情報を見える化できる健康管理アプリ
高齢者だけでなく住民全体の健康づくりは、自治体にとって重要な取り組みだ。健康管理アプリを導入した西東京市では、40~50代の女性が多く登録。アプリを使った健康イベントへの参加も増え、平均歩数上昇という成果も出ているという。
※下記はジチタイワークスVol.27(2023年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社グッピーズ
働き盛りや子育て世代を意識し健康事業にアプリを導入することに。
“健康都市”を掲げ、様々な健康増進事業を行ってきた同市。ところが施策効果を測る目安となる“歩数”の統計データをとったことがなく、成果やそこから見える課題を把握できていなかったという。「徒歩の人が多いのか、自転車を利用する人が多いのかなどが全く分からず、まずは検討材料を集める必要がありました」と中川さんは振り返る。
令和2年にはコロナ禍によって、同課開催の体操講座や健康講座が休止。市には健康不安に関する声が多く寄せられ、健康づくりの進め方を改めて考えるきっかけになったという。そんな中、地方創生臨時交付金が健康増進を目的としたアプリ導入にも使えることを知り、検討を開始。
「以前から景品付きの健康増進事業“西東京健康チャレンジ”を実施していましたが、紙媒体での応募ということもあってか、働き盛りや子育て世代の参加が少ない状況でした。アプリならこうした世代もなじみやすいのではないかと考えたのです」。4社のプロポーザルの結果、導入を決めたのが「グッピーズ」の健康管理アプリ「グッピーヘルスケア」だった。
コンテンツが豊富なだけでなく管理画面で現状を確認できる。
同サービスは食事や体重、歩数記録など16種類以上の機能が利用でき、所定の活動をすれば健康ポイントが貯まるというもの。ポイント数に応じ、毎月抽選でAmazonのギフト券が当たる仕組みなどが用意されている。また、オンラインでウォーキングイベントの参加も可能だ。
「導入の決め手は、コンテンツが豊富なことでした。無料エクササイズ動画を900本以上閲覧できるだけでなく、当市オリジナルの体操動画を動画集に組み込んでもらえたのも、ありがたかったです」と坪井さん。中川さんも「管理画面で登録者数や地区別の平均歩数、人気のある機能など、多くの情報が可視化されているのも魅力でした。365日いつでも見られるその手軽さはポイントが高かったです」と話す。
なお、同サービスは同社独自のプラットフォームアプリ。自治体ごとに専用ページをオリジナルで作成し、共通機能をベースに必要な機能を追加できる。同市では“あるこ”というページを作成して運用中。利用者は該当の自治体を選んで利用する。
「アプリ登録者は50代までが全体の7割で、40~50代の女性が特に多いです。今まで参加が少なかった層なので大きな成果だと感じます」。また、登録や操作が簡単なこともあり、高齢者の登録も少なくない。同市が開催するイベント“あるこでチャレンジ”では3世代での参加も見られるなど、健康イベントへの参加層が広がっているそうだ。
メッセージ機能を活用してアプリ起動率約40%を維持。
運用において同市が重要視しているのが“アプリ起動率”だ。体調変化を実感するには、健康習慣を続けることが望ましい。アプリの起動が、そのきっかけになるという考えからだ。様々な工夫で同市のアプリ起動率は40%台を維持しているという。「健康アプリの起動率は20%あれば高いほうだと聞いたことがありますので、手応えを感じています」と坪井さんは語る。
起動率アップのために活用しているのがメッセージ機能だ。同市ではこの機能を活用し、イベント案内やアンケートなどを送付。プッシュ通知機能によってアイコン右上に通知が表示されることで、起動率が3~4割上がるそうだ。「同じアプリを活用している他自治体との情報交換からも様々なアイデアを得ています。そういう機会がもてるのはプラットフォームアプリならではだと思いますし、とてもありがたいです」と中川さんは顔をほころばせる。
他自治体とのつながりを活かして、令和5年5月には同サービスを使った“三市合同ウォークラリー”を開催。「イベント開始時と比べ、平均歩数が28%上昇するなど大きな成果が出ました。このサービスを使う自治体が増えれば、もっとたくさんのコラボ企画も実現しそうで楽しみです」と笑顔で語ってくれた。
西東京市
健康福祉部 健康課
左:中川 えりか(なかがわ)さん
右:坪井 玲央奈(つぼいれおな)さん
担当者の声
健康増進の取り組みの実施方法を再度検討することで、大きな成果につなげることができました。
導入自治体の声
既存のウォーキングイベントをアプリの活用でリニューアル。
新潟市
保健所 健康増進課
左:金子 幸子(かねこさちこ)さん
