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【セミナーレポート】人手不足を乗り越えるための「実践例」-Day2 バックヤード改善

今や官民問わず大きな課題となっている「人手不足」。その対策を共有するセミナーを開催! ここでは2日連続開催の【Day2】の様子をダイジェストでレポートします。
今回は、デジタルの力で問題に立ち向かおうとする2つの自治体と、行政に関するソリューションを展開する3事業者が登壇。職員の負担を減らす手法について、それぞれの知見を共有してくれました。

概要

■タイトル:人手不足を乗り越えるための「実践例」
■実施日:2025年1月15日(水)
■参加対象:自治体職員
■開催形式:オンライン(Zoom)
■申込者数:191人
■プログラム:
 第1部:生成AIで自治体業務をアップデートしよう
 第2部:AIはあなたの仕事のパートナー~仕事の通り道にAIを。職場で自然に活用するためのステップとは~
 第3部:アナログ・デジタルの両面から取り組む RPAの活用
 第4部:自治体業務のDXや標準化を支援するノーコードによるデータ連携基盤構築手法
 第5部:自治体DX推進は業務効率化から!~標準化・自動化の実践と成功のポイント~

生成AIで自治体業務をアップデートしよう

トップバッターは横須賀市。全国にさきがけて生成AIのフル活用を進めた同市の、基本的な考え方や、独自に凝らした工夫、そしてAIに何を期待するのかについて、担当職員が共有する。

【講師】神奈川県横須賀市役所
経営企画部 デジタル・ガバメント推進室
室長
太田 耕平 氏

“全国一番乗り”の舞台裏と庁内における現在の利用状況。

まず当市の課題ですが、代表的なものが人口減少です。横須賀市の人口は、着実に減少していく推計が出ています。

これは言うまでもなく、日本全体が直面している問題です。そんな中、減少への対策も必要ですが、減少を前提として、今住んでいる人を幸せにするまちづくりが重要。そのためにもテクノロジーを活用して生産性を上げていくことが不可欠です。

そうしたテクノロジーの1つが生成AI。ChatGPTの登場時から、「とんでもない変化が世の中に訪れるぞ」という感覚が我々の中にはありました。

市長からは、令和5年3月に「ChatGPTを使って何か検討できないか」という話があり、我々も一気に事業化を加速。4月には全庁で利用開始しました。自治体初だったのですが、やるからには1番をねらっていこうと、プロモーションの観点からねらっていきました。

現在、ビジネスチャットツール経由でChatGPTを使っているのですが、その環境にある職員が約60%。月平均で3,000万文字程度を利用。文書作成事務における業務時間短縮の想定時間は、年間約2万2,700時間と算出しています。

職員の生成AI活用を促進する3つのユニークな取り組み。

組織内での生成AIの浸透方策については、「まず触ってみよう!」というところから始めています。主な取り組みが以下の3つです。

まず「チャットGPT通信」。表紙は生成AIで作成し、内容もエンタメに振り切っています。20ページ弱の内容で、生成AIを使うとこんなに面白いことができる、こういう使い方がある、という興味を持ってもらえるような内容にしています。

続いて研修ですが、当市のAI戦略アドバイザーが監修する独自の研修プログラムで、職員のChatGPTの活用スキルの底上げを図りました。令和5年7月、8月に実施し、それぞれ400名近い参加となりました。

また、活用事例の掘り起しと、熟練者のモチベーション向上も目的として、ChatGPTの活用コンテストも実施しています。52件の応募があり、最終審査は、市長や観客の前でのプレゼンで優勝者を決定しました。

そして、ホワイトハッカーコンテスト。これは絶対に失言をしないチャットボットを我々が構築し、それを職員が攻撃して失言を引き出すというイベントです。2週間で4,600回攻撃を受け、101件のバグ報告がありました。バグを引き出すには生成AIの癖や弱点を知らないといけないので、自然にスキルが上がります。

同時に、利用に際してのルールも、職員に周知を図っています。ChatGPTに関する基本的なことを周知し、あまり難しいことは伝えていません。難しいことを伝えると触らなくなるので、あえて最低限に留めています。

AIスキルで生産性と創造性を拡張し行政にイノベーションを起こす!

