住民の来庁負担を減らす、行政手続きのオンライン化。そのニーズは高く、様々な自治体が電子申請サービスを活用している。柏市では新たにオンライン決済の運用をスタート。住民の利便性が向上し、大きな成果が出ているという。
※下記はジチタイワークスVol.25(2023年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社トラストバンク
導入を検討するにあたり現場の課題を洗い出す。
同市では以前、県が共同調達した電子申請サービスを活用していた。しかし、システムの変更で一部の機能が使えなくなったため、電子申請用のフォームを簡単に内製できる「LoGoフォーム」の導入を検討。令和3年9月にトライアルを申し込んだ。「操作性の良さから庁内の様々な業務で活用できそうだと判断しました」と、DX推進課の長谷川さん。スモールスタートで始めたテスト運用で、確かな手応えを得たという。
まず長谷川さんら同課の職員が各課をまわり、現場の課題を聞き出した。その改善にLoGoフォームが役立ちそうだと判断したら、原課に導入を提案。最終的に庁内15課でトライアルを行うことになったという。「自治体の導入事例が多いことや、テンプレートの充実ぶりが導入を後押ししました」。同課が伴走しながら運用し、現場からは“とても使いやすい”と好反応を得たのだとか。
そこで、令和4年4月の正式導入後、全庁での活用促進にかじを切った。「子育て関連の申請やイベントの申し込みなどは、WEBになじみのある若年層が対象だからか、大きな効果がありました。例えば、学区外の学校への入学申請では、電子申請を利用できる手続きの約75%がそちらに移行しています」。
手続きをオンライン化する電子申請サービス
専門知識がなくても利用でき、職員によるフォームの内製を促進。アンケートなどの受付後の処理や集計作業もラクになり、業務が効率化される。
point1:直感で使える操作性
専門知識がなくても使えるため、職員がフォームを内製できる。
point2:豊富なテンプレート
流用可能なテンプレートがたくさんあり、自分でゼロからつくる必要はない。
point3:使い方はアイデア次第
申請だけでなく、庁内外へのアンケートやイベントの予約など、活用の幅は広い。
駐輪場申請の60%以上が便利なオンライン決済へ。
電子申請をさらに便利にするのが、新しく導入したオンライン決済だ。同市では令和4年度、市営駐輪場の定期利用申請に導入。
従来は、利用者が駐輪場に出向き、係員から“納付書兼申請書”をもらっていた。それを持って金融機関へ行き、支払いを済ませたら、領収証を持って再び駐輪場へ。そこでようやく申請手続きができ、駐輪場のステッカーを受け取れたという。「係員がいる時間が限られる上、金融機関まで往復しなければならず、利用者からは何とかならないかと言われていました」と、自転車対策室の村上さん。
それがオンライン決済を実装したフォームなら、クレジットカードで支払うことができる上、駐輪場の定期利用を受け付ける申請期間中なら24時間いつでも手続き可能。ステッカーは入金を確認次第、自宅に配送したという。反響は大きく、利用者の60%以上がオンライン決済を選択。
「利用者からは“いつでも手続きができてありがたい”という声が寄せられています。頑張ったかいがありました」と、フォームをつくった中村さん。村上さんも「これによって係員の負担が軽減され、誘導や清掃など本来の駐輪場業務に専念できる。事務処理上の人的ミスを防ぐ効果も期待できます」と話す。同様の手続きはまだまだあり、ほかでも導入したいと語ってくれた。
電子申請への移行は住民と職員の幸せのため。
令和5年1月時点で50を超える部署がフォームを内製し、つくったフォーム数は約550まで増加。電子申請の受付数も5万件を超えたという。業務効率化も進んでいるようで、「職員からは、“窓口や電話での対応が減った” “グラフなどの分析結果が自動抽出されて分かりやすい”という声が多いです」と長谷川さん。住民と職員、双方の利便性が向上しているようだ。
また、DX推進課では“DX推進ガイドライン”を作成し、令和7年度までに行政手続きの半数をオンライン化させる目標を掲げている。その実現に向け、LoGoフォームは今後ますます重要な戦力になるだろう。「現在は行政手続きの棚卸しをしていて、ようやく全体像を把握したところです。どう進めていくかは協議中ですが、住民と職員がともに幸せになれるようなものにしたいですね」。
まだ始まって間もない取り組みだが、行政手続きのオンライン化は、すでに自治体の未来図に欠かせないものにまで成長しているようだ。
柏市 DX推進課
左:主事 長谷川 和成(はせがわ かずなり)さん
自転車対策室
右:主任 村上 雄亮(むらかみ ゆうすけ)さん
中央:主事補 中村 彩花(なかむら あやか)さん
柏市の活用促進ポイント
▶テンプレートの上手な活用
豊富なテンプレートの中から、各課の業務に流用できそうなものをDX推進課が選んで紹介。丁寧な伴走支援を行った。
▶庁内の活用事例を周知
庁内のポータル掲示板に、毎月作成されたフォーム数を公開。また、庁内の活用事例を紹介し、職員の意識上げを図った。
▶人気のハンズオン研修
開発元の「トラストバンク」による研修は、自席について作業しながら学ぶスタイル。“分かりやすいし、楽しい”と好評だ。
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