルを繰り返す。徐々にですが、学習を深め実践を繰り返し、外に広がりながら更に学習していく組織への変化となりました。
④前橋市DX推進活動への展開事例
こうして得られた考え方や活動は、業務システムの運用改善や共同利用の分野にとどまらず、市役所全体の業務改善、住民サービスの向上や組織文化の改革に向けた活動においても活用されており、実践を通して得られたノウハウとして広く定着していることが最大の効果と言えます。前橋市では、前橋市DX推進計画に基づくDXワーキンググループを、事務局と業務所管課の担当者で構成する全庁横断的な体制として、“フラット”な組織を意識し“オープン”で対立概念や矛盾の現実もまず受け入れこれを許容する姿勢で運営しています。中には、庁内公募を経て自主的に参加する職員で構成し、アイデア出しからファシリテーションまで知識の貢献に応じたリーダーシップのもとで活動し、事業化に必要な所属間のコーディネートまで自律して活動しているワーキンググループもあります。
前橋市DX推進ワーキンググループ活動一覧 ※数字はWGを構成する所属数 |
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2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
行政手続オンライン化 26 |
行政手続オンライン化 26 |
制度デジタル化 4 |
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マイナンバーカード普及・活用 5 |
マイナンバーカード普及・活用 5 |
マイナンバーカード普及・活用 5 |
マイナンバーカード普及・活用 5 |
財務・文書システム 8 |
財務・文書システム 6 |
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コアネットワーク(外で働く) 16 |
コアネットワーク(外で働く) 16 |
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BPR(RPA)推進 11 |
BPR(RPA)推進 12 |
BPR推進 80 |
BPR推進 80 |
ABW(新議会棟) 6 |
ABW(新議会棟) 6 |
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窓口 8 |
窓口 8 |
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ミライズ策定 13 |
ミライズ策定 13 |
ミライズ 庁内公募 |
ミライズ 庁内公募 |
業務システム(予約システム) 8 |
業務システム(予約システム) 10 |
貸館予約システム 8 |
貸館予約システム 9 |
業務システム(健康・福祉) 8 |
業務システム(健康・福祉) 9 |
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官民データ活用 14 |
官民データ活用 14 |
官民データ活用 7 |
地域社会のDX推進(官民データ活用) 庁内公募 |
地域社会のDX推進 16 |
地域社会のDX推進 18 |
地域社会のDX推進 庁内公募 |
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デジタルデバイド解消 5 |
デジタルデバイド解消 5 |
デジタルデバイド解消 5 |
デジタルデバイド解消 6 |
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内部統制のDX推進 7 |
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上記の一覧が2021年度から始まり現在に至るワーキンググループ活動の変遷ですが、情報部門が全ての面において主導するのではなく、様々な分野の業務所管課の現場の業務担当者が自ら主体的に活動できる場としています。一例として、BPR推進ワーキンググループは業務改善の輪を幾何級数的に広げることを意識し、業務担当者自ら手を動かし進めるBPRのフレームワークも参加メンバーで考案し、全庁に展開しています。他にも、ミライズワーキンググループは変化を前向きに捉えられるよう、組織文化に“しなやかさ”が増すような取り組みや、働く価値の更なる創造を目指した取り組みを行っています。
なお、これらのワーキンググループ活動の初期では、アイスブレイクも兼ねて参加メンバー全員で付せんとサインペンを使った発散と収束を繰り返すことで、数多くのインプットが良質なアウトプットをもたらす体験をします。そこに、黙々と行う個人によるワークと、メンバー全員でワイワイガヤガヤ行うチームによるワークを掛け合わせることで、実践コミュニティ活動の土台となる相互理解と信頼関係を構築するきっかけとしています。またこれは、前橋市の地方公務員法第39条に基づく研修において、DXに関する講義の一部にワークショップとしても取り入れられています。
