ジチタイワークス

神奈川県寒川町

印刷から処分まで商品券事業の全期間を大幅に短縮!

年金が減額される中で物価が高騰し、高齢者の家計を圧迫している。そこで寒川町では、町内限定で使える商品券の配布を決定。「JPコミュニケーションズ」のサポートにより、約2カ月半という短期間で準備が整ったという。

※下記はジチタイワークスINFO.(2023年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]JPコミュニケーションズ株式会社

初めて取り組む商品券事業を短期間で準備するためには?

近年、高齢者を取り巻く経済状況は厳しさを増している。例えば年金支給額は2年連続のマイナス。令和3年度の引き下げ幅は0.1%だったところ、令和4年度は0.4%とさらにその幅が広がった。一方、不景気や円安などの影響で物価はどんどん高くなり、生活必需品の値上げが続いている。

「今年5月の消費者物価指数(総合指数)は、前年同月と比べると2.5%上昇していました。年金が減っているにもかかわらず物価が上がれば、年金を主な収入源とする高齢者の暮らしに大きな影響を与えます。そこで、年金生活が想定される65歳以上の住民を対象に、経済的負担軽減および町内経済の活性化を目的として商品券を用意しようと考えました」と三橋さんは語る。

当初は商品券ではなく、現金給付も検討していたという。現金で給付した場合、口座への振り込みとなり、個人への配達業務や事業者への対応などが不要となる。その反面、貯蓄したり町外で使ったりすれば、地域経済の活性化にはつながらない。そこで現金給付ではなく、まちの事業者支援にもつながる商品券配布に決定。1人当たり1万円分の商品券を用意して、ゆうパックで届けることとなった。

切実な課題として浮上したのが、タイトなスケジュールだったという。同町では商品券事業の実施に際して、「令和4年度新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用。そのため年度内に全ての事業を完了させる必要があったからだ。「商品券の話は7月半ばには出ていましたが、方向性を決めるための議論を重ね、最終的に補正予算が議会で承認されたのが9月でした。配布が遅くなればなるほど、住民が商品券を利用できる期間も短くなってしまいます。11月からの利用開始を目指したいと考えていたので、文字通り時間との闘いでした」。

“まとめ役”がいることで手間が省けてスムーズに進む。

商品券を用意して対象者に届けるまでには、実に様々な段取りが必要だ。例えば、商品券のデザインや印刷から始まって、封入封かん作業、宛名印刷、配送、さらには対象者に届いた後も、問い合わせ対応や使用済み商品券の回収、そして最終処分まで見届けることも事業の範囲である。

商品券配布は初めての試みだったという同課では、何もかもが手探り。「商品券をどのようなデザインにすればよいのか、どんな紙を使えばよいのかなども全く分かりません。不慣れな上にかけられる時間も短く、とにかく不安しかありませんでした」と当時を振り返る。

そんな中、事業を円滑に進めるパートナーとして浮上したのが、日本郵便グループの広告プロモーション会社で、商品券事業を一本化して任せることができるJPコミュニケーションズ(以下、JPCOM)だった。同社は、日本郵便の100%出資子会社。商品券事業にまつわるあらゆる工程を、郵便局と連携しながらワンストップで支援できるのが強みだ。

「事業を始めるにあたって寒川駅前郵便局に相談しました。すると、商品券の印刷や封入封かんをはじめ、色々なことをまとめて任せられる会社が日本郵便グループ内にあると聞き、サポートをお願いすることにしました」。

各工程を別々の業者に頼めば、その都度それぞれの会社と打ち合わせが必要となる。業者数が多くなればなるほど時間がとられて、普段の業務にも影響を与えかねない。その点、打ち合わせも同社が全て代行するため、自治体にとっては窓口が一本化される。実際に、三橋さんが同社に依頼して実感した大きなメリットが、“手間の軽減”だという。「なにぶん時間が限られていましたから、全てお任せできたのは大きかったですね。何より私たちの意図をくみ取って、細かいところまで詰めていただけたので安心でした」。

