ジチタイワークス

大阪府寝屋川市

あの人の仕事術×地方公務員アワード2018 第一弾

公務員アワードとは?
毎年夏にHeroes of Local Governmentが開催する「地方公務員アワード」。自治体職員が「本当にすごい!」と思う他の職員をノミネートする。2018年は活躍する自治体職員が審査し12名を表彰、全国にその実績を紹介した。そのうち、ジチタイワークスが注目した2人に話を伺った。

第一弾は「ジチタイワークス賞」受賞の大阪府寝屋川市 財務部 滞納債権整理回収室(当時)岡元譲史さん。
寝屋川市における税金などの滞納整理を強化し、繰越額の大幅な減少に貢献した岡元さん。滞納金の回収に捧げた12年間の取り組みについてインタビューした。
※下記はジチタイワークスVol.4(2019年1月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

滞納者と向き合い、早期の問題解決を図る

寝屋川市では平成18(2006)年度から28(2016)年度までに全体の差し押さえ件数は約3.4倍に増加し、35.8億円あった市税の滞納繰越額は12.6億円にまで減りました。当然、私だけではなく関係職員全員の努力の結果です。滞納整理の強化について考えるようになったきっかけは、最初の配属課で保育料の徴収を担当したことでした。私自身子どもがいて保育料を払っていたので、払っていない人も保育サービスを受けられる不公平さに憤りを感じたのです。

3つの取り組みで回収率アップ

その後滞納債権整理回収室に異動し、寝屋川市全体の滞納整理を強化しました。同室はあらゆる債権の高額・徴収困難案件に対応する役目を担っており、取り組んだことは大きく分けて3つ。まずは差し押さえの判断を早めました。催告書を1回ないし2回送付後、財産を確認した時点で給与や預金等の差し押さえを実行しています。2つめは不動産公売を積極的に進めました。公売には様々な法的知識が必要です。スムーズに公売するのは難しく、すでに取り組んでいる自治体にノウハウを聞きました。3つめは捜索を強化したことです。警察官立ち合いの下、鍵を強制的に開けるといった厳しい処分も行いました。

すべては、「一日も早く滞納状態から脱して頂きたい」という思いの表れです。

他部署でも徴収方法を指導

それぞれの部署でも早い段階で滞納金を回収できるよう、庁内研修を平成25(2013)年から実施。研修では「滞納者の問題を根本的に解決することが、滞納整理・生活再建の近道」という私のモットーを伝えていました。例えば、返済する必要のない借金に苦しめられている人には専門家の相談窓口を紹介することもあります。ただ、原則として滞納があり、財産があれば法律上やむなく強制徴収しなければならないと併せて伝えています。

モチベーションの向上も重要です。滞納者に厳しい対応をすると、反発されて心が折れそうになる。そんなときには苦しい中でも税金を納めてくださる市民を想像するよう伝えています。滞納整理に限らず、新しいアイデアを実行するときには周囲のサポートが欠かせません。若い自治体職員のみなさんには周囲への感謝を忘れず、素直な気持ちで先輩方に相談してほしいと思います。

HOW TO

1、判断のタイミングを早める

市民が所有する不動産の公売や自宅の捜索、給与などの差し押さえを実行するタイミングを早め、滞納金の回収サイクルを促進した。

2、滞納する理由を把握する

なぜ納付できなかったのか、その問題を解決するにはどうすれば良いかを話し合い、市民とともに根本の原因に向き合った。

3、研修でモチベーションをアップ

滞納債権整理回収室でのノウハウを庁内で共有し、各課の滞納整理対応を強化した。寝屋川市役所全体の徴収率アップに貢献した。

PROFILE

大阪市立大学卒。平成18(2006)年、寝屋川市役所に入庁。12年間にわたり税金や保育料などの滞納金を徴収する滞納整理業務に従事した。寝屋川市の滞納額減少に貢献するとともに、培ったノウハウを他の自治体に共有するため、北海道から沖縄まで全国で講演活動に勤しむ。2018年4月から経営企画部都市プロモーション 課係長に就任。

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