このような取り組みを続けている当市ですが、今後の展望について、行政が生成AIを活用していく道は2つあると考えています。職員が直接利用する道と、生成AIを用いた行政ツールを活用していく道です。両方に取り組んでいきますが、生成AIをパーツとして用いていく方が、今後より重要になってくると考えています。

その考えをもとに、市民へ向けた利用も進めています。大きくは下記の4点です。いずれも横須賀特有の課題に生成AIを活用しています。

生成AIの活用技術は、単独で存在するものとして捉えられがちです。例えばAさんという人がいて、企画作成やデータ分析は得意だが、プログラミングや翻訳は苦手。でも生成AIの活用のスキルはあるとします。こういう人は、「あの人は企画や生成AIに詳しいらしい」と言われ、独立して存在するスキルとして捉えられがちです。しかしそうではなく、生成AIの本質は下図のようになっていると思います。

AI活用スキルは単体ではなく、それぞれの分野のスキル水準を底上げするものです。言い換えると、人の生産性と創造性を拡張する。特に苦手な分野ほど効果があるものだといえます。

一方で、ゼロから何かを作る価値は下がっていく。今後必要なのは、AIをどんな業務やサービスと掛け合わせられるのかを発想する「創造的な設計力」です。この力を鍛えるためには、実際にAIを使って、どういうものかを知ることと、アンテナを張って世の中の流れを把握することが求められます。

横須賀市の考え方は、「まずはじめて、やりながら調整していく」。生成AIは技術が日進月歩で、正解やゴールもない状態なので、まずやってみて活用方法もアジャイル型で進化させています。

この考えにもとづき、生成AIを活用して日本の行政をアップデートするのが目標です。自治体の皆様とは好事例を共有していきたいと思っています。一緒に盛り上げたいという方は、ぜひ横須賀へお越しください。

AIはあなたの仕事のパートナー ~仕事の通り道にAIを。職場で自然に活用するためのステップとは~

「ITツールやAIを入れたのに仕事が煩雑なのは何故?」そんな疑問を抱える職員は必見。第2部では、容量無制限のコンテンツ管理プラットフォームを提供する事業者が登壇し、ファイルやデータ管理の一元化で業務の負担を減らす手法について提案する。

【講師】株式会社Box Japan
官公庁営業部
部長
森 義貴 氏

エンドツーエンドの実現が業務効率化のカギになる。

BoxJapanの森と申します。藤沢市でCIO補佐官も務めているので、そちらの観点も織り交ぜながら話したいと思います。

まず皆さんに質問ですが、仕事の環境でデジタルを使って「効率的になった」と思うことは多いでしょうか。実際には「複雑になった」と思うことの方が多いかもしれません。しかし、逆に私生活では「便利になった」という体感があるはず。不思議だと思いませんか。

こうした実感の違いは、何が原因なのか整理してみましょう。

例えばウーバーイーツや出前館などのサービスでは、“エンドツーエンド”が重要です。従来は何を食べるか決めて、宅配の店舗を探して、電話して…とタスクをつないでいかなければなりませんでした。しかし今はアプリがレコメンドしてくれるし、そこで注文もできて、到着まで経過も教えてくれる。さらに感想を言うところまでカバーされています。最初から最後までサポートしているサービスだから、便利に感じるのです。

しかし、自治体の環境ではこのエンドツーエンドが困難です。そもそも三層分離があります。これはセキュリティ上必要ですが、仕事の効率という面ではマイナスに働いているようです。また、これまでデジタル投資が縦割りで行なわれてきたことにも問題があると思います。

これらの結果、ファイルやデータも分散し、正・副の区別もつかなくなる。管理するのも大変。今後は、自治体業務でもエンドツーエンドを考えていくことが重要です。

添付ファイルもBoxにまとめた文科省における活用事例。

仕事の環境で、エンドツーエンドを進めるために覚えておきたいポイントは3つあります。

こうしたポイントを踏まえ、ファイルやデータの分散を防ぎ、自分たちに特化したデータ形成をするために当社が提供しているサービスが「Box」です。このBoxを使えば、業務環境でもエンドツーエンドを目指すことが可能になります。

Boxは容量無制限のストレージを提供するコンテンツプラットフォーマーです。分かりやすく説明すると“豊富な機能を備えたストレージ”で、ファイルやデータの保存・管理ができ、他のシステムとも接続して、必要なストレージ領域を一元化することができます。行政での活用例として、文科省での導入事例を紹介します。