他にはワーキンググループ活動のファシリテーターは、進捗管理を主眼とするのではなくKPTをお互いに共有する場を開催し、それぞれの活動の現在地を客観的に確認し合い、今後の“やりくり”について主体的に皆で検討する活動を行っています。この活動を中核として、3市の実践コミュニティ活動の変化のように実践を続けながら、庁内横断的体制で“学習する組織”の中核的研究の場として成長させ、今後の前橋市に必要となる組織の基礎体力づくりに取り組んでいます。
一方、ビジネスコミュニケーションの生産性向上については、生産性高く、生き生きと働ける環境を広げていくため、コミュニケーションや情報共有のあり方を再構築し、職員間の目線を揃えることを目的として「前橋市コミュニケーションポリシー」を策定し、定着化を図っています。
今後の予定・構想
自治体クラウド事業は、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律(2021年5月19日公布)により時代遅れの事業と捉えられていますが、複数自治体で標準準拠システムを共同調達し合同で運用を行うことで得られる効果は、単独自治体で標準準拠システムを利用するだけでは得られないという実感のある3市では、標準準拠システム移行後も共同調達と合同運用を続けていきます。
また、自治体クラウド事業の運用体制を活用して、2025年度末までにガバメントクラウド上の標準準拠システムに移行する事業を実施中です。
印刷BPO事業については、各標準化業務のシステム標準仕様書の帳票レイアウトに基づき、「伝わるデザイン」を取り入れた通知書を再作成中です。(右は現在使用中の「伝わるデザイン」様式)
なお、行革甲子園での発表後に、自治体クラウドを構成する自治体などの複数自治体から、事業内容について問い合わせがあり詳細な情報交換を行っています。
“個人が持つ知識”や“組織が保有するナレッジデータベース”は重要ですが、それだけでは十分ではありません。到達目標に共感し、共に行動する仲間の輪が広がっていく実践コミュニティ活動がなければ、新たな暗黙知が蓄積されないため、形式知の新陳代謝も滞ります。その結果、やがて価値創造の源泉は枯渇するのではないでしょうか。言い換えれば、ネットワーク上にある蓄積された情報やAIによる意思決定に必要な情報の提示があっても、既存組織の枠を超えた人中心の活動が実際に行われなければ、暗黙知は生まれず新しい気づきも得られず、やがて思考停止に至るかもしれません。この考えから、群馬県の市町村DX支援担当と連携して、実践コミュニティ活動の体験を広げてく活動を準備中です。
他団体へのアドバイス
ここに掲載したイラストも、仕組みや仕掛けの説明時に実践コミュニティ内で実際に使ったもので、紹介した全てが前橋市、高崎市、伊勢崎市の職員が実践コミュニティ活動を続ける中で創意工夫して得られたものです。当然、コンサルティングなしで、システムベンダーの関与も一切ありません。
しかし実証段階に応じて、外部の専門家にワークショップの開催を依頼して、手の動かし方を実際に体験したり、先行事例や同じ活動を行っている実践コミュニティと交流したりするなど、外部の情報を積極的に取り入れてガラパゴス状態に陥ることがないよう留意しました。ただ、外部の情報を取り入れる際には発信されている情報の背景や根拠などの“枠”も同時に受け取り、両方を使って自分達なりの解も併せて考える必要もあります。
デジタル化だけでは現場の仕事は楽にならないので、内部との電話やメールを“やめる”ことも一緒に進め、企画の段階から“効率化して得た時間、職員、予算を使って北極星指標を目指す”事業を、“自治体の枠を超えて協力し” 実施することで、どんな規模の自治体でも平等に7取り組みの効果・費用の③実践コミュニティ活動そのものの効果も併せて得られる事業となり得ます。“自分が手を動かさなくても、いずれ何とかなる”という発想では、実践コミュニティ活動に至る状況にはありませんが、“様々な制約条件のもとで、自ら主体的に現状を改善する”という想いを共有し、到達目標に共感し共に行動する仲間とともに皆さんも実践することで、3市の職員が合同で活動する実践コミュニティで得られた成果は手に入ります。
2026年4月には、ガバメントクラウド上の標準準拠システムへの移行は原則終了です。その後、情報部門が担うべき役割の探索活動を、今すぐ始めなければ!
前橋市DX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画
https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/seisaku/johoseisaku/gyomu/7/3369.html