ジチタイワークス

東京都調布市

こども商品券の地域消費で経済活性と支援拡大を促進。

子ども・子育て専用のデジタル商品券

調布市では令和3年度から、東京都が進める子育て支援のギフトに「こども商品券」を採用。令和6年度からは利用者の利便性を考慮し、同商品券のデジタル版に移行した。地域活性を視野に入れた取り組みで、まちぐるみの支援を目指すという。

※下記はジチタイワークスVol.33(2024年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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左から
東京都調布市
福祉健康部 健康推進課
副主幹 柴田 美保子(しばた みほこ)さん
主任 廣川 知(ひろかわ ちか)さん

ギフトを通じて育児相談につなげ、孤立を防いで子育て家庭に安心感を。

1歳前後の子どもは、歩きはじめや、自我が芽生えて自己主張が強くなるなど、著しい変化があるため、子育ての悩みを抱える保護者も多いという。また、健診の回数も減ることから、相談窓口などとの接点が途切れやすい。この時期の家庭をサポートするため、同市では令和3年度から、1歳の誕生日を目安にアンケートを実施。回答した世帯には“育児パッケージ”として、子育てハンドブックと、子ども向け用品やサービスの利用に特化した“こども商品券”を贈ってきた。

「アンケートでは、子どもの発育について質問をしています。心配な様子が見られると、専門の職員が連絡して話を聞き、解決や孤立防止に努めてきました」と廣川さん。令和5年度は約1,700世帯の対象者にアンケートを送付。そのうち88%から回答があったという。また、同商品券にも思い入れがあった。「子育て支援が目的ですから、子どもや育児のために使ってほしいと考えました。加えて、商品券が使える加盟店には個人商店も参入できます。地域で消費されれば、まちも元気になります」。

利用者目線で導入を検討

子どもを連れての買い物では、財布から商品券を出す手間のない電子決済の方が便利と考え、導入を検討したという。

市内の加盟店を増やすため、商工会の協力を得て拡大に成功。

実は、同商品券を導入した令和3年の時点では、市内の加盟店は8店舗だけだったという。これでは使い勝手も悪く、地域での消費にもつながらない。そこで同課では、商工会にかけ合い、地域事業者に加盟店になるよう働きかけてもらった。「前例がない取り組みで、商工会に受け入れてもらえるかと心配しましたが、快諾を得ました」と柴田さん。加盟申請をした事業者には、商品券の発行元「トイカード」が説明を行う流れで促進を図り、令和6年6月時点で302店にまで加盟店が拡大。そのうち151店舗が個人商店だ。「“商工会に協力を求めるしかない”と、一歩踏み出したことで結果につながりました」。

令和6年度から商品券の金額を増額することになり、令和5年の夏頃からデジタル版を含むギフトの見直しに入った。「商品券は枚数が増えるとかさばってしまう。一方、電子マネーは各種あるものの、“子どものために”という趣旨からは外れる。ちょうどそのタイミングで同社から、商品券のデジタル版『こども商品券e-Gift』について連絡を受けました。加盟店のネットワークが、デジタルでも継続できるということで、移行を決めました」。

デジタル版に移行した加盟店は、令和6年6月時点で52店舗。同社が切り替えの案内を行い、同市が加盟店募集を続けている。

地域消費の促進で活気を生み、“子育てに寛容なまち”をつくる。

母子保健部門である同課では、安心して産み育てられる環境づくりの一つとして、今回の事業を進めてきた。そのため飲食店の加盟条件には、“調布市受動喫煙防止条例の順守”を求めたという。「加盟した店舗は、子ども連れで利用しやすいサービスか、また、子どもへの配慮があるかなどの情報とともに、地域のNPOが運営する情報サイトで紹介されます。それを見た利用者は“子育てに優しい店”として認知。子連れでの来店があれば、お店側の理解も進み、新たなサービスが生まれるなど、店舗や地域の活気にもつながると思います」。子育て支援だけにとらわれず、経済や地域活性などへの波及効果があると考え、取り組みに賛同する店舗を増やして、まち全体で子育てへの寛容性を醸成していくねらいだという。

今後は、医療機関や公共施設、タクシー会社など、子育て世帯の利用が想定される業種の加盟にも期待を寄せる。「若年の妊婦や身近に親族がいない世帯など、サポートを必要とする市民は多くいます。その方々へ確実にサービスが届くよう、商品券が使える場所を増やしていきたいです」。同課の声かけで、商工会をはじめ地域を巻き込みながら進んできた支援事業。これからも、地域とともに歩みを進めていくそうだ。

商品券の配布方法

こども商品券e-Giftは、同社からURL形式で自治体へ納品される。住民向けに、URLを二次元コード化したカードの作成も可能(有料)。

そのほかの活用例

こども商品券は出産・子育て応援事業だけでなく、自治体独自の子育てサポート事業でも活用されている。

多胎児家庭の移動費支援
健診の受診率向上支援 など

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サービス提供元企業:株式会社トイカード

ソリューション営業部

TEL:03-5806-3760
Email:toy-info@toycard.co.jp
東京都台東区駒形2-4-11
ヨシクニ駒形ビル8F

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