文科省は、Boxをファイルサーバーとして使うと同時に、プラットフォームを体現しており、その一例がメールとの連携です。職員がメールにファイルを添付して送信すると、メールサーバーとBoxが連携して、添付ファイルをはがしてBoxに入れ、共有リンクに貼り替えて相手に送る。受け取る時も同じで、添付ファイルが付いていたらそれをはがしてBoxに入れて、共有リンクで職員の手元に届けます。Slackでも同様の処理をしています。

通常ならインターネット接続系でファイルを受け取り、無害化して取り込んでファイルサーバーに入れると思いますが、そういう作業を一切せずにBoxの中にファイルが入ってくる環境が作れる、というのが大きなメリットです。受信ボックスの容量が一杯になるようなことも極力少なくすることができます。

なお、ここでは文科省の例を取り上げましたが、他にも様々な自治体や外郭団体でも使われており、公共の領域だと250弱の団体が導入済です。セキュリティについてもISMAPのリストに登録されています。

BoxとAIをリンクさせることで利便性とセキュリティをさらに高める。

このBoxに対して、生成AIなど色々なものをつなぐことで、データのスクリーニングもシンプルに完了します。探したいものはBoxの中にある。そこにはアクセス権が付いており、プロジェクトメンバーだけ、役職者だけが見られるようになっている。そのセキュリティポリシーを統一し、アクセス権も統一されている状態にAIを差し込んでいくと、セキュリティを守りながらAI活用を促進できる環境を作ることができます。

こうした考えをもとに、BoxAIという機能も提供しています。例えばAzure OpenAIにデータを投げると、その投げたデータから答えを得た後に、投げたデータを消して返ってくる。学習データとして使われないので安心であり、自治体でBoxAIを使う事例が最近増えています。

現在は、こうしてつながるAIが増えている状態。BoxAIのAPIも用意しているので、お客様が独自で作ったAPIをBoxに差し込むことが可能な環境も提供しています。

最後に、AIで“何ができるか”も重要ですが、“どういうシーンでどう活用していくか”という考え方が仕事の流れを変えていきます。AIはあなたの仕事のパートナー、ということを前提に、皆さんもAI導入を進めていただければと思います。

アナログ・デジタルの両面から取り組む RPAの活用

リソース不足への対応策として、全国の自治体で導入が進むRPA。しかし活用に向けた取り組みが順調に進むとは限らない。三原市でのRPA導入では何につまずき、どう乗り越えたのか。担当職員がこれまでの足取りを振り返る。

【講師】広島県三原市役所
デジタル化戦略課
係長
池本 啓介 氏

コツコツと積み重ねて実現した9,700時間の削減効果。

当市では、RPAを高度に使いこなしているわけではないのですが、総務省の手順書に従い、体制を整備して、小さな改善・挑戦に取り組んだ結果、24の課で9,700時間の削減効果が生まれました。ここに至るまでの、失敗や試行錯誤の過程をお伝えします。

RPAツールは令和元年度に導入しました。当初は担当部署の職員が自ら開発・運用する想定でしたが、現在はデジタル部門の職員と市内事業者がサポートしています。

RPAの活用事例として、市税納付状況の確認があります。補助金を申請する際などに、市税の滞納がないことを確認しますが、これには申請者が税部門の窓口で証明書を取得する方法と、各担当課が申請者一覧を作って税部門にまとめて照会する方法があります。申請者の手間は減らしたいのですが、税部門の事務が増えることも避ける必要があるので、対象者リストをもとに、市税の納付状況を確認できるRPAを実行して、税部門の事務の省力化につなげています。

また、道路の不具合などに関する市民の通報受付では、キントーンとRPAを使っています。この業務では、市民からの連絡を受け付け、その内容を調査して上長の承認を受け、現場の対応を事業者に依頼するという流れで進みます。この“内容調査”の部分が煩雑だったので、受付や指示・報告はキントーンで行い、伝票作成でRPAを活用する仕組みを作りました。

これらの開発は、各担当課がデジタル部門に相談し、委託事業者も含めた三者で打ち合わせをして、デジタル部門か事業者が開発を行っています。運用は、各担当課が必要なデータをセットして、キントーン上のワークフローで申請をすると、デジタル部門か事業者のいずれかが実行する、という流れで回しています。