数珠つなぎでよどみなく進行し確実に受領名義人へ届ける。

さらに、“スケジュール管理を任せられること” も魅力だったという。「全体のスケジュールを組んでくれたおかげで、常にゴールまでの流れを意識できましたし、滞りなく進みました」。準備期間はお盆の夏季休業期間とも重なったが、その時期にも対応できる業者を同社が探したことで、時間のロスなく進められたという。また、商品券事業は多くの工程があるため、各工程が少しずつ遅れただけでも、後ろの工程に大きなしわ寄せがいく。それぞれの工程をうまくつなげられるかどうかも、スケジュール管理の大きなポイントだ。

一般的に、印刷業者から配達業者に引き渡されるのは、印刷や封入封かんなど、一連の作業が全て終わってからとなる。商品券は金券類に属する特性上、ポストに投函するだけでは済まず、受取名義人へ確実に届けたという記録が不可欠だ。その記録を残すためには、再配達までの猶予を含め、しっかりと配達期間を確保する必要があった。

そこで同社では、全数量が納品されるのを待つのではなく、準備できたものから順に、郵便局に持ち込み随時配送する流れを整えた。「順繰りに配送できたことも、大きな時間短縮になりました」と振り返る。

配布した商品券。ブランディングに力を入れているため、商品券やポスターのデザインは内製した。

問い合わせや再配達対応も専用コールセンターが請け負う。

このように同社が効率的に進めたことで、商品券事業はスムーズに進行。当初の目標通り、11月には商品券の配送を開始した。「独自に進めていたら、有効期限が1カ月しかない商品券が届く、という事態に陥っていたかもしれません」と胸をなでおろす。

商品券事業は、配送して終わりではない。配送が始まってからも、各種問い合わせへの対応をはじめ、やるべきことはまだまだ残されている。特に給付関連の施策は住民の関心度が高いため“いつ届くのか”といった問い合わせも少なくない。住民だけでなく、商品券を取り扱う加盟店への対応も考える必要がある。印刷上の不都合があった場合はもちろん、使用済みの商品券の回収に関する問い合わせなども想定される。

こうした連絡や手配も、自治体の窓口を介して行えば、担当課が直接電話を受けることになる。もしもそれらの問い合わせが一挙に重なれば、現場は大混乱になりかねない。「今回は、専用のコールセンターも設置してもらい、業務を全て委託できました。問い合わせだけでなく、再配達依頼も同社が直接受けてくれたので、役場に電話がかかってくることはあまりありませんでした」。

使用済み商品券の処分は最後の関門だ。自治体側が処分する場合、焼却もしくは溶解業者に回収および処分の手配をかける必要がある。また処分までの間、安全に管理できる場所の確保、さらには最終処分場での実施監督もしなくてはならない。今回は、日本郵便が提供する「書類溶解サービス」を活用。事業終了を待たずに随時処分できる体制をつくったため、保管場所を用意する手間も心配もなかったそうだ。

高齢者支援で地域を潤し多くの笑顔につなげていく。

今回初めて商品券事業に取り組んだ同課。まちの高齢者たちからは感謝の声が届き、手応えを感じているという。「高齢者対策としては、現金給付の方がいいのでは、という声も確かにありました。ですが“届くのが待ち遠しい”“楽しみだ”という声が届いたり、役場に来庁した町民から直接お礼を言われたりするときに、やってよかったなと強く思っています」と顔をほころばせる。

地元商工会でも、商品券を使って買い物をすると、その商店街のポイントを加算したり、独自のタイアップ施策を行ったりと、様々な工夫を凝らしているという。「そのような広がりが見られたのも、商品券事業の成果の一つだと感じています。結果的に、高齢者と事業者双方の支援につながっているのではないでしょうか」。

今回の経験を通じ、様々な発見があったと語る三橋さん。高齢者向けの事業でありながら、意外と同町の公式LINEでの広報がきっかけで知った人も多かったのだとか。「得られたものはたくさんありました。何より住民の皆さんに喜んでもらえたことがうれしいですね。それも縁の下の力もち的な役まわりを、多岐にわたって担ってもらえたからだと感じています。今回得た知見やアイデアを次につなげ、もっと住みたくなるまちにしていきたいです」と今後への抱負を語る。

