
高齢者の自立支援ケアソリューション
令和7年は団塊の世代が後期高齢者となる節目の年。自立支援型の介護予防ケアマネジメントに力を入れてきた小松市では、令和3年からケアマネジャーのプラン作成を支援するシステムを導入。その効果に、現場も手応えを感じているという。
※下記はジチタイワークスINFO.(2025年3月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]オムロン株式会社
小松市
健康福祉部 長寿介護課
主幹 角地 孝洋(かくち たかひろ)さん
高齢人口の増加と労働人口の減少で危機的な介護現場に、システムを導入。
平成27年に改正された「介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)」により、各市区町村は独自の方針で事業を進めている。同市では“自立支援”に力点を置き、“75歳以上で介護認定を受けていない人の割合”を「いきいきシニア率」としてKPIを設定。その向上を目指してきた。「当市は総合事業の創設前から地域ぐるみで介護予防に取り組んできました。しかし、その担い手も今や高齢となり手詰まりに。ケアマネジメントにリハビリ専門職を入れようともしましたが、やはり人材不足が壁でした」と角地さんは振り返る。
新型コロナの流行もあり、KPIの達成が危ぶまれていた令和2年、同市の取り組みを知った「オムロン」から「ハレクル」サービスの案内を受けた。「高齢者の“自立”を目標に、介護予防ケアマネジメントを支援するシステムでした。介護予防への価値観が、当市と合致していたのです」。まずはその効果を検証するため、令和3年9月から共同研究として取り組みを開始することに。市内に10カ所ある地域包括支援センターのうち、3カ所での導入を決めた。
個々のスキルや視点が平準化され、多くの自立支援につなげられた。
同サービスは、改善が可能な高齢者の“発見”に主眼が置かれている。事業対象者や要支援者の約半数は“生活不活発”が要因と推定され、適切な支援により“再びの自立”を見込める人が多いという。同市でも支援のため、「短期集中予防サービス(以下、C型)」を設置していたが、「C型対象者の見極めには、リハビリの手法である“工程分析”が必要です。多くの高齢者を抱えるケアマネジャーは思うように分析の時間を取れず、C型利用者数は低迷していました。しかしシステムの活用で、利用者を大幅に増やせたのです」。
システムには分析項目があらかじめ設定されており、高齢者にヒアリングしながらチェックを入れていけば、改善見込みのある対象者が検出できるという。「システムにより知見とスキルが補完され、分析力や効率が向上したのです。視点の統一が図れて、ケアマネジメントの平準化が進みました」。
手応えを得て、令和4年9月には同社と連携協定を締結。全ての地域包括支援センターにシステムを導入した。「ケアマネジャーからは、“自立支援というものが理解できた”といった声が聞かれ、うれしいですね。もともと福祉職は“できないことをお世話する”という考えがベース。それが“改善に向けて取り組む”という意識に変わってきたと感じます」。
適切なアクションができれば、高齢者もまちも元気になれる。
3年間の共同研究を経て、令和6年9月からは有償利用を開始。「ケアマネジャーの負担軽減だけでなく、実際に高齢者が元気になっていくことで、職員のやりがいや、施策の成果につながったと評価しました」。C型での自立支援が定着した結果、令和7年1月時点のいきいきシニア率は、73.4%にまで上昇。令和7年に75%とする目標にあと一歩と迫る。
また、同サービスはシステムの提供にとどまらず、伴走支援やデータ分析、専門職によるサポートなど、介護予防ケアマネジメントを総合的に支援するサービスだ。「医療分野に比べると、介護分野はデータを蓄積する環境が整っていません。その中で当市は、システムの利用でデータが蓄積され、それを活用することで現状分析が可能になりました。今後は地域ごとの強みや課題を抽出し、持続可能なサービスの設計に活用していきます。熱意をもって同じ目標に向かうオムロンの担当者は、心強いパートナーです」。
今後も高齢者の増加は続き、労働人口は減少することから、頭を抱える自治体も多いことだろう。角地さんは「手を打たなければ状況は悪化しますが、私たちがアクションを起こすことで、高齢者も地域も元気になれます。この先10年が勝負どころ、ともに頑張りましょう」と力強い言葉で結んでくれた。
企業担当者の思い
オムロン
自立支援事業部
加藤 雄樹(かとう ゆうき)さん
機能低下の根本原因を見極め、適切なアプローチができれば、運動機能や生活機能は向上します。手すりを頼りにゆっくり歩いていた高齢者が、3カ月後にはスタスタと歩き、笑顔で介護サービスを卒業していく姿を何度も見てきました。根本原因の見極めには経験・スキルが必要ですが、介護現場はすでに業務負担が大きく、余裕がない状態。ICTの力を使って生産性を高めつつ、質の高い介護・介護予防サービスにつなげるサポートをしたいと考えています。
お問い合わせ
サービス提供元企業:オムロン株式会社
ハレクル カスタマーサポート
東京都港区港南2-3-13
品川フロントビル7F
TEL:0570-00-8096
Email:support@jiritsushien.omron.com
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