新型コロナウイルス終息の兆しはいまだ見えず、Withコロナが社会の常態になりそうだ。保健所が日常を取り戻すには、片腕となる民間企業の力が必要になるだろう。様々な自治体のコロナ対応を受託する「セントリック」の川崎さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.24(2023年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]CENTRIC株式会社
コロナ対応を一過性と捉えず、通常業務として体制を整える。
新型コロナウイルスの感染者は増減を繰り返し、いまだ落ち着く様子を見せない。今後のWithコロナ時代では、コロナ対応を保健所の通常業務として組み込む必要があるだろう。複数の自治体からコロナ関連の業務を受託する同社の川崎さんによると、「全数把握の見直しに伴い、軽症者の健康観察は行われなくなりました。しかし、まだまだ保健所の業務はひっ迫しています」。
同社では、令和4年1月から宮崎県日南市(にちなんし)の“ワクチン接種予約受付業務”を株式会社ホープと連携して受託。「ほかの自治体で同じ業務を多く受託した実績があり、柔軟な対応ができる点を評価されたようです。国の方針変更や報道によっては、住民からの問い合わせが急増します。当社では、電話回線やオペレーターの数、対応時間の調整などで柔軟に対応できます」。
また、契約から約2週間で業務を開始でる迅速性も評価されたという。マニュアルをゼロからつくる必要がなく、前例のないコロナ対応において、適切な運用体制をスピーディに構築できる点が強みだ。
住民サービスと適正な予算を両立させる、適切な運用とは。
「当社の経験とノウハウを活かして、日南市には事前に入電予測のシミュレーションを提出しました。自治体の規模や時間帯、接種券の配布時期などにより、入電数には偏りがあります。それらを予測し、最適な人員を割り出すのです」。例えば同市の場合、常時対応するオペレーターは5人で足りると判断。過剰な人員配置は予算のムダと考え、適切な人数で運用する。「ただし、電話がつながらない状況は避けたいので、最大10人まで増やせる体制にしています。効率的な運用による適正な予算を常に心がけています」。
さらに、自治体が異なっても住民の問い合わせはある程度共通するため、オペレーターの半数には同業務の経験者を充てているという。残り5人にも1年以上の受電経験者を充て、自治体の窓口にふさわしい、質の高い住民サービスを担保する。
同市の予約受付業務では電話のほか、WEBフォームやLINEからも予約できるシステムを構築。ツールは複数に分かれるが、情報は全て一元管理され、国のVRS※とも連携する。国や県だけでなく、医療機関などともつながっているため、一連の業務がスムーズに流れるという。
※VRS=Vaccination Record System(ワクチン接種記録システム)
全数把握の見直しを受け、陽性者対応は次のステージへ。
また、同社がコロナ対応を請け負う熊本県の療養支援センター(健康フォローアップ体制)でも、新たな動きが始まっている。
全数把握の見直しを受け、重症化リスクの低い住民には自宅での検査キットの使用を推奨。しかし、キットの陽性は“陽性疑い”でしかないため、同社がオンラインにより確定の判断を行う。住民が陽性判定となったキットなどを撮影し、画像をWEBフォームから送信。同社が手配した医師がそれを見て確定させる。
住民は医療機関に行く必要がなく、そのまま自宅で療養する。これにより、医療機関は重症化リスクの高い住民の対応に専念できるようになるという。
住民への連絡には、電話やSMS、メールやLINEにチャットなど、様々なツールを活用。特に陽性者が急増した際には、SMSが威力を発揮したという。「県知事の方針が、県民にできる限り寄り添うことだったため、連絡が必要な感染者は膨大な数にのぼりました。メッセージの到達率が高いSMSでの一斉配信により、業務効率が格段に向上したのです」。おかげで重症化リスクの高い住民には電話で連絡するなど、切迫した状況でも細やかな対応ができたという。
「今後は職員の数が減り、業務負担がさらに重くなる懸念があります。そのため本業務に限らず、紙データの電子化や自動発信による音声案内など、様々なDX推進サービスを展開する予定です」。これまで各種ツールを駆使し、職員の業務負担を軽減してきた同社。自治体の将来を見据えた、さらなる業務効率化の準備はすでに始まっている。
CENTRIC
執行役員 営業本部長
川崎 之朗(かわさき ゆきお)さん
長期化するコロナ対応は、変化に強いパートナーと二人三脚で乗り切る。
実績豊富なセントリックの強み
1.入電予測のシミュレーションをもとにシフトを調整
入電のピーク時期だけでなく、1日の時間帯別入電数や1件当たりの平均対応時間などを加味して、最適な運用体制を構築する。
2.経験豊富なオペレーターが対応
ほかの自治体でワクチン接種予約受付業務を受託した実績あり。そのためオペレーターに経験者を充てることができ、質の高い対応が可能になる。
3.オンラインを活用し医療機関の負担を軽減
熊本県のオンラインによる確定の判断では、重症化リスクの低い住民の対応を一手に担うため、医療機関の負担が軽減される。
自治体の業務を効率化させるその他サービス
紙の書類を電子データに変換
AI-OCRでPDFなどを二次利用できるExcelやCSVなどに変換。自治体が保管する膨大な紙の書類を効率的にデータ化し、DX推進の一助とする。
自動発信による音声案内
住民に周知したい内容について、電話で音声を自動発信。「この後、SNSで保険料未納をお知らせします」など、SNSと併用することもできる。
SMS一斉配信サービス
携帯電話の番号が分かれば、メッセージを一斉配信できる。到達率が高く、熊本県の健康観察では約8割の感染者から返事が来た実績あり。
当社と一緒に業務効率化を図りませんか?
長年、自治体業務を受託してきた当社は、業務内容に即した提案にとどまらず、コロナ関連業務では、限られたリソースで感染者の対応をできるよう管理対象者の疑似的トリアージの提案などを積極的に行ってきました。まずはお問い合わせください。
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