全庁参加型の「カイゼン塾」で意識向上を促す。

次に、ここに至るまでの、取り組みの過程を説明します。

導入当初は、各課で開発・運用をやってもらうことを前提に、研修・トレーニングも行いましたが、結果としてRPAの利用が広がりませんでした。当市の規模だと、トレーニング受講者がすぐに異動するし、困った時に担当職員のサポートをすぐに受けられない可能性もあったからだと思われます。

令和3年度にはデジタル部門が新設され、この部署が開発も運用もやるのでとにかくRPAを使ってほしいとアピール。研修も実施しました。その結果、様々な相談が寄せられて、RPA活用が急増したのですが、担当課も業務フローが分かっていないとか、紙のデータしかないといった状態の相談も多く、事前調整にかなり労力がかかりました。

この反省もあり、令和4年度からは全所属が参加する業務改善活動「カイゼン塾」の企画をスタートしました。これにより、各担当課とデジタル部門が一緒に取り組む雰囲気が広がって、RPAを含めたツールの活用も増えました。

カイゼン塾では、全所属から若手職員1人を出して、業務フローの書き方など改善手法を学ぶ研修を受けてもらいます。3年間でのべ170人が受講しています。

また、「カイゼン活動」という伴走支援も実施しました。各所属単位で課長が監督、係長はコーチ、塾生も入って所属ごとにテーマを決め、業務改善に取り組んでもらうものです。活動中は、週に1回ミーティングを開くよう依頼しています。

これらの取り組みを経て、職員の意識が少しずつ前向きになって、デジタル部門への信頼も高まり、前向きな相談を受けることも少しずつ増えてきました。

RPAの活用拡大に向け、各課を巻き込んだ取り組みを続ける。

今後に向けた準備という視点で、今年度の取り組みを説明します。

まず、2つ目のRPAツールを導入しました。現在はデジタル部門だけで集中的に開発・運用を行っているのですが、今後は各部門で自走してもらうので、より扱いやすいツールの併用を開始しています。

もう1つは職員の育成です。ツールの研修がメインですが、来年度以降もこうした研修会を定期的に行い、RPAを使える職員を増やそうと考えています。

現在、RPAの開発・運用体制の面ではまだ課題があり、見直すべき部分も多い状況です。今後目指す姿としては、まずデジタルを活用する動きが庁内に広がっている状態、そして各所属の職員が自分でRPAの開発・運用ができ、デジタル部門の職員もしっかりサポートできる状態、そしてドキュメントの整備をはじめ、誰が引き継いでも大丈夫なように適正管理された状態です。

以上、当市の取り組みを紹介しました。これらは全てが他の自治体にも当てはまるものではなく、アプローチも異なると思いますが、共通するのは“各担当課に前向きに取り組んでもらうこと”だと思います。そのためにどういった働きかけをするかというのが大事だと考えています。

今後も色々な試行錯誤をしながら取り組んでいきたいと考えています。当市の事例が少しでも参考になれば幸いです。

自治体業務のDXや標準化を支援するノーコードによるデータ連携基盤構築手法

第4部では、ノーコードツールを手がける「アステリア」の担当者が登壇。DXの完成に向けて必要な連携基盤の解説と、それを低コスト・短工期で構築する方法について、実例も交えて説明してくれた。

【講師】アステリア株式会社
マーケティング本部
プロダクトマーケティング部・ASTERIA Warpプロダクトマネージャー
東海林 賢史 氏

DXを完成させる3つのフェーズと“連携基盤”の重要性について。

私からは、自治体のDXや業務標準化の課題をノーコードのデータ連携という考え方で解決を図る手法についてお話しします。

まず、DXには下図の通り3つのフェーズがあります。

ゴールのデジタルトランスフォーメーションは、住民サービス向上のために業務プロセスを変革する段階です。これはITを使って複数の業務を連携した自動化を図ることにより達成することが可能。ポイントは「連携」です。

第2フェーズのデジタライゼーションは、ITを使って個別の業務を自動化できた段階です。ただし、業務と業務の間をつなぐ場面で職員の手作業も残されている。これがデジタルトランスフォーメーションに進化すると、ITで複数業務を連携した自動化ができている。職員がやっていた作業が“連携基盤”に置き換わり、全体として職員の負担を軽減することが可能です。さらに業務もスピーディに進み、それによって住民への対応速度が上がるといった改善が図れます。