右:鈴木 文緒(すずきふみお)さん
歩数を競うウォーキングイベントを実施している自治体は多いだろう。新潟市では、アプリ導入によって参加者が増加したという。また、99.8%の参加者が“次回も参加したい”と回答するなど好評だった。
事業所向けイベントを企画し働き盛り世代の運動を促進。
20~64歳の1日平均歩数が、国の目標を約1,000歩も下まわっている※という同市。「対象の7割弱が国の目標に届いておらず、市民の健康寿命を延ばすため、働き盛り世代の運動習慣を定着させる取り組みが必要だと考えました」と金子さん。そこで平成30年より、事業所向けのウォーキングイベントを実施。事業所単位で一定期間ウォーキングに取り組み、歩数集計表に歩数を入力し、同課に提出してもらっていたという。
イベントによっては参加者の1日平均歩数が約2,000歩増えたものの、課題もあったそうだ。「新規参加事業所を増やすことに苦慮していました。また、事業所担当者は参加メンバ-への歩数入力の声かけや集計表の点検作業に大変さがあったと思います」と当時を振り返る。
※平成29年度市民歩数調査より
アプリ導入で負担が軽減し、参加者の満足度も向上した。
そんな中、新潟県がグッピーヘルスケアを導入していたことから、令和4年より同イベントにアプリを導入。「業務多忙で健康づくりに力を入れることが難しい事業所でも、アプリであれば気軽に参加できるため、参加事業所が増えました。それだけでなく、個人やチームの順位を確認できるのでモチベーションアップにつながったようです」と鈴木さん。
また、同アプリを活用した市民向けウォーキングイベントも初開催。好評を博し、参加者の77.9%が“期間中身体を動かす機会が増えた”、99.8%が“次回も参加したい”と回答したという。なお、事業所向けウォーキングイベントでは、仕事中にスマホを所持できない人への配慮などから、“アプリコース”に加えて、従来の歩数集計表で記録する“レポートコース”を継続させているそうだ。
申し込みが便利になったことで40~50代の参加者が増加した。
アプリ導入で参加者の年齢層も変わったという。「類似のイベント開催時は60代が多かったのに対し、同イベントでは40~50代が増えました。時間を問わず申し込めるので気軽に参加できるのではないでしょうか」。
アプリ活用により、今までより若い世代の参加者を多く得られた同市では、運用上のルール設計を見直したり、参加者からの要望をイベントに反映したりと、アップデートを心がけているという。「初回は仮想の東海道五十三次を歩くコースで開催したのですが、新潟のコースを歩きたいという声が多く寄せられました。そこで今年度は新潟県がつくった“新潟県コース”を使ったイベントを実施予定です」。
今後も、同アプリのウォークラリー機能を使用し、事業所向けと市民向けイベントを予定している同市。「アプリを使うのが苦手な人にも参加してもらえるよう、分かりやすい資料を準備し、より多くの住民に参加してもらえるイベントにしたいです」と抱負を語ってくれた。
アプリ活用と他自治体との情報交換で住民のさらなる健康増進を後押しする。
住民に健康アプリを使ってもらうには、機能が充実していて、使いやすいことが大前提。さらに他自治体の取り組みを聞き、横展開できるのも同サービスの強みの一つだ。
1.幅広い世代が使いやすい
アプリの登録をする際、メールアドレスの入力やID・パスワードの設定といった手間は不要。そのためログインができなくなるといった心配もない。また、アプリ画面も見やすく、操作もシンプル。登録や操作が簡単で広い世代の活用が見込める。
2.他自治体と情報交換できる
プラットフォームアプリなので、どの自治体も使っているシステムは同じ。他自治体と情報交換する場も用意されており、具体的な取り組みや自治体ごとの健康増進施策における課題、成功事例などを横展開できる。
3.年間使用料が変動しない
アプリ登録者数が増えても使用料は変わらないので、予算編成がしやすい。プラットフォームアプリのため、一からシステムを構築する手間がかからない。そのため、導入が決まってから使用開始まで短期間で準備が可能。
日常的なアプリの使い勝手を体験可能
登録の簡単さや、使える機能・データなど、アプリを実際に使ってみると分かりやすい。こちらからダウンロードしてお試しを。
導入実績
●神奈川県小田原市
●石川県加賀市
●和歌山県有田市
●東京都瑞穂町
●静岡県富士市 など10自治体
お問い合わせ
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担当:土肥・奥井
TEL:03-5908-3883
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