寒川町 健康福祉部
高齢介護課 課長
三橋 健一郎(みつはし けんいちろう)さん

JPコミュニケーションズ3つの強み

1.ワンストップ

自治体と各業者との間を取り結び、打ち合わせも代行。自治体職員が本来の業務に集中できる環境を整える。

2.スピーディ

調整を細やかに行うことで、効率良くプロジェクトを進行。企画から配達まで、短期間での準備が可能となる。

3.オンタイム

納期を意識した計画を作成。状況を細やかに確認しながら調整するので、自治体職員がスケジュールを組む必要がない。

グループ連携のメリット
つくる・届ける・その後の対応まで“かゆいところ”に手が届く動きができる。

寒川町と日本郵便は、令和3年に包括連携協定を結び、安心して暮らせるまちの実現や災害時の協力、子ども育成支援など、計5項目の連携を推進。その中には“寒川町のブランド醸成”が含まれており、同町が進めているブランドスローガン「『高座』のこころ。」に込められた“穏やかさ、やさしさ、あたたかさ”がある町のイメージの普及浸透に努めて
いる。このブランディングの一環として、赤いポストをブランドカラーであるブラウンへと模様替えするラッピングポスト施策なども一緒に取り組んできたという。

日本郵便の前田さんは、「以前の商品券事業では、当社は配達の部分だけ請け負ったのですが、デザインや印刷、封入など様々な工程が遅れて、配達に割ける期間が極端に短くなって大変な苦労をしました」と振り返る。その苦い経験を踏まえて今回、「グループ会社であるJPCOMと連携することを考えました」。同社は普段から自治体案件に取り組むことが多く、自治体の事情に精通しているという。「同じ日本郵便グループなので、当然ながら郵便局の仕組みや郵便の事情も、隅々まで理解しています。今回のプロジェクトでも協働することで、自治体にとっていわば“かゆいところに手が届く” 調整や動きをしてくれたと思います。中でも、用意できた商品券から納品し、順繰りに配達できる流れを整えてくれたのは、とても心強かったです」。

納品がスムーズに行われたことから、車両と人員のいずれも効率的に配備できたという。再配達依頼についても、「専用コールセンターを立ち上げてくれたことで、ゆとりをもって動けました」と話す。一方、JPCOMの平岡さんは、「日本郵便と連携することで、両社の強みが互いに最大化できるのだと思います」と話す。郵便局で働いていた社員も多いことから、打ち合わせのときも解像度の高いコミュニケーションがとれる。そのため、より踏み込んだ視点がもてるのだという。「自治体と郵便局、どちらも次の一手が想像できるので、先まわりしながら動きをサポートできたのではないでしょうか。これからも協力しながら、自治体職員の皆さんに喜んでいただけるサービスを提供していけたらと考えています」と、手応えと今後の意気込みを語ってくれた。

ラッピングポストなど、印刷・配布以外のアイデア提供も可能

同町のブランディング施策「『高座』のこころ。」の推進において、令和4年3月、寒川町役場とJR寒川駅北口の2カ所にあるポストをブランドカラーのブラウンにラッピング。正面の投函口には、手紙に託す思いとブランドスローガンをかけた「こころをおくる」という、小粋なメッセージがあしらわれている。ここにも2社の連携が活かされており、郵便にまつわる様々なアイデア提供から実施までを任せられることが分かる。

まずは気軽にお問い合わせください!

商品券事業には、商品券の制作から処分まで、多くの工程があります。“ 商品券をつくりたいが、どんなデザインにすればいいか分からない”など、まずはご相談ください。日本郵便グループとして、最大限バックアップいたします。

お問い合わせ

サービス提供元企業:JPコミュニケーションズ株式会社

TEL:03-3568-8516※
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂1-14-14 第35興和ビル4F
E-mail:jpcom-chihousousei@jp-comm.jp

※令和5年5月より事務所移転に伴い、電話番号が右記に変わります。03-6837-7316

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