ただ、この連携基盤を構築する際にも課題があります。誰が作るか、どのような方法で作るかという点です。選択肢の中には“職員の内製”もありますが、あまり現実的とはいえません。仮にプログラミングができる人がいたとしても、数年後に異動するかもしれない。IT人材は全国的に不足しています。この課題を解決するのがノーコードです。

ノーコードは、プログラムを書かずにシステムを開発できる技術。プログラミング知識がない人でも、パーツを選んで設定するだけで、自分たちに合ったシステムを短期間で開発することができます。これにより、システム化のハードルが一気に下がるのです。

ノーコード開発で効率化を果たした自治体の導入事例を紹介。

ここからは、当社が提供しているノーコードのデータ連携ツール「ASTERIA Warp(アステリア ワープ)」の自治体導入事例を紹介します。

埼玉県では、電子申請システムをリプレースするタイミングで、データ連携基盤を構築することになりました。その際に、開発工数がかさまないパッケージ製品であり、かつ連携先の追加変更が容易である、という要件を掲げ、アステリア ワープが採用されています。ここでは、住民や事業者からの申請データを、LGWANの電子申請システムを経由してアステリア ワープに取り込み、そこから複数のシステムに対してデータを変換、自動連携するという仕組みを実現しています。

また、別のある広域自治体ではExcelを使った庁内情報の管理・集計業務があったのですが、それを職員による内製化で自動化し、作業時間を約40%削減しています。まさにデジタイゼーションからDXに進化させた事例です。開発は、パートナーのベンダーによる伴走型支援を受けながら、10日で完成しています。

他にも目黒区をはじめ、政令指定都市、複数の官公庁でも導入事例があります。民間を含めると1万社以上が導入済です。

アステリア ワープの最大の特徴は、100種類以上のシステムやクラウドなどのサービスと連携できること。またノーコードなので、シンプルな操作で開発が可能。画面上にアイコンを並べて矢印でつなぐイメージで、直感的に設定できます。

初期費用がゼロのサブスクリプションモデルも提供しているので、試験的に利用を開始することも可能になっています。

 

自治体業務標準化に対するアステリア ワープの活用について。

自治体業務標準化では、データ連携も必須要件とされていますが、ここでもアステリア ワープを活用できます。以下ポイントを4つ挙げていますが、インストール型のパッケージソフトなので、マイナンバー利用事務系の中にあるサーバーにインストールすれば活用することが可能です。

ファイル連携とREST APIの連携についても、標準機能で対応しています。また、気になるポイントである「行政事務標準文字にも対応が必要」という部分ですが、アステリア ワープはMJ+を使ったファイルの処理などにも標準で対応しています。

最後に、文字コードの変換です。今後も標準化対象以外のシステムも残っていくでしょう。その連携では、文字コードの変換が発生します。アステリア ワープは文字コードの変換機能も標準搭載なので基本的に対応可能です。ただし一部制限事項があるので、詳細についてはお問い合わせいただければと思います。

アステリア ワープを活用すると、庁内業務のDXを推進することが可能です。さらに、自治体業務標準化においてもアステリア ワープの機能で様々な課題がクリアできます。

無償の体験版も用意しています。「Warp 体験版」の検索で申し込みフォームが出てくるので、ぜひお試しください。
 

自治体DX推進は業務効率化から!~標準化・自動化の実践と成功のポイント~

セミナーのラストは、マニュアル作成支援サービスを手がける事業者が登壇。標準化した業務を、誰でも同じ質で再現できるようにするためのマニュアル作りについて、自治体への支援実績を通したアドバイスをくれた。

【講師】株式会社スタディスト Teachme Biz事業本部
営業部 アライアンスセールスグループ
鈴木 明彦 氏

自治体の業務効率化に不可欠な“標準化”について。

当社は、「伝えることをもっと簡単に」というミッションを掲げ、マニュアル作成共有システム「Teachme Biz」の開発・提供、付随するコンサルティングサービスを展開しています。

