スキルを“可視化”することが職員の能力を活かす第一歩に。

住民ニーズが多様化かつ複雑化する中、優秀な人材の確保・育成は欠かせない。職員の働きがいを向上し、組織への愛着を深めてもらうことが重要だが、現状、やる気や能力のある職員が民間企業に流出する例も少なくないという。「自治体にいるからこそできる仕事や働きがいが必ずあります。ですが、職員自身がそれを感じ取れなければ意味がありません」と鈴村さんは指摘する。

上記の理由としてまず挙げられるのが“適材適所の配置ができていないこと”だという。「経歴や資格、評価などの人事データを別々に管理していると、職員のスキルの全体像が見えづらくなります。すると評価や異動を検討する際に上司の勘や経験が優先されることになり、本人に合った人材配置ができていない可能性があるのです。庁内横断プロジェクトの人選も、客観的な判断が困難になります」。

それだけでなく“キャリア形成や学ぶための仕組みが整っていないこと”も問題だという。「例えば個々人が目指すキャリアに合った研修を組織が提供できなければ、職員は成長機会を逃してしまいます。DXが進む昨今は、リスキリング支援も欠かせません。学びを得られないと組織が活性化せず、働きがいを感じにくい状況に陥ってしまうのです。自分のキャリアは自分で考える時代なので“ここならキャリアを積める”と実感できる仕組みをつくらなければ、民間企業への流出は加速するのではないでしょうか」と警鐘を鳴らす。

人材データを一元化・分析して評価や異動、研修受講に活用。

人事データがバラバラに管理されていることで、スキルにもとづいた最適な人材活用が難しく、自律的キャリア形成の支援も不十分……。こうした人事の課題解決に役立つのが、あらゆる人材データを一元管理・分析できる同社の人材管理システム「タレントパレット」だ。

鈴村さんは「データを入力・連携しておけば、顔写真アイコンをクリックするだけで個人のプロフィールが瞬時に確認できます。また、ドラッグ＆ドロップという簡単操作で異動シミュレーションなどもできるので、スキルや経験などを総合的に見ながら人材配置やプロジェクトの人選が可能です」と説明する。さらに同システムには、一人ひとりに合った研修を適切なタイミングで自動推奨する機能も搭載されている。アンケート機能により学習効果を測定することもできるという。

なお自治体が同システムを活用するにあたり、同社の専属コンサルティング部隊によるサポートも実施。数多くの実績によるノウハウから、データの有効活用や採用強化、後継者育成計画の策定などに関するアドバイスも受けられる。さらに運用効果を上げるため新機能も順次開発・標準搭載され、その数はリリース以来約4,300機能にものぼるそうだ。利用者も年々増加している中、99.7％^※という高い継続率を実現しているという。

※令和5年6月 同社調べ

自治体支援サービスの開始でさらに有効活用できる体制へ。

支援していく中で、自治体ならではの課題が見えてきたという鈴村さん。現場に寄り添うサポートを行うため、令和5年11月から“自治体支援サービス”を開始。様々なサービスがパッケージ化され、システム操作に習熟したスタッフを派遣するサービスが特に好評だという。

「足元の管理業務に追われ、なかなか手が空かない人事の現状を見てきました。そこで人手不足の自治体には、当社からスタッフを派遣できるように。データの入力や更新などを全て代行するため、いわゆる“作業”に費やしていた時間でクリエイティブな人事施策に取り組むことが可能になります」。

自治体へのサポート強化を模索しつづける理由を聞くと“行政サービスのレベルを上げることは、国を豊かにすることにつながる”という信念があるからだという。「今後も人材活用や組織の活性化という面から、自治体を支援していきたいです」と抱負を語ってくれた。

プラスアルファ・コンサルティング
取締役副社長
鈴村 賢治（すずむら けんじ）さん

教育データも一元管理して可視化！

同社が提供する教育現場向けサービスの「ヨリソル」を使えば、複雑化する校務の効率化や、散在する教育データの一元管理・可視化が可能。授業アンケートの分析や就職・進学支援、教職員評価にも使える。

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