教育現場で問題視される人員不足や業務過多に、コロナ禍が拍車をかけた。子どもたちの健康を守り、教職員の負担をこれ以上増やさないために、伊奈町の公立小・中学校では新しい装置の導入で改善を図っているという。
※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]東芝ライテック株式会社
終わりのない感染対策に向けて教育委員会が用意した次なる一手。
コロナ禍に入ってから、学校教育の現場は感染対策に追われ続けた。換気や密の回避、設備や教材の消毒など、教職員の負担は増大。加えて同町教育委員会では、検温器やCO2モニター、加湿器を必要に応じて各学校に設置するなど、様々な手を打ってきたという。「とにかくやることがたくさんあるのです。さらに感染状況は日々変化し、対策も変わります。小さなことが積み上がって教員の負荷となり、教育活動と感染対策を並行して続けることへの限界を常に危惧していました」と、小針北小学校の稲垣さんは振り返る。
令和2年以降、いくつかのピークを経て規制は徐々に緩和された。しかし、教育現場では新型コロナ以外でも感染症のリスクがあり、一定の対策は継続する。その一つが換気で、教室の窓は常時開放しているが、冷暖房の効果が弱まる上に、グラウンドから砂ぼこりが入るなど、困り事もあるという。こうした課題に対して同町教育委員会は、紫外線技術を使った除菌製品などを手がける「東芝ライテック」の除菌・脱臭装置「UVi sh(ユービッシュ)」を導入。令和5年2月から、町内の公立小・中学校に設置している。
▲小針北小学校では、音楽室などに計5台を設置。取手も付いていて持ち運びしやすいという。
紫外線の照射で除菌するためフィルター交換の手間が不要に。
同装置は、紫外線と光触媒でウイルスの活動抑制や除菌、においの分解を行う。床面から吸い込んだ空気をきれいにして放出する仕組みで、学校の教室のような200㎥ほどの空間は、1時間半で約9割の除菌ができる※という。フィルターで菌やウイルスを捕集しないため、一般的な空気清浄機のように、交換する手間がないこともポイントだ。
同校では保健室、音楽室に1台ずつ、特別支援学級に3台の計5台を設置。「音楽室は発声を伴うだけでなく、移動教室で子どもたちの出入りが多いことから感染のリスクが高いと考えました。特別支援学級は感染リスクの高い児童がいるということで設置しています」。
この装置を使うことで窓を開ける頻度が少なくなり、教室の環境を快適に保つことができるようになったという。また、静音設計とコンパクトなサイズも学校の環境に適しているそう。「保健室の設置状況を確認しに行った際、どこに置かれているのか分からないほど、なじんでいました」。そして、管理のしやすさも好評だという。「フィルター交換のような小さな作業でも、定期的にやらなければならない場合、多忙な教職員にとっては負担になり得ます。手入れがラクということはとてもありがたいです」。
※密閉空間での効果
感染対策を継続しながらでも教育活動を充実させるために。
導入して間もないが、新学期の準備などで人の出入りが多く、慌ただしい時期にも、手間をかけずに感染対策ができている点に便利さを感じているそうだ。今後は入学式や卒業式だけでなく、全校集会などの大人数で一同に会する行事が増えてくる見込み。「普段は各教室に設置していますが、必要に応じて体育館に移動させることも考えています。持ち運びがしやすいので、様々な場面で活用できるでしょう。養護教諭や音楽の担当教員も、これから長く使って効果が感じられることに期待しているようです」。
教育現場では、コロナ禍以前からあるインフルエンザや風邪などの対策としても、常に衛生管理が必要になる。マスクの着用や給食中の会話に制限がなくなっても、学級の人数などによっては席の距離が保てない場合もあり、気が抜けない状況が続きそうだ。今後も教育活動を止めずに感染対策を続けるためには、少ない負担で日常に溶け込んだ方法が理想的だろう。「様々な方法を試した中での有効策だと思います。しっかり対策しながらも、一つでも手間を減らすことで、“Withコロナ”として長く続けられると思います」。
稲垣 裕子(いながき ゆうこ)さん
伊奈町立小針北小学校
教頭
担当者の声
教育現場の感染対策は“大変”の一言。Withコロナで長く対策をしていくためには、日常の中で無理なくできることが大事です。
教職員の負担は最小限に衛生的な環境づくりに貢献する
1.フィルターは水洗いでき、交換不要
空気清浄機のように菌やウイルスを捕集するのではなく、紫外線と光触媒の作用で空気を除菌・脱臭する。フィルターは水洗いすることができるため、交換せずに繰り返し使える。
2.換気の回数が減り空調の効率も向上
吸引した空気を除菌・脱臭して放出するサイクルを繰り返し、室内の空気をきれいにしていく。頻繁に換気を行う必要はないため、冷暖房の効率が高まる。砂ぼこりなども入らず教室が快適に。
3.スリムなデザインで設置場所を取らない
奥行きを抑えた薄型設計なので、壁際に設置できて邪魔にならない。持ち運びもしやすく、必要に応じて別教室に移動させる使い方も。床への設置が難しい場合は壁かけタイプなども選べる。
タイプ別の活用例
対面する機会が多い
卓上タイプは場所を選ばず、コンパクトで持ち運びやすい。
●受付窓口 ●会議室 など
床スペースを確保したい
壁かけタイプは、子どもが動きまわっても安心。
●保育施設 ●介護施設 など
狭くて床置きが難しい
天井埋込タイプは、スペースを気にしなくて済む。
●ロッカー ●トイレ など
設置環境に合わせてタイプが選べるのも魅力
同製品は空間の広さやレイアウトに応じて、サイズや形状を選べる。UVishのほかには直接照射するタイプなども。設置したい環境や課題に合わせた提案が受けられるので、まずは問い合わせを。
公共施設の導入事例
宮城県 七ヶ宿町
七ヶ宿町役場
栃木県
鹿沼市自然体験交流センター
栃木県立図書館
詳細はこちら
自治体、民間の導入実績はこちらから。
お問い合わせ
サービス提供元企業:東芝ライテック株式会社
住所:神奈川県横須賀市船越町1-201-1
E-mail:TLT-Info-UV-Lighting@ml.toshiba.co.jp