そうした活動の中、様々なお客様と話をしていると、次のような言葉をよく聞きます。

「生産性向上を目指しているが、業務や作業のムダが無くならない」

皆さんも思い当たる節があるかもしれません。

昨今DXの気運が高まっていますが、その大きな理由の1つが人材不足という課題です。労働人口が減少し、働き方改革で労働時間も規制される中、既存人員の効果を最大化させることが求められています。

しかし、現場の皆さんからは上記のような悩みや、課題に直面している話を多く聞きます。中でも庁内外の問い合わせ対応や、異動に伴う引き継ぎ業務、住民向けの対応などは負担大。こうした課題の解決に向けて、業務効率化の方法について紹介します。

ひと口に業務効率化といっても様々な手法がありますが、その中の1つが「標準化」です。属人化している業務や作業を標準化することで、いつでも・どこでも・誰がやっても同じ成果を出すことが可能になります。手順もマニュアル化できるので、運用方法や作業内容が明確になり、迷うことなく業務や作業を繰り返すことが可能になります。

 

これにより投資する資源を減らし、生み出す価値に変換させることができるようになります。標準化は業務効率化を図る上で、とても重要な取り組みです。

標準化のステップ~棚卸しからマニュアル作成まで。

次に、標準化の進め方について説明します。標準化の流れは、下図のような形になります。

 

最初の棚卸しですが、業務は「感覚型」、「選択型」、「単純型」の3タイプに分類可能です。感覚型は、専門性が高い高度な業務。選択型は、条件に応じて手順を選択して行う業務。そして単純型は手順を知っていれば誰でも行える業務です。これら3タイプの業務を棚卸しすることから始めます。

当社の調査では、この3タイプのうち、選択型と単純型の業務が全体の約87%を占めていることが分かりました。これら2つは手順が分かれば誰でも行える業務なので、ここを標準化、仕組み化することがポイントになります。

業務の棚卸しができたら、次に選択型、単純型の作業手順を決めていきます。できる人が行っている作業内容を基本に、ベストな手順を庁内標準として定義し、誰でも再現できるようにすることが目的です。

作業手順が定義できたら、マニュアルに落とし込んでいきます。ここで注意しなければならないポイントが3つあります。

そして最後に、標準化した業務を、RPAなどで自動化・省略化する。生産性の向上やミスの軽減、よりレベルの高い業務に専念できるなど、さらなる業務効率化が実現できます。ここでマニュアル作成を工夫すると取り組みは成功に導かれるのです。

マニュアルを活かすために超えるべき“3つの壁”とは。

マニュアルについては、「せっかく作ったのに全然使われない」「更新されておらず古いまま」といった悩みをよく耳にします。これだと意味がありません。

業務手順の見直しを行い、マニュアルの作成・整備を行う。そのマニュアルを使った人材育成の仕組みを構築し実行する。その結果を確認して改善方針を検討し、業務プロセスやマニュアルの改訂を続ける。このプロセスの中では、大きく3つの壁に直面します。作成の壁、浸透の壁、改善の壁です。

この3つの壁を打破する役割を担うのが、標準作業手順書です。そして作成をサポートするのが、当社のマニュアル作成共有システム「Teachme for Public」です。ビジュアルで表現でき、更新も共有も簡単に行なえ、PCだけでなくタブレットやスマホからも利用可能なマルチデバイス対応になっています。LGWANにも対応済です。

特徴としては、画像などを入れて、説明文を入れて、そして矢印や言葉などを入れて完成……と、誰でも簡単に、分かりやすいマニュアルを作成できます。

また、作成したマニュアルをタスク配信することで閲覧実施の確認ができ、操作ログをとっているので、いつ・誰が・何のマニュアルを何回見た、といった分析も可能です。

さらに、作成したマニュアルを組み合わせて人材育成などのコースを作成配信するトレーニング機能や、作成したマニュアルを外部に公開する機能も搭載。問い合わせの削減や、窓口業務の負荷軽減にもつながります。

現在、石狩市や、東京都港区、奈良市、三原市などで活用いただいています。導入のきっかけは、庁内の引き継ぎ業務の効率化や、庁内外からの問い合わせの削減というものでした。

当社は「知的活力みなぎる社会をつくる」ために、全国の自治体のDX推進に貢献していきます。詳細については、ぜひお問い合わせください。

お問い合わせ

ジチタイワークス セミナー運営事務局
TEL:092-716-1480
E-mail:seminar@jichitai.works

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